合成生物学の衝撃

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須田桃子

この分野の研究開発は、もはや倫理的・社会的影響への配慮なしには、研究そのものが成り立たなくなっている。実は、旧ソ連では1980年代に生物兵器の研究開発が極秘裏に行われており、その実態は今の合成生物学と瓜二つだった。

現在のアメリカでも、アメリカ国防省の一部局(DARPA)が合成生物学に多額の研究資金を助成している。
従来、科学は真理を追究するモノであり、その成果をどのように応用するかは、社会の側の問題とされてきた。だが、もはやそのような役割分担は成り立たない。

これからの科学研究、少なくともそのある分野は、研究自体が不可避的に価値観や倫理の問題を孕まざるを得ない。今の化学が到達した地点とは、そういう所でもあるのだ。

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『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』

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佐渡島庸平

「自由」を追求した結果、われわれの社会は「孤独」の問題に直面したわけですが、そこでキーワードになるのが「コミュニティ」です。

「安心と自由」「わかりにくさとは参加するための余白」
「集めて・削って・並べ替えて・補足する」
「拡大するたびに、新旧両方の安全・安心の確保をする」
「納品主義」と「アップデート主義」

「安心と自由」どちらが重要か? 
コミュニティについて考える時、この二つがキーワードになるファンコミュニティを持っていれば、いいものを作ることを最優先できるけれど、それがないと、目の前で話題になることを追いかけて、自転車操業から抜け出せない

一番、成功しているコミュニティは何か? と考えたときに、僕はキリスト教を思い浮かべた。聖書は、最も売れている本である。聖書がわかりやすいかというとそんなことはない。逆に、わかりにくくて何度も読まないといけない。物語性が高くないから、一気に読むことは逆に難しい。だからこそ、誰もがそれについて語る。自分なりに理解して、語り合うからこそ、理解が深まる。もしも、わかりやすければ、語り合いが起きない。わかりにくさとは参加するための余白ともいえる

文化が発達するとは、どういうことか。多様性があるとか、いろいろな説明がありえるが、「作り手が増えること」という定義も可能だ。そして、ネット時代、弱者を作り手にするのをサポートするサービスが力を持っている

安全は、場所やモノに紐付くことが多い

編集とはどんな仕事か? 
究極的にシンプルにいうと「集めて・削って・並べ替えて・補足する」、この4つの作業を延々と繰り返して、情報を伝えやすくする行為だ。コミュニティに対しても、この4つを繰り返すことが重要だ

コミュニティは、拡大するたびに、新旧両方のメンバーの安全・安心が必ず脅かされる。そのことを理解して、拡大するたびに、新旧両方の安全・安心の確保をする。それだけで、コミュニティは拡大しても崩壊せず、熱狂を維持しやすくなる

「納品主義」と「アップデート主義」という考え方があります。一度で完璧な情報を伝えるのが「納品主義」だとすれば、不完全でもまずは伝達し、そこから修正を加えていくのが「アップデート主義」
完成品を求めない分、「未完成でも発信していいのだ」という雰囲気が生まれ、サロンメンバー全体の自己肯定感が高まる

孤独であることを人間の性として受け入れ、その上で一人とは違うコミュニティを作るほうが人を救うのかもしれない
ニューヨークは、世界最大級のアルゼンチン・タンゴのダンス人口だそうですが、その背後には「孤独」があります。人々が孤独になって、独自に活動を始めると、必ずそこには心の拠り所、ビジネスのサポート拠点としてのコミュニティのニーズが立ち上がってきます。

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『論語と算盤(上)』

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渋沢栄一

「偉い人」と「欠点のない人」

偉い人になるのがいいことのように思う風潮がありますが、そうではなく「常識の人」である欠点のない人が必要とされている。
智・情・意のどこかで突出しているのではなく智・情・意の3つをバランスよく備える。歴史書に出てくる英雄や豪傑には、何かと智・情・意の3つのバランスを失っていた人が多い。つまり彼らの中には、「意志は非常に強かったけれど、知識は足りなかった」とか「意志と智恵はそろっていたが、情愛に乏しかった」とかいった性格の人がいくらでもいました。

このような人はいくら英雄や豪傑でも「常識的な人」とは言えません。なるほど、一面から見れば非常に偉い点がある。非凡なところがある。普通の人には到底かなわない点があるのは間違いない。しかし、「偉い人」と「欠点のない人」とは、大きく異なるものです。

「偉い人」とは、仮に人間として備わっているべき性質のすべてに欠陥があったとしても、その欠陥を補ってあまりあるくらい超絶した能力を持っている人のこと。これを欠点のない人と比べて言えば「変態」です。
それに対して「欠点のない人」とは、智・情・意の3つが十分に満ち足りている人のこと。すなわち「常識の人」です。

私はもちろん、偉い人が出てくることも希望していますが、大多数の社会人に対する希望としては、むしろ「欠点のない人」になり、社会をそういう人でくまなく満たしてほしいと願っています。
つまり「常識の人」がもっと多くなることを希望しているのです。「偉い人」の使い道は限られていますが、「欠点のない人」ならいくらでも必要なのが今の世の中です。現代のように、社会のシステムがきちんと整備されつつあるときには、常識を備えた人がたくさんいて働くだけで、何の欠乏も不足もない。「偉い人」の必要性は、特殊なケースを除けば無いのです。

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感謝、称賛、報酬してる?

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 松本晃

日本では、大きな業績をあげた人に対する報酬は貧弱だ。だから、ヘッドハンターが暗躍し、会社にとって貴重な人材が簡単に引っこ抜かれる。

報酬の魅力だけで会社を移る事が日常化している。それでは、お金だけで人材を引き留めておけるか、それはNOである。お金で採った人は、お金で取られるからだ。

良い事には、常に感謝。輝かしい業績には、事ある事に称賛。稼いだ人には報酬。この3つをバランスとって、会社の文化にすることで、社員は会社を愛し、活躍し続ける。

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天に徳を積む

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天理教本部長、山田清治郎

日々通らせていただく心によって、人は埃を積むか、徳を積むか、いずれかである。

世の中に、こういう人がある。おれは他人の世話にならぬが、その代り他人の世話もせぬと言うて、これが当たり前と思っている。こんな人は、如何に徳が在ろうとも、日々に減らす一方である。

それを、日々に人の助かるよう、喜んでいただくようにと、心がけたなら、徳はますます積まれ、埃も払わせていただけるのである。
今日の人は、なるだけ働かないで得を取ろうと頑張っている。人の見ている所では人一倍働いて、人のおらぬ所では怠ける。十分のうち八分しか仕事をしないで十分のお礼を受ける。それは、人は知らぬけれど天が知っている。後の二分は、天に借金していることになる。

世の中では、そういう人を才子や、出来る人と言うが、神様から見れば、埃を積んでいるのである。その埃が積もり重なって、病気災難に遭うようになるのである。
それを反対に、八分すべきものを十分働いて、人の為に尽くしてやったならば、世の中では、馬鹿や阿呆と言われるけれど、神がお見通しである。
余分に働いた二分は、天に徳を積んでいるのである。そして、その徳により、日々自由を叶わせていただく事ができるのである。

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東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法とは? 

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 山口真由

超速「7回読み」勉強法とは、テキストなどを7回読むだけという勉強法です。 「30分の流し読み」を7回繰り返そう

【1回目】全体像を感じ取る ここでは、「見出し」を頭のノート上に写し取る感覚で読みましょう。 全体像を大まかに感じ取ります。

【2回目】こんな話がこの順番で書いてある、を把握 1回目を読んで「見出し」が頭に入った段階で、全体を流し読みします。 項目だけではなく、より細かいレベルで読んでいきます。 このクールを終えると、「こんな話が、こういう順番で書いてある」ということが把握できます。

【3回目】より全体像を強化
この段階も2回目と、基本的に同じです。つまり、全体を軽く流し読みしている段階です。

【4回目】キーワードを意識
ここからは、文章の中のキーワードを意識して読みます。よく出てくる単語、詳しく説明される用語を目に留めておきます。ただし、それを「理解しよう」「覚えよう」とはしないこと。 「理解しよう」「覚えよう」と考えると、止まったり悩んだりしてしまいがちですね。 とにかく「流す」のが大事というわけ。

【5回目】キーワード間の説明文を意識
作業内容は4回目と同じです。4回目との違いは、キーワードとキーワードの間の説明文を意識すること。つまり、そのキーワードがどのように説明されているのかに目を向ける段階です。 やってみないと分からないと思いますが、頻出キーワードなどが目につくようになるので、その説明に注目するわけです。

【6回目】答え合わせ
ここからはディテールにも目を向けます。 なお6回目以降は、「答え合わせ」の感覚を持ちながら読むのがおすすめです。 これまでの5回で確認済みの要旨について、「そうそう、このキーワードの意味はこうなんだ」「このキーワードとこのキーワードの関係はこうなんだ」などと思いながら読み進めましょう。

【7回目】定着させる
6回目を終えたら、頭の中のノートにだいたい本が写し取れているはずです。しかし、まだ鮮明ではないので、7回目でしっかり定着させます。

私は受験時代、分からない所を分かるまでやろうとしていたため、 やる気が落ちる、 時間がかかり、テスト範囲全てを勉強できない 一度やっただけの場所を忘れる などの問題がありました。
超速「7回読み」勉強法なら、分からなくても先へどんどん進むことから、やる気が維持でき、手付かずの場所がなくなり、また繰り返すことで記憶も強化されそうです。

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『上司力を鍛える』

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究和エンタープライズコンコード・人事コンサルタント、井上 健一郎

■上司がすべきこと、するべきじゃないこと人材育成のステップ。
まずは【教える】。やるべきことができるよう「こうしなさい」って、教える。一通りできるようになったら自分で考えて、コツを掴めるよう
【導く】。「どうしたらいいと思う?」と問いかけながらです。
そして、最後が【任せる】。よく、一人前にならなきゃ任せられないというけれど部分的に任せるでもいいんです。部分的でもいいから上司が【任せる】と言った瞬間、その仕事は任された人のものになって思考するようになるんです。
任せた仕事に対して絶対にやっちゃいけないのが求めたレベルに達していないからといって「ここがダメだ」と細かく分析すること。これはクリエイティブじゃなくてコントロールの世界になっちゃいますから。だからこそ【フィードバック】が重要なんです。

■仕事の結果をどうフィードバックする?
任せた仕事に対しての結果が上司にとっては物足りないものだったら?
目標設定や考え方が誤っていなければまずは【認める】こと。その上で「どうだったと思う?」「もうちょっと工夫できた気がしない?」と、任せた後、また【導く】んです。ク
リエイティブな人材は【教える】【導く】【任せる】を循環させながら育てていきます。そこで!大事になるのが【上司力】。
上司「うちの会社としてはもうちょっと質をあげたいと思うけどどう思う?」
部下「思っていたほど、成果に繋がりませんでした」
上司「何でだと思う?」
部下「お客さんのかゆいところに手が届いてないです
」上司「それってどこだろうね?」
終始【導く】問いかけをすることが大切。頭がぐるぐる動いている状態をつくってあげるんです。それでも、部下から答えが導き出せなかったら「僕の経験だとこの辺りがポイントかもよ」ってヒントを出すくらいは言ってもOK。
「僕だったらこうする」と言うのはコントロールの世界だから、アウトです。なぜなら本人に腹落ち感がないと、結局「言われたからやった」だけになるから。

■【上司力】はどう鍛える?!
究極を言うと導くのが上手な上司は決め手となる言葉を持っています。私がお世話になった上司は「面白いのか、これ?」でした。
企画とかを確認してもらうときにそう言って一言だけ。
またある人は「他にないんだろ?」だった。そう言われると「ないことはないんですけど」とか言っちゃうんですよね…つまり、一言でフィードバックしているんです。
もちろん、「一言」で返すには【上司力】も鍛えなければなりません。問いかけて、問いかけて問いかけざるを得ないという訓練をマネジメント教育で行うといいですね。

30代、40代の仕事人黄金期、この実行力のいちばん高い時期にスーパースターをつくるには20代のうちから創造性を育む準備をしておかなければならない。

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『斎藤一人 俺の人生』

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斎藤一人

最近、セクハラの問題が外国なんかでずいぶんあります。あのね、セクハラって、あんたが嫌いってことなの。だって好きな人だったら、誘われたら嬉しくてしょうがないでしょ?

だから、好かれる人間になることだよね。神様ってね、ユーモアが大好きなんです。で、面白いことに、人は笑うと、一瞬にして心が開きます。だから私はいつも、いろんな話を「これをどう表現したら、笑える話になるだろうか」って考えてるんです。
でね、まずは自分が笑える話にするわけです。自分が笑おうと思うとね、ものすごく面白くしないと笑えないんだよね。ところが、人を笑わせようと思うと、自分を笑わせたときの半分とか3分の1くらいの面白さでも笑ってくれるの。
もっと言うとね、相手の人数が多くなればなるほど、わずかな面白さでウケるんだよ。1000人集まれば、ちょっとした冗談でもワッと笑うよ。いちばん笑わせるのが大変なのは自分なんです。だから、いつも自分を笑わせてるとね、人に会ったとき、相手を笑わせるくらいの冗談を言うのはワケないんです。

で、私は何か面白い話があると、この話をどうやって表現したらもっと笑えるだろうかって考えるんです。だから、私はいつも、とても人には言えないような面白いことを考えては、1人でクスクス笑ってるの。
そうすると、周りから、「今、何考えてるんですか?」って聞かれるんだけど、言えないって(笑)。

幸せって、楽しいのと同じです。例えば、俺は野球の選手になるんだって決めて、野球選手になって大喝采されているところや豪邸に住んでいるところを想像すると、それだけで楽しくなるものなんです。
練習してようが、トレーニングしてようが、野球に関することなら何をしてても楽しいはずなの。だから、本物の野球選手になるまでのトレーニングなんかは楽しくないっていうのは、本物じゃないんだよね。本物っていうのは、想像しただけで楽しくなるものを言うんです。

ところが、世の中には楽しんじゃいけないと思っている人が一定数いる。そんなこと思う必要はないんだよ。あのね、一人さんって、とにかく面白くなきゃいけないと思ってるんです。
で、そう思ってるから、私の人生は面白いわけです。四六時中、面白いこと考えてるんだから、毎日面白くてたまらいんだよね。もし、1日に3人を笑わせることができたら、あなたの人生は大正解だと思います。同じ人ばっかり、毎日笑わせてもいい。やってごらん。

『面白いことってね、面白くないことから生み出されるものなんです。私の場合だったら、納税日本一になったとき、周りの知り合いから判で押したように、「斎藤さん、儲かって笑いが止まらなでしょう」とかって言われたんです。そういうときには、すかさずこう返しました。
「笑いが止まらない段階はもう過ぎちゃった。今は、あんまり儲かるものだから、夜になると笑いすぎて涙が止まらないんですよ」そうすると、だんだん何も言われなくなってくる(笑)。
そんなことないよって否定したり怒ったりするから、あれこれ言われるんだよね。こんなのもあったよ。ちょっと太るとね、「斎藤さん、金太りですか」って。幸せになることで太ることを幸せ太りって言うよね。それと同じように、私にお金が入ったから太ったと言いたいんでしょう。それにたいする答えは、こうです。「いや、金太りじゃないんだよ。金むくみで、今はもうむくんじゃって」私のは、金むくみだって返すんです(笑)。
こんなふうにね、笑えるような答えがいちばんだよ。相手も笑えて、こっちも笑える。それができると、変なことを言ってくる人はいなくなります。
だから私がいつも考えるのは、こっちも笑えて相手も笑える答えは何だろうっていうこと。要するに、相手よりちょっと楽しい知恵が勝っていればいいんだよね。』

いつも、人の心を冷やす名人がいる。愛のない言葉を発して、一瞬にして、相手の心を傷つけたり、嫌な気持ちにさせる。しかし、大事なのは、その挑発に乗らないこと。自分はいつも愛ある言葉を発し、相手を明るくして元気にさせると心を決めるのはもちろんのこと、相手の言葉に乗せられて、不機嫌になってしまっては元も子もない。
この世に生を受けた我々にとっての一世一代の大事な修業は、どんなことがあっても、愚痴や、悪口や、不平不満、文句、泣き言を言わないこと。そして、言わないだけでなく、いつも愛ある言葉を発し、相手を笑わせることができたら、周りも自分も幸せになれる。

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『斎藤一人 俺の人生』

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斎藤一人

最近、セクハラの問題が外国なんかでずいぶんあります。あのね、セクハラって、あんたが嫌いってことなの。だって好きな人だったら、誘われたら嬉しくてしょうがないでしょ?だから、好かれる人間になることだよね。神様ってね、ユーモアが大好きなんです。

で、面白いことに、人は笑うと、一瞬にして心が開きます。だから私はいつも、いろんな話を「これをどう表現したら、笑える話になるだろうか」って考えてるんです。
でね、まずは自分が笑える話にするわけです。自分が笑おうと思うとね、ものすごく面白くしないと笑えないんだよね。ところが、人を笑わせようと思うと、自分を笑わせたときの半分とか3分の1くらいの面白さでも笑ってくれるの。
もっと言うとね、相手の人数が多くなればなるほど、わずかな面白さでウケるんだよ。1000人集まれば、ちょっとした冗談でもワッと笑うよ。いちばん笑わせるのが大変なのは自分なんです。だから、いつも自分を笑わせてるとね、人に会ったとき、相手を笑わせるくらいの冗談を言うのはワケないんです。

で、私は何か面白い話があると、この話をどうやって表現したらもっと笑えるだろうかって考えるんです。だから、私はいつも、とても人には言えないような面白いことを考えては、1人でクスクス笑ってるの。そうすると、周りから、「今、何考えてるんですか?」って聞かれるんだけど、言えないって(笑)。

幸せって、楽しいのと同じです。例えば、俺は野球の選手になるんだって決めて、野球選手になって大喝采されているところや豪邸に住んでいるところを想像すると、それだけで楽しくなるものなんです。練習してようが、トレーニングしてようが、野球に関することなら何をしてても楽しいはずなの。だから、本物の野球選手になるまでのトレーニングなんかは楽しくないっていうのは、本物じゃないんだよね。本物っていうのは、想像しただけで楽しくなるものを言うんです。

ところが、世の中には楽しんじゃいけないと思っている人が一定数いる。そんなこと思う必要はないんだよ。あのね、一人さんって、とにかく面白くなきゃいけないと思ってるんです。で、そう思ってるから、私の人生は面白いわけです。四六時中、面白いこと考えてるんだから、毎日面白くてたまらいんだよね。

もし、1日に3人を笑わせることができたら、あなたの人生は大正解だと思います。同じ人ばっかり、毎日笑わせてもいい。やってごらん。『面白いことってね、面白くないことから生み出されるものなんです。私の場合だったら、納税日本一になったとき、周りの知り合いから判で押したように、「斎藤さん、儲かって笑いが止まらなでしょう」とかって言われたんです。そういうときには、すかさずこう返しました。「笑いが止まらない段階はもう過ぎちゃった。今は、あんまり儲かるものだから、夜になると笑いすぎて涙が止まらないんですよ」そうすると、だんだん何も言われなくなってくる(笑)。

そんなことないよって否定したり怒ったりするから、あれこれ言われるんだよね。こんなのもあったよ。ちょっと太るとね、「斎藤さん、金太りですか」って。幸せになることで太ることを幸せ太りって言うよね。それと同じように、私にお金が入ったから太ったと言いたいんでしょう。それにたいする答えは、こうです。「いや、金太りじゃないんだよ。金むくみで、今はもうむくんじゃって」私のは、金むくみだって返すんです(笑)。

こんなふうにね、笑えるような答えがいちばんだよ。相手も笑えて、こっちも笑える。それができると、変なことを言ってくる人はいなくなります。だから私がいつも考えるのは、こっちも笑えて相手も笑える答えは何だろうっていうこと。要するに、相手よりちょっと楽しい知恵が勝っていればいいんだよね。』

いつも、人の心を冷やす名人がいる。愛のない言葉を発して、一瞬にして、相手の心を傷つけたり、嫌な気持ちにさせる。しかし、大事なのは、その挑発に乗らないこと。自分はいつも愛ある言葉を発し、相手を明るくして元気にさせると心を決めるのはもちろんのこと、相手の言葉に乗せられて、不機嫌になってしまっては元も子もない。この世に生を受けた我々にとっての一世一代の大事な修業は、どんなことがあっても、愚痴や、悪口や、不平不満、文句、泣き言を言わないこと。そして、言わないだけでなく、いつも愛ある言葉を発し、相手を笑わせることができたら、周りも自分も幸せになれる。

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『マサカの時代』

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五木寛之

近ごろ、専門家や情報通と呼ばれる人たちの予想が外れることがしばしばある。少し前まで私は、その種の「マサカ」には、あまり驚かないほうだと思っていた。それでも最近、現実に起きる出来事には驚かずにいられない。メディアを含めて大方の予想が外れ、マサカの現実にぶつかる。そのたびに、「やっぱり、確実な未来予測などないものだな」、あらためてそう痛感することが増えている。

先年の衆議院選挙でも、一時は小池総理の可能性まで取りざたされたのが、結局は自民党が圧勝したように、先が読めないことがつぎつぎに起こる。2016年は海外でもイギリスのEU離脱が決まり、トランプ大統領当選があった。昨今の相撲界の不祥事もそうである。経済を見ても、株価がバブル崩壊以降で一時最高値を更新する一方で、東芝や神戸製鋼、日産、東レといった大企業が、経営危機や不祥事に揺れている。自動車業界は電気自動車シフトに雪崩を打ち、AI(人口知能)を業務に導入する大手銀行が、相次いで大リストラを打ち出すようになった。ひと昔前、就職すれば親戚一同にも鼻高々だった大企業でさえ、一生安泰というわけではなくなった。まさに時代の大転換期なのだ。

もちろん、いつの時代も「マサカ」という出来事は起こる。しかし、今の時代はそれが非常にドラマチックな形で、目の前に迫ってきているという実感がある。「マサカ」の上に「マサカ」が続く、そういう時代だと感じないではいられない。

私の趣味の一つは、十年ぐらい前の経済雑誌を読むことだ。そこでは、様々な学者やエコノミストが日本経済の先行きを予測しているが、そのほとんどが、外れているのが痛快である。後になって、自分が間違っていたと反省する本を出された人もいるが、ごく少数派だろう。
本として刊行される大半は、なぜバブルは起こったのか、なぜ崩壊したのか、という後付の話ばかり。後からの理屈は誰でもつけられる。そうではなくて、その道の専門家として、十年後はこうなる、という見通しを聞きたいものだといつも思うのだ。

『本物の「マサカ」の時代。その中で、個人にできることは何なのか。一つ言えるのは、人は自分の死生観を持つべきだということだ。いま自分が生きていること、やがて確実に死ぬということに対して、自分なりの答えを用意しておかなければならない。』
これからはますます、あらゆる予測という予測が外れる時代に入ってきた。AIやITなどの急激な進化や、変革が及ぼす影響が読めないからだ。まさに、「マサカの時代」。
その中で、一つ絶対に確実なことは、「人は生まれたら必ず死ぬ」という現実。これは、どんな金持ちだろうと有名人だろうと、この現実は免れることはできない。つまり、どんなことが起ころうと覚悟を決めるといこと。覚悟を決めるということは、生きている限り、己の人間力を磨き続け、少しでも善き人間となること。どうせ死ぬのだからと、自暴自棄になったり、享楽的になって努力を放棄してしまっては、この世に生まれた意味がない。

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