ゾンビプロジェクト」をやめるだけで 企業は成長する

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スコット D. アンソニー,
デイビッド・ダンカン,
ポンタス・M・A・サイレン

ゾンビ・プロジェクトとは、まったく有望ではないのに
ダラダラと生き永らえているイノベーション活動である。
これらを中止すれば、経営資源の効率化と組織学習という
大きなメリットが得られる。

「そんなものは絶対に見つからない」と、
数十億ドル規模の売上高を誇るIT企業の上級幹部は言った。

ここで言う「そんなもの」とは、
有意義なイノベーション活動を害する最大の敵として
世界中で見られる、「ゾンビ・プロジェクト」である。
理由は何にせよ、当初の目的を達成できないにもかかわらず
ズルズルと存続している「死に体」のプロジェクトだ。
戦略上も財務上も会社に貢献できる見込みは
実質的にないまま、経営資源を浪費している。

このIT企業が革新的なアイデアを
うまく事業化できないでいる理由の1つは、
ゾンビ・プロジェクトが経営資源を浪費し、
イノベーションのパイプラインを停滞させているためだ。
そう我々は提言したのだった。
幹部は納得できない様子だった。

そんなものは絶対にない、と彼が考えた理由は、
この会社には非常に厳格な計画策定プロセスがあるからだ。
毎年多くの人員が数カ月を費やして、
直近の業績を評価し今後の計画の妥当性を検証している。
どのプロジェクトも丹念に精査されているのだから、
ゾンビ・プロジェクトなどあるはずがないという訳だ。

ゾンビ・プロジェクトの発生には、
特定のパターンが見られる。
経営陣によって承認された時点では、
その案件は間違いなく有意義だ。
財務予測も、新規プロジェクトでは常に不確実とはいえ、妥当に思える。
市場についての仮説は筋が通っていて、
開発スケジュールも実現可能なように見える。

だがプロジェクトを進めていくなかで、何かが起こる。
技術面で意図した通りにいかない。
競合企業が思いもしない手を打ってくる。
重要な事業パートナーが不参加を決める。
顧客が想定外の反応を見せる――。

プロジェクトの担当者たちは、
こうした出来事がマイナスであることを知りながら、
取り組みが軌道を外れたと認めることができない。
人間は心理学者の言う確証バイアスに影響を受け、
自分の期待に沿う情報には強い注意を向けるが、
そうでない情報は無視する。
さらに、失敗に気づいたとしても
「感情ヒューリスティック」にとらわれる。
つまり、その時の感情や思い込みにとって
都合の良い情報を重視し、都合の悪い情報を無視しがちだ。

そうした不都合な事実が積み重なってきたタイミングで、
プロジェクト担当者たちに自白剤を与えれば、
この取り組みが会社の財務目標や戦略目標に
有意義な貢献をしないと認めるだろう。
だが多くの企業の報酬制度では、
コミットメントの未達に対し大きなペナルティが
生じるため、担当者はみずから手を挙げ
「私たちの取り組みは失敗しました」と言うことを
躊躇する。
それよりも、プロジェクトを継続させる方法を
考えるほうが賢明だというわけだ。

我々は多くの時間をかけてこのIT企業を調査し、
ゾンビ・プロジェクトの存続を図る担当リーダーが
いかに巧妙に予算編成を歪めているかを知った。
その手口の1つはこうだ。
今後5年間での利益予想として大きな数字を打ち出す一方で、
短期的には、ごく控えめな投資を要求する。
次の予算編成時にもこのプロセスを繰り返す。
5年での利益予想は、計画策定プロセスで検証される
2年という期間から外れるために常に安全となる。
プロジェクトチームがコストをうまく管理している限り、
すべてはうまくいく。
なぜなら、長期目標を毎回示し続けること自体については、
それがけっして達成されないものでも、
ペナルティは実質的に生じないからだ。

どんな予算制度にも盲点があるものだ。
生き残ろうと必死な社内イノベーターたちは、
巧みにそうした点を見つけてつけ込もうとする。
この問題に対して、我々は「ゾンビ・プロジェクトへの
恩赦」を実施するよう提案した。
社員はこの恩赦期間に真実を告白でき、
プロジェクトを見直し、中止となっても
ペナルティを受けないものとするのだ。
この制度の重要なポイントは、
コスト削減のために人員を減らすことではなく、
より有望なプロジェクトに人員を再配置することで
新たな成長への投資を図ることである。

我々がこのIT企業の30余りのプロジェクトについて、
現実的に見込める利益を試算して評価したところ、
その2割が継続投資に値しないゾンビ・プロジェクト
であった。
ペナルティなしにそれらを中止することによって、
より戦略的に重要なイノベーション活動を
2年間支えられるだけの資金を捻出できたのだ。

☆6つの要諦

1.シンプルで透明性がある基準を、
あらかじめ設定しておくプロジェクトの中止には、
関係者のさまざまな感情が渦巻くものだ。
実行の前に数項目からなる中止の基準を
設定し共有することにより、
関係者は中止を合理的と見なすようになるだろう。

最も初歩的なものとしては、
事業アイデアに関する3つの問いを常に考えてもらう。
①市場のニーズは本当にあるのか。
②現在の競合企業、そして将来競合となりうる企業よりも、
自社はそのニーズをうまく満たせるのか。
③財務上の目標値は達成できるのか。

ただしどんな基準であれ、
それはあくまで指針にすぎず、規則とはしない。
最終決定では常にある程度主観的な判断が
必要となるだろう。

2.部外者を関与させる 
親がわが子に対してそうであるように、
プロジェクトの立ち上げに関わった人が
客観的でいることは難しい。
案件と関わりのない部外者、たとえば違う部門の人や
社外の人に中止の手続きに関与してもらうことで、
中立性という重要な面を担保できる。

3.プロジェクトの解消を通して得た教訓を、体系化する。 
企業がイノベーションに取り組むと
2つの成果が生まれる。
1つは構想をうまく事業化できた
(明らかに成功した)場合の成果。
もう1つは、事業化に至らなかった場合でも、
将来の成功にむけて何かしら学べることである。
事後検証の場を設けて教訓を抽出し、
それらを保存・共有するための生きたデータベースを
つくるとよい。
「失敗から得られた教訓はしばしば、
その後の成功を後押しする」ことが分かっている。
ゾンビ・プロジェクトから知識を抽出し
広めるために努力することで、
過去の投資の見返りを最大化することになるのだ。

4.「成果」の定義を拡大する 
大企業の幹部たちは、ベンチャー起業家の優れた能力に
自分がいかに対抗すべきか思い悩んでばかりいる。
だがそれよりも、自社で商業的に成功「しない」
プロジェクトに取り組んでいるイノベーターたちに
もっと配慮するべきである。
考え抜いたうえでリスクをとって挑戦しても、
ペナルティを受ける可能性があるならば、
誰もリスクをとろうとしなくなるのは当然だ。

イノベーションの取り組みにおいて、
将来の成功は常に不確実である。
したがって、ある事業アイデアが有効でないという
学びが得られたならば、それは成果と言える
(ただし、資源がある程度効率的に使われた場合に限る)。
貴重な教訓をもたらしたプロジェクトチームに、
称賛の意を伝えよう。

5.プロジェクトの失敗を広く周知する 
これは直感に反するかもしれないが、
商業的な失敗を広く公表すれば、
今後の努力を鼓舞することになる。
なぜなら、大胆な挑戦を促す企業でこそ
最もイノベーションが起こるからだ。
インドのコングロマリット大手タタ・グループは、
まさにこの「大胆な挑戦(Dare to Try)」という
名の賞を設けている(英語サイト)。
この賞は「望ましい成果を上げなかったが、
最も斬新で大胆、かつ真摯に取り組まれたアイデア」を
表彰するものである。
こうした努力に光を当てることにより、
従業員たちは安心してイノベーションの限界に挑戦できる。
結局のところ、思い切った挑戦なくして
成功など望めるはずがないのだ。

6.プロジェクトの終了を祝うイベントを開催する 
これはマグレイスによる2011年の素晴らしいHBR論文、
『「知的失敗」の戦略』からそのまま借用した
アイデアである。
「象徴的なイベント、たとえば通夜、劇、追悼式など
を開いて、関係者に終結を実感させる」という方法だ。

フィンランドのモバイルゲーム開発会社スーパーセルは、
創業後たった3年で時価総額30億ドルとなったが、
上記で述べてきたような原則に従うことの
大切さを示してくれる。
同社ではプロジェクトの成功はビールで祝い、
失敗はシャンパンで祝う。
過ちに対しては真正面から率直に向き合い、対処する。
たとえば1年以上かけて開発・投資してきた
マルチプラットフォーム向けの事業は、
開発目標に届かなかったために中止が決定された。
ゾンビ化の可能性があるプロジェクトには
中止の英断を下し、
担当者たちの成果については称賛する。
この方法で、人員を別のより有望なプロジェクトに
移せるのだ。
このチームの場合、その後爆発的な成功を収めた
「クラッシュ・オブ・クラン」を開発することとなった。

ほとんどの企業には、自分たちが考える以上に
経営資源が存在する。
ゾンビ・プロジェクトを見つけて廃止し、
その資源をもっと有望な活動に再配分すればよいのだ。
そうすればイノベーションの取り組みは、
すぐに改善され成長も加速していくだろう。

ハーバード・ビジネス・レビューの論文
「イノベーション体制をたった90日で構築する」より

好い論文を紹介できたと喜ぶ、エンジンオイル、OEMの
櫻製油所でした。

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『現代の経営』ドラッカー 

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上司が持つべき唯一の資質は真摯であること 

「成功している組織には、あえて人を助けようとせず、
人付き合いも悪い上司が必ずいる。 
愛想が悪く、いつも不愉快そうでありながら、 
誰よりも多くの人たちを教育し育成する人、 
最も好かれている人よりも尊敬を得ている人がいる。 
部下と自らに厳しくプロの能力を要求する人がいる」 
 
そのような人は、高い目標を掲げ、その実現を求める。 
誰がどう思うかなど気にしない。何が正しいかを考える。 
頭の良さより、真摯さを重視する。

この真摯さなる資質に欠ける者は、 
いかに有能で人付き合いが良くとも、
組織にとって危険な存在であり、 
上司として、紳士として不適格である。 
真摯さに欠ける者が跋扈するとき、
組織は死への道をたどる。

リーダー的資質など存在しないと断言するドラッカーが、 
リーダーが持つべき唯一の資質として挙げるものも、
この真摯さという資質である。

人は人の不完全なることを許す。ほとんどの欠陥を許す。 
しかし一つの欠陥だけは許さない。
それが真摯さの欠如である。

「学ぶことのできない資質、習得することができず、 
もともと持っていなければならない資質がある。 
他から得ることができず、
どうしても自ら身につけていなければならない資質がある。
それは才能ではなく真摯さである」 

真摯さだけは持ってるなと安心した
エンジンオイル、OEMの櫻製油所です。
 

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『明日を支配するもの』2 ドラッカー

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「これまで組織は、継続を旨としてきた。 
したがって、企業、大学、病院、教会のいずれの組織もが、 
チェンジ・リーダーとして変革を受け入れ、 
自ら変革していくためには、格別の努力を必要とする。

変革への抵抗が見られるのも同じ理由からである。 
継続を旨とする組織にとっては、 
変革とは、その言葉からして受け入れがたいものである」

「継続と変革の両方が必要だ」。 
本当はどちらが必要かと、しつこく聞かれれば、
「継続が必要だ」と答える。 
人も社会も、本当に必要とするのは継続である。

しかし、あらゆるものが腐り、壊れていくという
“エントロピーの法則”を逃れえない。
したがって、放置したのでは、継続は不可能である。 
継続のためには変革が必要である。

こうして今日では、ほとんどあらゆる組織が、
変革の担い手として、 
チェンジ・リーダーたる事を求められるようになった。 
チェンジ・リーダーたる存在になるということは、
変革を目的とするという事である。

もちろん、チェンジ・リーダーになったとしても、
継続は不可欠である。

組織においては、そこに働く者が、
自らの位置づけを知りえなければならない。 
共に働く人たちについて知りえなければならない。 
何を期待できるかを知りえなければならない。 
何人といえども、自らの働く環境を知らず、
理解することができなければ、 
いかなる役割も果たしえないからである。

継続は、他の組織との関係においても必要である。 
迅速な変革の為には、組織の内部における諸関係と共に、 
外部との関係においても継続が必要である。

継続と変革は対立するものではない。 
両立し、かつ互いに調和すべきものである。 
すなわち、それらは二つの極と見るべきものである。

そのための確実な方法の一つが、 
変革のためのパートナーシップを、継続のための基盤として 
随所に作り上げることである。

「組織の基本に関わること、 
すなわち、組織の使命、価値、成果と業績に、
関わることについては、継続性が不可欠である。 
チェンジ・リーダーにとっては、変革が常態であるだけに、 
とくに基本を確立しておかなければならない」 

あらゆるものが腐り、壊れていくという“エントロピーの法則”。
放置したのでは、継続は不可能になる。 
継続のためには変革が必要である。
肝に銘じよう、エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

 

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『明日を支配するもの』ドラッカー 

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「最初から完璧なものはありえない。 
必ず予想しなかった問題が出てくる。 
逆に大きな障害と思ったものが、たいした事なかったりする。
仕事というものは、初めに考えていたものとは 
必ず違ったものになる」 
 
特に、真に新しいものには、 
それを創った者には想像できなかったニーズと市場がある。

その代表例が、ジェームズ・ワットの実用蒸気機関だった。 
炭坑の排水用に開発したものが、
紡績で使われて予期せぬ成功を収めた。 
紡績会社が蒸気機関を使い始めるや、
綿糸の価格が7割下がった。 
近代工場が生まれ、近代経済が生まれた。
それが、産業革命だった。

新しいものには、新しい市場と新しい展開があるとするならば、 
すべて新しいものは、小規模に始めなければならない。 
見通しを得るための紙上のアセスメントでは不足である。

新しいものは、すべて小規模にテストしなければならない。 
つまりパイロットしなければならない。 
そして予期せぬ成功があれば、
それを追求しなければならない。

加えて、変化の先頭に立つには、
そのための予算が必要である。 
しかし現実には、あらゆる組織が、
景況に合わせた1種類の予算しか持っていない。 
その予算を、好況時には一律に増やし、
不況時には一律に減らしている。

そのようなことでは、
チェンジ・リーダーにはなれない。

未来を築くには、未来のための予算が必要である。 
好不況にかかわらず、一定に保つべき予算である。 
その規模は、全予算の10~20%であろう。 
未来のために何かをやろうというのであれば、 
そのための予算が必要なことは当然である。

成功を追求するための予算も、この未来予算に含まれる。 
成功したから、それでよしと終わってはならない。 
成功したからこそ、継続して力を入れなければならない。

「われわれは、報告に基づいてマネジメントしがちである。 
したがって、チェンジ・リーダーたるには、 
予期した以上の成果をあげている分野、
予期せぬ成功を収めた分野、 
機会のある分野に焦点を合わせた報告が必要である。 
さらには、未来を生みだし、変化の先頭に立つことを
見込んだ予算が必要である」 

明日を支配したいと願う、
エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

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『プロフェッショナルの条件』ドラッカー

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「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。 
弱みを気にし過ぎてはならない。 
利用できる限りの、あらゆる強み、 
すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを 
総動員しなければならない。 
強みこそが機会を生かす力である。 
強みを生かすことは、組織に特有の機能である」

「弱みを克服せよとは、決して言うな。」 
そのようなことは不可能である。 
たとえ、成功しても、その過程で強みまで危うくする。 
しかし組織は、人それぞれの弱みを意味のないもの、 
大した事ではないものにする事はできる。

組織の役割は、一人ひとりの強みを、 
共同の事業のための建築用ブロックとして使うことにある。

人の強みを生かし、
弱みを意味のないものにする事こそ、 
組織の正当性の唯一の根拠だ。 
これができていれば、組織には、どなたかのお子さんに 
あれこれ命令する権利、権力など許されるはずがない。

「人事は強みを中心に行え」
米国の南北戦争時の逸話である。

北軍を率いたリンカーン大統領は、
最高司令官の人選のとき、 
グラント将軍の酒好きを心配した参謀に対し、 
「銘柄が分かれば、他の将軍たちに贈りなさい」と言った。

リンカーンも、酒好きの危険は承知していた。 
しかし、北軍の将軍の中で、
常に勝利をもたらしてくれるのはグラントだった。

酒好きという弱みではなく、戦い上手という強みに基づいて 
最高司令官を選んだがゆえに、
リンカーンの人事は成功した。

南軍の最高司令官、リー将軍にまつわる話も、 
強みを生かす事の意味を教える。

あるとき、部下の将軍の一人が命令を無視し、
作戦を台なしにした。 
しかも、初めての事ではなかった。

感情を抑える事のできるリー将軍が、珍しく怒った。 
だが、落ち着いたところで、
副官が、「解任しますか」と聞いたところ、 
驚いたという顔をして、
「馬鹿を言うな。彼は指揮ができる」と言った。

「大きな強みを持つ者は、ほとんど常に大きな弱みを持つ。 
 山があるところには谷がある」

社員の多様性とは、このような事をも受け入れるということですね。
経営に生かそうと決めた、エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

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革新的な組織に変わる施策

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あらゆる企業が革新を起こそうと模索している
正解なき成熟社会。
イノベーションが起きやすい組織風土にするには
コミュニケーションレベルの高さが必要だ。
職場におけるコミュニケーションの質が高ければ、
付加価値は日常的に生み出されていく。

ところが、制度ばかりを変えたがる会社が非常に多い。
報奨金制度やアイデアコンテスト、社長賞といったものだ。
制度を設けたところで、
コミュニケーションを活性化させる事が前提になっていないと、
本質的に革新が起きやすい風土へと変貌することは難しい。
他社の制度事例を真似して結果が出ないと嘆く人がいるが、
大事なことは別のところにある。

コミュニケーションレベルを上げるには、どんな施策があるか。
職場は様々なエリアに分かれている。
例えば、午後3時には皆で集まってフルーツやお菓子を
食べるというのも一案だ。
正解主義にとらわれず、様々な案を考えてみると良い。

面白いのは、リクルートにおける事例だ。
皆が皆を「さん」付けで呼ぶというアクションを起こしていた。
課長、部長、あるいは社長でさえも、すべて「さん」付けだ。
これだけで組織としてのコミュニケーションレベルは
想像以上に変わる。それはなぜか。

「縦割り組織」といったように、
組織というものを縦の関係で見る人は多い。
そして部署や同僚など横の関係を意識する人もいる。
しかし家の構造に例えるならば、
組織風土で大切なのは柱でも梁(はり)でもなく、
それを斜めに支える「筋交い」なのだ。

上下のコミュニケーションでは、
命令するか反発するかといった関係に陥りがちだ。
横のコミュニケーションでは、チャットで上司の悪口を言う程度だ。
他部署の先輩や後輩、そして上司といった関係まで、
「さん」付けを定着させるだけで
斜めに対する意識が変革し、コミュニケーションは潤滑になる。

やろうと思っていたのに、先を越されてしまった
エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

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競争の中で長期利益を獲得するためには、 何が一番大事なのか。

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競合他社との「違い」を作ることです。
メーカーの製品に喩えるならば、
その製品にほかの企業の製品にはない「違い」があるからこそ、
顧客に選ばれるのです。
 
「違い」には程度の違い=OE(Operational Effectiveness)と
種類の違い=SP(Strategic Positioning)があります。
OEは、体重、身長、髪型などなんらかの尺度によって測れるもの。
一方、SPは、性別、職業、趣味など、明確な指標がなく

優劣をつけられないものです。

betterとdifferentの違い、と言ったら分かりやすいでしょうか。
「より、いいものを目指すこと」というのは、
決して悪いことではない。
ですが、いたちごっこになりがちです。
製品価値の賞味期限を延ばすのではなく、
かえって縮めてしまうこともある。
 
例えば、シェーバーの刃は1枚よりは2枚にした方が
よく切れますよね。
「じゃあ、他社の製品よりも、いいものを作ろう」と思って
メーカーは刃を1枚、2枚、3枚とどんどん増やしていく。
一見正しいことのように思えますが、
6枚や7枚になっていくとしたら? 
 
ここには、危険な落とし穴があります。
 
OE(程度の違い)=betterの追求には、物理的な限界があります。
ちなみに、シェーバーの刃はあまり多いと
サイズが大きくなりすぎて、顔に当てられない
といったような限界がある。
加えて、そもそも顧客の認知における限界もある。
シェーバーの刃が5枚から6枚や7枚になったところで、
製品に対するイメージは、たいして変わりませんよね。
 
もうひとつのデメリットは、「よりいいもの」を
追い求めていると、「違い」を作っているような気に
なってしまうことです。
今の日本の企業の多くが「より、いいものを作ろとすること」にのみ、
リソースを費やしてしまっている。
しかし、そこには物理的な終わりが待ち受けている。
顧客の認知的な終わりはもっと早く来る。
我々は、終わりに向かっていたちごっこをやっているんです。
 
戦略を構築する場合には、
まず、SP(種類の違い)の方を明らかにすることが大事なんです。
 
他者との程度の差ではなく、種類の差を作ろうと目覚めた、
エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。
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中小企業のB2C商品開発

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資金も人材も少ない企業のB2C商品開発では
「高性能・高価格・高利益率」を目指すべきです。
しかし「高価格・高利益率」はメーカーなら
誰もが熱望していることで、
それに見合う「高性能」が見つからなければ、
高価格・高利益率なんて絵空事にすぎません。
 
その解決策のひとつが、
「プロ寄りの高品質な趣味製品」です。
中小企業が狙うべき「高性能」について考えてみましょう。
 
★B2Bの「高性能」とB2Cの「高性能感」
 
まず、B2C商品の「高性能」を理解しておく必要があります。
 
B2Bでは受注した仕様書通り(もしくはそれ以上)の性能の実現が
高性能ですから、とてもわかりやすいものです。
しかし、B2Cにおけるそれはもう少し複雑です。
B2C市場における高性能とは決してスペックのことではなく、
「高性能感」とでも言うべき感覚的なものです。
ある商品を使用して「使いやすくて期待通り
(もしくは期待以上)の結果が得られた」と感じたとき、
はじめてユーザーは、その商品を高性能と評価するのです。
 
例えば、写真撮影が趣味の人がいたとします。
彼にとってカメラとは、夕日に映える湖の水面でも
道端の可憐な花でも、昼でも夜でも室内でも、
確実に思ったとおりの写真を撮るための大切な道具です。
そんなユーザーのニーズを満たすために、
カメラに求められる機能は多岐に渡ります。
多機能でないと困るし、
それを使いこなすのは喜びでこそあれ、苦痛ではありません。
 
でも、多機能カメラを嬉々として使いこなす彼が、
多機能な電子レンジを使いこなせず、
ミルクを温めることに失敗したりします。
そんなとき彼は、カメラの高性能感に満足しつつも、
電子レンジは役に立たないと感じることでしょう。
反対に、料理が得意な人は同じ電子レンジを高く評価し、
多機能カメラを高価な玩具とみなすかもしれません。
 
つまり、B2C商品の「高性能感」は、
ユーザーの趣味や経験や能力によって
大きく変化してしまうのです。
 
★狙うべきはマニアにとっての「高性能感」
 
大企業は誰もが高性能だと評価するような商品を
作らなければなりませんが、
中小企業が狙うのは
10年かけて毎年数千台販売していくようなニッチな市場です。
だから、ほんの一握りの人が「使いやすくて期待通りだ」と
喜ぶような「高性能」を目指すべきなのです。
 
ほんの一握りであっても、高性能だと感じたら
高価でも購入してくれるユーザー。それがマニアです。
マニアとは独自の判断基準を持っている人たちなので、
自分が高性能だと評価したら、あまり価格を気にしません。
むしろ、高価なほうを喜ぶ傾向すらあります。
 
★「高性能」は「多機能」とは限らない
 
一握りのマニアが高性能だと評価してくれる商品、
それが「プロ寄りの高品質な趣味製品」です。
そしてマニアが喜ぶ商品は、むやみに多機能である
必要はありません。
DIYが趣味の人はハンマーやペンチに、
料理が趣味の人は鍋や食器に、
こだわりを持っているはずです。
ハンマーも鍋も、多機能ではありません。
マニアの琴線に触れる商品であれば、単機能でも喜ぶのです。
 
バルミューダは、トースターを新発売しましたが、
そのサイトでは「バタートースト」から
「カリカリのベーコンエッグトースト」「喫茶店のピザトースト」……と、
これでもかとばかりにトーストのレシピが紹介されています。
もちろんグラタンやクッキーなど、
トースターで作れる料理ならなんでも調理できるのですが、
トーストに特化した単機能トースターという商品提案に、
トーストマニアならきっと大喜びすることでしょう。
彼らにとって22,900円(税別)は
決して高い買い物ではないでしょうし、
そんなトースターなら喫茶店やカフェのプロも
注目していることでしょう。
 
★マニアが作った商品は強い
 
また、何度も紹介している大里化工の商品撮影セット
「フォトラ」は、社長自身がカメラマニアだったからこそ
生まれた商品です。
フォトラも単機能ですが、カメラマニアの社長のこだわりが
詰まっています。
フォトラは、室内の机上で高さ20㎝程度の対象物を撮影するときに
最適な設計になっています。
そのような商品だったからこそ、
フォトラに最初に飛びついたのが、
ジオラマやフィギュアの撮影が趣味の模型マニアだったのです。
口コミでフォトラの良さを広めてくれたのも、
そのマニアたちでした。
フォトラをいたく気に入ったある模型マニアは、
なんとフォトラの1/20の模型を作ってくれました。
たった一人でもそこまでユーザーから愛される商品を
開発できたら、メーカー冥利に尽きるといえるでしょう。
マニアがマニアのために作った商品、
それがB2Cの趣味の市場では強いのです。
 
反対に、マニアの不在で開発が止まってしまったこともあります。
以前、肉や魚などの冷凍食品を常温でおいしく急速解凍できる商品の開発を
お手伝いしたことがありましたが、
残念ながら商品化まで至りませんでした。
その原因の一つが、開発チームに料理マニアがいなかったことにあると感じています。
 
開発チームの当事者にとって身近な日々の仕事や
大好きな趣味の世界の中にこそ、
一握りのマニアが高性能だと評価する商品、
中小企業が狙うべき「高性能」についての開発テーマが埋もれているのです。
 
ぜひとも参考にしたいと思う、エンジンオイル、OEMの櫻製油所です。
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世界を動かした脳の病気 小長谷正明

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優秀な経営者は、リーダーを評価する時に
顔の表情を見ている。
面構えがいいとか、美形であるとかではない。
正しい判断を下せる健康状態かどうかを見ている。

残念ながら、優れたリーダーが、
いつまでも優れている事は難しい。
多くのリーダーが、いつかは衰え、病気を患い、
判断を間違えてしまう。
しかしながら、彼らは持ち前のカリスマ性により、
実権を握り続けて悲劇を起こしてしまう。
脳の病気が歴史を変えた。そんな例は、いくつもある。

ヒトラーに政権を奪われたヒンデンブルクは認知症だった。
知的能力の低下は明らか、義務感も低下していた。
国防軍のナチ化や、国際連盟からの脱退などの重要な時。
彼は準備された書類に言われるがままに署名するだけだった。

ヤルタ会談でスターリンの言うなりだったルーズヴェルトは、
史上最低のアメリカ大統領だった。
彼の高血圧が降圧剤で治療できていたなら、
ヤルタ会談の中身は変わっていただろう。
東西ヨーロッパを分断した鉄のカーテンや、
日露の北方領土問題も起こらなかっただろう。

ジャンヌ・ダルクとドストエフスキーは側頭葉てんかんだった。
敬虔なキリスト教徒であったジャンヌ・ダルクは、
教会の鐘の音で神秘体験をし、
フランスへ行けという神の声を聞いた。
いつも神を意識していたドストエフスキーも、
神の音で発作が始まり、
宗教的な幻影を見て高揚感が発現した。

最高権力者の失語症は、歴史の流れに強い影響を与えている。
レーニンはロシア革命に成功した数年後に、
失語症と右辺麻痺を伴う一過性脳虚血発作を繰り返して、
言葉と身体の動きを失ってしまった。
スターリンはレーニンを追い落とし、
反対派を粛清して権力を握った。
ソビエト連邦は、労働者の天国となる筈だったのに
圧政国家となってしまった。

ブレジネフは太り気味で糖尿病があり、
ヘビースモーカー、大酒飲み、睡眠薬を常用していた。
1973年頃から、知的機能の低下が出て来た。
彼の振る舞いは、彼の地位と場にそぐわないものであり、
抑制が外れていて、多幸的な傾向が在った。
彼は前頭葉に問題を持っていた。

老醜を晒したくないと思った、エンジンオイル、OEMの
櫻製油所でした。

 

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インテルの戦略

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ロバート・バーゲルマン

メモリ企業時代のインテルの強みは、
歩留りを改善するためのプロセス技術や製造技術だった。
ところが、投資が巨額になるにつれて、
強みは、ニコンのような製造装置メーカーへと移って行った。

装置メーカーへのパワーシフトが起こってしまった。
装置を購入して、ノウハウを獲得した
日本の半導体メーカーなどが台頭することになる。
インテルは、メモリからの撤退を余儀なくされた。

幸い、インテルはマイクロプロセッサへの
資源シフトに成功した。
これを実現したのは、経営陣ではなくて、
ファイナンス部門だった。
彼らのルール「ウエハー1枚あたりの収益性を最大化する」
これにより、より採算性の高い製品に
製造能力を割り当てたからシフトに成功した。

インテルは半導体部品を提供する会社から、
パソコンの覇権を握る会社にまでと躍進した。

自社の強みを分析しておかんといけませんなと痛感した
オンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。

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