『擬(MODOKI)』

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編集工学研究所所長、イシス編集学校校長で、
読書家として知られる松岡正剛

「世」はすべて「擬」で出来ている

金銭を稼ぐことが目的として成り立たなくなり、
結婚の意味すらも曖昧になってしまった現在、
人間の営みそのものを考えることに、
とても大きな意味がある。

われわれが前提として受け取っているさまざまな事柄を
疑い、考察することで
世の中の真実や本質を明らかにして行きます。

社会にはいろいろ継ぎ目があって、
この継ぎ目にかかわるところには
人知をめぐる「ゆるみ」というものがあり、
手続きの「ぐあい」というものがある

微妙な継ぎ目と手続きにことごとく首尾一貫をもちこむと、
社会は次から次へと責任問題の所在判定と
その処罰とで埋め尽くされていく

カール・ポパーは「世界」を3つに分けて、
世界1を物理生物的な出来事に、
世界2を心的な対象と出来事に、
世界3を客観的な知識の世界にあてた。
一見、賢い区分のようだが、とてもつまらない。
なぜなら、世の中は混ぜこぜになっているからだ

「言ひおほせて何かある」は、表現できたからといって
それでどうしたの、何かをまっとうしたのという問いだ
表現するなら高きを知って俗に降りてきなさい

できれば思索と仕事と表現のあいだに、
科学やアートやコンピュータのあいだに、
「寂」や「絶間」や「おもかげ」が.残るようにしたい

ぼくが注目してきた仕事師たちは、内と外のどこかをつなげ、
内と外とをひっくり返していることが多い

どんな仕事も「あらわれている」を「あらわす」に
変えようとすることで成り立っている

日本語の「世」とは、竹の節と節のあいだのことをさしている

日本では「定め」と「世間」と「諦め」とは同義語に近い

「消費の欲求こそ、それに対する生産の欲求にくらべて
はるかに急速に模倣され、容易に広がっていく」
(タルドの模倣論)

「模倣可能性こそが文明文化の蓄積だった」(タルドの模倣論)

結局、世の中は「発明されたもの」か「模倣されたもの」かで
埋まっているだけなのである

人間の「世」の数々の営みの歴史のなかで、
最も多くおこなわれていたことが何かといったら、
おそらく好感(exchange)だったろう

モドキはそもそもが「何かのモドキ」であったのだから、
そこには必ず「何かの」がくっついている。
そして、その「くっついた何か」が日本文化の景色の中を
ずうっと摺り足で動いていく。
ここが重要だ。
日本の芸能は、この「何かの」を面影として継承するために
「擬きの芸」に徹した

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『縮小ニッポンの衝撃』

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NHKスペシャル取材班

ベストセラー『未来の年表』と同様、
日本の不都合な真実をまとめた、未来予想図。

データが示す日本の未来は、
これからの政策や人々の行動によって
変わる部分はあるが、
本書が扱っているのは「今」である。

現在でもこれだけ苦しい自治体があるのに、
今後本格的に人口減少が起こり始めたらどうなってしまうのか…。

2016年に発表された国勢調査(2015年)によると、
我が国の総人口は1億2709万人。5年前の調査と比べて、
96万2667人の減少である。
「人口減少」と言われて久しいが、
実は、1920年(大正9年)の開始以来
100年近い国勢調査の歴史上初めて
日本の総人口が減少に転じた、ひとつの大きな節目であった

夕張では、破綻後、若年層の流出が加速し、
過去10年間で人口の実に3割が減少した。
その結果、住民の高齢化率は5割を超えた

2014年5月に発表された「消滅可能性都市」とは、
少子化と人口減少が止まらず、
将来存続が危ぶまれる自治体を指す。
全国の49.8%にあたる896の市区町村が
「消滅可能性都市」に挙げられた。
選定の基準は、2010年から2040年までの30年間で、
子どもを産み育てる中心的な世代である
20~39歳の女性が5割以上減少することだ。
5割以上減少すると、出生率がいくら上昇しても
人口の維持が困難になるとされている

2016年2月に発表された国勢調査(2015年)では、
全国の8割以上の自治体が人口減少に陥っている。
それとは裏腹に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を
合わせた人口は、過去最高の3613万人を記録し、
世界最大の都市圏となっている

近年、豊島区に転入してくる若い世代は
年収が240万円ほどしかないため、税負担の能力は低い。
もし、非正規雇用に従事する人が多いとすれば、
将来的にも、給与水準が上がらない可能性がある。
もし、彼らが結婚し子どもをもうけることができなければ、
税金の担い手となる次の世代につなぐこともできない

「かつては、働けなくなった警備員は、
自分のタイミングで地元に帰るなどして
仕事をやめていっていました。
それがいまは、家族を持たない人が会社の寮に住み続け、
文字通り、体が限界を迎えるまで働き続けているのです」

「行政は『コンパクトシティ構想』って言ってるけど、
聞こえは良いけどもさ、
要は“厄介払いをする”っていうことでしょ。
コンパクトにして、
金のかかることは一切やらないようにして、
そして、地域を整理しますっていう計画でしょ」

東京をはじめとした大都市圏では医療や介護を必要とする
高齢者の急増は避けられず、
介護施設や医療機関で最期を迎えるのは
これまで以上に難しくなる

消滅をタブー視していては、何も進まない。
何を守り、何を諦めるのか

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『人生100年時代のお金の不安がなくなる話』

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竹中平蔵、出口治明

高齢化社会が本格的に到来、
低金利でかつ年金もどうなるか分からない時代……。

1億円貯めれば一生金利で食っていける、
という時代はすっかり過去のものとなりました。

かつては、セミリアイア、プチリタイアなどのブームも
ありましたが、
これからのトレンドは、一生健康で働き続ける、というもの。

人生の在り方を考える上で必ずといってよいほど
引用される名著に、アランの『幸福論』があります。
彼は言います。
「悲観は気分である。しかし楽観は意志である」と
(竹中)

おもしろい統計があって、日本のGDPに対する
現金の比率は20年前には8%だったのに、
今は20%近くまで増えているんです。
こんな国は他にありません。
多くの国でキャッシュレスが進んでいる一方で
日本はまだキャッシュ決済に依存しています。
「日本は現金を持っていても安全な国だから」と
言っている人がいましたが、金融は情報であり、
モバイル決済をするということは
ビッグデータが溜まるということで、そこに大きな意味がある
(竹中)

歴史を見ているとよく分かるのですが、
一度栄えた国や社会が滅んでいくのは、
時間との競争に負けたからです
(出口)

産業革命によって「会社」の概念が変わりました、。
会社のはじまりは、17世紀の東インド会社ですが、
それまで一度航海するたびに利益を分け合って、
そのたびに解散していた。
つまり、1航海ずつ解散するのが会社だったわけです
(竹中)

若い人たちは、
「自分たちが高齢者を支えなければいけない」と
考えるかもしれませんが、
年齢フリーの社会を創り、みんながみんなを支える、
つまり、「僕は70歳まで、私は75歳まで」というように、
年齢フリーで働いて、働けなくなったら
年金をもらうようにすれば、
そんなに心配はいらないと思います
(出口)

マイナンバーで所得と資産を管理して、
金銭的に余裕があって年金なしでもやっていける高齢者には
年金を辞退してもらう。
そうすれば、本当に必要な方には
もう少し手厚く給付することができます
(竹中)

これからは高齢者が増えるのですから、
マーケティングも高齢者が
行なえばいいですよね
(竹中)

自分の人生を大事にするためにはお金は使い切った方がいい
(出口)

「自分が何をしたいか」が決まれば、
有限のお金と、有限の命の使い方を
前向きに考えることができるはず
(竹中)

兼業に限らず、やりたいことはすべてやってみればいい
(出口)

明治時代から、日本は「上」から変わってきました。
健全に日本を変えていくには、
もっと政策のことを語れる人が必要だと思います
(竹中)

ずっと健康で働くこと、お金は使い切って死ぬこと、
咲ける場所を探せというメッセージ…。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『アメリカンドリームの終わり』

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ノーム・チョムスキー

どうしてここまでひどい格差があるのに、
みな不満も言わずに頑張っているのか。
それは、「いつかは自分もああなれる」という
「アメリカンドリーム」があるからです。

でも、もしそのアメリカンドリームが
終焉に向かっているとしたら?
アメリカンドリームの重要な部分は、
階級の移動性であり、それが今、崩壊しつつある。

今後の先進国の政治・経済・社会をうらなう上で、
極めて重要な位置を占めています。

アメリカの偽善、資本家の偽善、そして見せかけの民主主義…。

サブタイトル「富と権力を集中させる10の原理」

重要なことは、特権階級や権力層が決して
民主主義を好んだことはない、ということです。
それには十分な理由があります。
民主主義は民衆の手に権力を委ねるものだからです。
逆に言えば、特権階級から権力を奪うものです。
だからこそ富裕層は民主主義を嫌います。
それが、富と権力を集中させる基本原理です

社会が不平等になればなるほど、
国民の健康に深刻な悪影響がもた
らされる、とされました。
富裕層にすら、その影響が出てくるというのです。
というのは、不平等という事実そのものが、
人びとの社会的な人間関係も、意識も、生活全般も
むしばんでいくからです

アリストテレスは正しかったのです。
かれの言うとおり、民主主義の矛盾を克服する方法は、
不平等を減らすことであって、
民主主義を減らすことではありません

最近の公教育は、教育を技術訓練に貶めることに
力を注いでいます。
こうして、子どもたちの創造性や独立心を奪うのです。
これは単に生徒・学生だけではなく、
教師の創造性や独立心さえも奪います。
それが「テストのための教育」です。
具体的には、ブッシュ大統領の「落ちこぼれゼロ法案」、
オバマ大統領の「トップをめざして競争せよ法案」です

会社経営の頂点に座る人たちは、いまや技術者ではなく、
大学の経営学修士号を取得した人たちばかりです。
かれらはさまざまな種類の詐欺的な金融操作を学んで
卒業してくるのです。
そしてこのことが、経営者の態度を一変させました。
かれらはますます企業に対する忠誠心を失い、
自分自身にだけ忠誠心を発揮するようになってきています

なぜそこに働く労働者や地域共同体が、
その鉄鋼会社を経営してはならないのでしょうか

考えてもみてください。
仕事を増やし、投資を増やしたければ、
需要を増やしさえすればよいだけです。
もし需要が増えれば、
投資家はその需要を満たすために投資するでしょう。
だから、投資を増やしたければ、
貧しい人たち、働く人たちにお金を与えればよいのです。
そうすればかれらは、それを高価なヨットや
カリブ海の休暇には使わないで、
生活必需品の購入に充てるでしょう

たとえ不法就労者であっても、
かれらはこのアメリカで生活し、
ビルの建設作業に携わり、芝生の草を刈ったりしています。
にもかかわらず、かれらは人間ではないのです

『国富論』の、たとえば、四五〇頁まで読み進んだひとは
そう多くないでしょうが、
しかし、アダム・スミスは、そのあたりから
分業を鋭く批判しはじめているのです。
分業は人を機械に変えてしまうから、というのがその理由です

真に知的な人間とは、難しいことの本質を、
平易な言葉で、かつワクワクしながら語れる人だ

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『生きていくあなたへ』

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聖路加国際病院元名誉院長・日野原重明blog

一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。
だが、死ねば、多くの実を結ぶ。
(新約聖書 ヨハネによる福音書 十二章二十四節)

生きてきた時間のうち、人のために使った時間が多いか、
自分のために使った時間が多いかを測って、
人のために使った方が多い人が天国に行けるんだよ

名誉、お金、地位、他人からの賞賛、
そういうものに囚われていると、
ありのままの自分というのは
すぐに見えなくなってしまいます

自分の努力で変えられることと、
どんなに頑張っても変えられないことがある。
その変えられない現実の中で、真心をこめて生きたとき、
きっと神様が働いてくださる。そう信じて委ねるのです

人間というのは不思議な力を持っていて、
病によって弱められるのだけれど、
やがてその弱さの中から
ある種の強さというのが立ち上がってくるものなのです

確かに病は、筆舌に尽くしがたい苦痛を伴いますが、
これまでの無知だった自分をいさめ、
感謝という恵みを私達にもたらしてくれます

音楽も絵画も技術の素晴らしさが
人を感動させるのではなく、
そこに秘められた優しさや悲しみ、愛が
人々を魅了するのです。
医療も同じで、高い技術を駆使したところで、
患者さんを本当の意味で苦しみから
解放してあげられるとは限らないのです

一人で生まれてきた人間はいるのでしょうか? 
母親のお腹の中にいて、
母親の苦しみを経て、この世に生まれてきた、
その意味で人間は一人ではありません。
命自体が、自分一人の力で得られるものではないからです

医師の一色先生は「もし彼が歌声を取り戻せなかったら、
これまで築いてきたあなたの名誉に傷がつくだけだから、
そんなリスクのある手術をひき受けるべきではない」という
同僚や周囲の声に対し、
「自分の名誉が惜しくて
苦しむ患者を見捨てるわけにはいかない」と決心され、
きわめて成功率の低い手術に臨まれました。
同じ医療に携わる者として心から尊敬する姿だと思います

同時代の人がすぐには分からなくても、
真に価値のあるもの、
つまり真に美しいものに時代は必ず追いついてきます。
歴史の評価に堪えうる強さがあるからです。
本物というのは、
僕は「限りのないもの、区切りのないもの」だと思っています

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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情けは人のためならず

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見返りを期待せずに与えることで健康になれることが
科学的に実証されている。
幸せホルモン、愛情ホルモンと言われるオキシトシンが
分泌されて無上の幸福感を感じることができるからだ。

褒めることも、人に幸福感や激を与える。
感謝することも、身体的健康を増進することが分かっている。

心理学者アドラー
褒めるよりも感謝の方が効果は大きい。
よくできたねと褒めるよりも、
ありがとう、助かったよと感謝する方が効果は大きい。
さらに、見返りを求めない無償の行為ほど効果は大きくなる。

上杉鷹山「無欲万両」
欲を離れて無私の心で事に当たることには
高い価値がある。

褒める、感謝する、無欲万両を
合わせると無限の可能性が拓けていく。
人間なら誰でも、心の使い方次第で、
この無限の可能性を活用できる。
鬼に金棒の人生を送れる。

しかも、これはタダです。
使わんと大損ですな。
自分の機嫌は自分でとりましょう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『バカ論』

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ビートたけし

歳を重ねるごとに、後世に遺せる仕事がしたい、と
思うようになってきましたが、
「遺す」ためには合理性を捨てなければならない、
ということが分かってきました。

要するに「バカ」にならなければならないということです。

吉田松陰的に言うと、「君たち狂いたまえ」という
言葉になるでしょうか。

「やりたい仕事が見つからない」
「老後をどう過ごせばいいか」

などというありがちな悩みに対しても、
毒舌でバッサリ斬っており、
その視点の斬新さが刺激的です。

バカを見つけるには、ひとつコツがある。
そいつに質問させればいい。
そうすればすぐに馬脚を現す

当事者同士の問題のはずなのに、
マスコミというのは集団ヒステリーを起こしたように
「責任をどう考えるのか?」
「社会に与えた影響は?」なんて、バカなことを
いちいち聞いてくる

一方で、誰かが賞を受賞したり表彰された時の会見は、
驚くほど時間も短い

離婚に限らず、最近はどんなことでも
「世間の皆様にご迷惑をお掛けしたことを
お詫び申し上げます」なんて言って謝るけど、
世間の皆様に謝る必要があるとは思えないことばかり

バラエティ番組でも、いつからか
「ケーキは番組終了後にスタッフで美味しくいただきました」
というテロップが出てくるようになったけど、
嘘つけ。床にぶちまけられたケーキを美味しく食べる奴が
どこにいるんだ。要するに全部クレーム対策

多数決で決まることをあまり信用しなくてもいい。
むしろ「お前はバカだ」と言われても、
九十九人の方ではなく、残りの一人になる勇気が必要

プロ野球で言えば、今の野球選手と、
長嶋さんや王さんを比べちゃいけないってこと。
技術だけで言えば、今の選手や芸人の方が
優れているかもしれない。
だけど、その人が活躍した時代状況が何よりも重要で、
その時にいかに周りより飛び抜けていたかが大事

何を盗むか、というのは、芸人として問われるべき
大事なセンス
そのセンスがない奴は、変な顔をするだけとか、
脱いだり奇抜な格好したりだとか、
ただの見世物、フリークみたいなお笑いしかできない。
結局それは、「笑わせている」んじゃなくて、
「笑われている」だけ

「かくし芸」を「売り芸」にしちゃダメなんだ。
「裏芸」はあくまで「裏芸」の良さであって、
それを「表芸」にしてしまったら、
芸人としての寿命が縮むだけ

──「やりたい仕事が見つかりません」
いきなり参っちゃうね。まあ若い奴なだんだろうけど、
はっきり言うと、
「やりたい仕事が見つからない」ではなくて、
やりたくてもそれに見合った実力がないだけ

大体、孤独じゃない死なんてあるのか。
そもそも人間なんてのは、
ひとりで生まれて、ひとりで死ぬものだろう

現在の日本人は、空気を読みすぎて
がんじがらめになっていますが、
『嫌われる勇気』なんて深刻な話ではなく、
批判されても「それがどうした」と開き直れること、うけあい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『SHOE DOG(シュードッグ)─靴にすべてを。』

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ビートたけし

戦後間もない敵国・日本に乗り込み、
靴ビジネスに着手するだけでも驚きですが、
そこから誰もなし得なかった画期的新商品を次々と発表、
前人未到の成長を成し遂げたところが、
フィル・ナイトが尊敬される所以でしょう。

もちろん、多くの起業物語がそうであるように、
ナイキも順風満帆だったわけではありません。

パートナーのオニツカとの別れ、
幾度も襲いかかる資金繰りの危機、2500万ドルの請求、
ナイキブランドをお仕上げたプリとの死別…。

すべてがドラマ。
そして、ウォーレン・バフェットも言うように、
「フィル・ナイトは天性のストーリー・テラー」なのです。

私は世界に足跡を残したかった。
私は勝ちたかった。
いや、そうじゃない。とにかく負けたくなかったのだ。

だが分かったのだ。
世界は馬鹿げたアイディアでできているのだと。
歴史は馬鹿げたアイディアの連続なのだと。
私が一番好きなもの、
書物、スポーツ、民主主義、自由独立の精神は
いずれも馬鹿げたアイディアから始まったのだ

まず飛び出して異国を見ないことには、
世界に足跡を残せるわけがない。
大きなレースに出場する前に、
必ずそのトラックを歩いてみたくなるのと同じだ

その日からどれくらい経った後だろうか。
ニケ神殿を舞台にしたアリストファネスの喜劇を知ったのは。
その喜劇の中で戦士が王に贈り物を差し出す。
それは新しい1足の靴だ。
その喜劇が、自分の名字と同じ『騎士』(Knights)という
タイトルだったのを知ったのは

ポートランドまでの帰りに、
私は商売が突然軌道に乗った理由について考えた。
百科事典は売れなかったし、軽蔑もしていた。
ミューチュアルファンドの売り込みはまだマシだったが、
内心では夢も希望もなかった。
シューズの販売は、なぜそれらと違ったのだろうか。
セールスでは、なかったからだ。
私は走ることを信じていた。

私は器用に複数の仕事を掛け持ちしたことなどないし、
今さらそんなことをする理由も見出せなかった。
常に今を生きたいと思っていた。
本当に重要な1つの仕事に集中したかった。
仕事ばかりで遊びがない人生なら、
仕事を遊びにしたかった。
そのためにはプライス・ウォーターハウスを辞めるしかない。
嫌いだからではなく、自分のいる場所ではなかったからだ。
私が望むのはみんなと同じことだ。
つまり、24時間本当の自分でいられることだ

ウッデルの家が裕福でないことは知っていた。
息子の医療費で彼らは私よりも生活に困っているはずだ。
この5000ドルは命の貯金だ
「どうしてここまで?」母親が答えた。
「だって自分の息子が働いている会社を信用できなかったら、
誰を信用できるっていうの?」

寝てはいけない夜がある。
自分の最も望むものがその時やってくる。

スメラギは、イトーの前で今にも土下座しそうな勢いで、
自分が単独でやったことで、会社をだましていたと
断言してくれた。
「なぜそんなことをしたんだ」とイトーは聞いた。
「ブルーリボンが大成功すると思ったからです」
ナイキは私にとって我が子のようなものです。
我が子の成長を見るのはいつだって嬉しいものです。
「それでは君がインボイスを隠したのは……つまり……
彼らのことが好きだからというわけか」
非常にバツが悪そうにスメラギは頭を下げた。
「はい」と言った。「はい」と。

困窮していたナイキを日商岩井が救った話は
何となく知っていましたが、裏にこんなドラマがあった

「自分の息子が働いている会社を信用できなかったら、
誰を信用できるっていうの?」といって計8000ドルを貸した
ウッデルの両親、
まだ成功もしていないフィル・ナイトに嫁いで支えた妻、
シューズ開発に命を賭けたバウワーマン、
日商岩井の2人、同業者の攻撃にさらされたナイキのために
便宜を図ったハットフィールド上院議員、
そして、彼らを魅了した偉大なる起業家、フィル・ナイト…。

われわれが何のために生きるのか、どう生きればいいのか、
その指針を示してくれる

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『革命のファンファーレ』

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西野亮廣 021171

インターネット時代にすっかり変わってしまった
マーケティングのルールを押さえ、
どうすれば良い本が作れるのか、
どうすればそれを初速をつけて売ることができるのか。

僕より上の世代は、僕より下の世代のように
「職業に寿命がある」という体験をしてこなかった

やりたいことが見つからないことは、間違いでも何でもない。
肩書きが猛スピードでなくなっていく時代に
キチンと対応できている証拠だ。
「アッチがダメなら、コッチだ!」と、
肩書きを移動できる準備ができているわけだ

「好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くない」と
言われても、好きでもない仕事は消え、
好きなことしか残らなくなってきている。
ここからは、“好きなことを仕事化するしか
道が残されていない”時代だ

絵本『えんとつ町のプペル』で、
これまでの絵本と大きく変わった点は、
作り方を“超分業制”にしたということ

絵本を一人で作らせている原因のド真ん中に
「お金」という問題があった。
ならば、お金さえ集めてしまえば
「分業制」という選択肢をとることができる。
というわけで、
絵本『えんとつ町のプペル』の制作で
一番最初にやった作業は、「資金調達」であった

『好感度』と『信用』、『認知』と『人気』は、
それぞれまったく別物

お金を集めるには信用が必要だ。
そして信用を勝ち取る為には、
お婆ちゃんみたいなことを言うが、
嘘をつかないことが大切だ。
その為には嘘をつかなくても良い環境を作ることが大切だ

入り口でお金を取るな。
マネタイズのタイミングを後ろにズラして、
可能性を増やせ

支援額は操作できないが、
支援者数はリターン(お返し)の設定次第で
増やすことはできる

「無料で公開したら、お金を出して買ってもらえない!」
という指摘は、
こと絵本に関しては大ハズレで、
絵本を買う決定権を持つお母さん方は、
そもそも十分にネタバレしている作品にしか反応していない

無料公開の出し場所を散らしてしまえば、
情報を回収するコストよりも、
本を買うコストの方が安いから、
ビジネス書ですら無料公開した方が売り上げが上がる

これまで僕らは「いかにお客さんを増やすか?」の
競争をしてきたけれど、そんなことはしなくてよくて、
「作り手」を増やしてしまえばいい。
作り手は、そのまま消費者になるから

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『大人の語彙力ノート』

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齋藤孝 021171

「大丈夫です」→
「問題ございません」「差し支えありません」
「子細ありません/子細に及びません」
「支障ありません/不都合ありません」
「お気持ちだけいただきます」

「今、お金がなくて…」
→「今持ち合わせがなくて…」→「手元不如意で」
→「糊口をしのいでおります」

「わかりません」
→「勉強不足で申し訳ございません」→「寡聞にして
  存じ上げません」
→「浅学非才」

「楽しみにお待ちしております」
→「首を長くしてお待ちしております」→「指折り数えて
 おります」
→「一日千秋の思いです」

「教えてください」
→「ご教示ください」→「お知恵を拝借できますか」
→「ご高配のほどお願い申しあげます」
→「後学のためにおうかがいしたいのですが…」

「上手ですね」
→「お手の物ですね」→「無双」→「一頭地を抜いている」

「忘れてください」
→「ご放念ください」

「お願いして申し訳ございません」
→「お使い立てして申し訳ありません」

「どうぞよろしくお願い申し上げます」
→「何卒よろしくお願い申し上げます」→「伏してお願いします」
→「切にお願いします」→「まげてお願いします」

「反省しています」
→「平にご容赦ください」→「慙愧に堪えません」→
 「不徳のいたすところです」

「うれしく思います」
→「冥利に尽きます」→「恐悦至極に存じます」
→「快哉を叫びました」→「天の配剤です」

「ごちそうになりました」→「思わぬ散財をさせてしまいました」

「ラッキーだったよ」→「もっけの幸いでした」

「いただきもので失礼ですが」→「おもたせで失礼ですが」

人は、会話することで
相手の「ランク」や「レイヤー」を探っているもの。
その時鍵になるのは、会話の中に登場する
思想や語彙や人脈です。

SNS時代は、残酷なまでに人材がレイヤー化する
時代ですから、
より良い人と知り合えるよう、語彙力を鍛えるのは、
当然といえば当然ですよね。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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