『アリエリー教授の人生相談室』

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ダン・アリエリー

人は誰かに相談するとき、
基本的には「聞いてもらいたい」のだと思いますが、
本当に意味ある答えを求めるなら、
学問の基礎がある人に相談する方がいい。

☆望ましい優先順位を守るための簡単な方法3つ

1.頼みごとをされるたびに、
「来週だったらどうするか」と考える
ほかの予定をとり消してでも時間をつくろうと思えるなら、
引き受ければいい
2.予定表を見てその日に動かせない予定が入っていた、
と想像する
残念だと感じるなら、頼みごとを引き受ければいい
3.キャンセル・エレーション(高揚感)
キャンセルして喜びを感じるなら……
どうすればいいかはわかっているね?

今度休暇(たとえば三週間ほど)をとって、
君が転職を検討しているタイプの会社で
ボランティアをするといい。
私がかなり長い試行期間を勧めていることに
気がついたかな。
最初の目新しさが消えたときに
その仕事がどう感じられるかは、
時間をかけないとよくわからないからだ

意思決定にまつわる三つ目のバイアスは、
不変性バイアスだ。
私たちは、いったん決めてしまうと
二度と変更できないように思われる
重大な決定(結婚する、子どもをつくる、
遠くに引っ越すなど)を迫られると、
その永続性におじけづいて、
一層重大で手ごわいように感じる。
しかも、そうした決定は後悔の余地も大きいんだ

デート相手に関していえば、
相手のことを知れば知るほど、
恋愛感情は高まるどころかむしろ薄れる

外から招かれたCEOは、
生え抜きのCEOに比べて高い報酬を得るが、
実績はむしろ低いことを示す証拠がいくつかあがっている。
この場合も情報不足のせいで、
期待がむやみに高まるのが原因なんじゃないかな

人は自分の不正な行いの多くを正当化できる。
またそうした行いと現金との距離が遠ければ遠いほど、
正当化しやすい

嫌いな科目を好きな先生に教わるときは、
先生に集中すれば科目が気にならなくなるし、
好きな科目を苦手な先生に教わるときは、
授業の内容に集中すれば先生のことは気にならなくなる

音楽や人混みは、性的興奮を高める効果が
とても高いことがわかっている。
そう、性的興奮だ。
デート中の人は、騒音や人に囲まれると
興奮度が高まることが多い。
そしてここが肝心なんだが、
自分が興奮しているのは一緒にいる相手のせいだと
勘違いする場合があるんだ
(社会科学で「感情の誤帰属」と呼ばれる現象だ)

私が個人的に一番気に入っているのは、
進化にまつわる説だ。
男性がハイヒールに惹かれるのは、
それを履いている女性は逃げにくいと、
無意識に思っているかららしい

衝動に抗う力は筋肉に似ていて、
使えば使うほど疲れがたまり、
あるとき──夜のことが多い──
誘惑に抵抗できないほど意志力が弱くなる

エンジンオイルのOEMばかりやっていると、
分からないことですね。
ハイヒールは、カッコいいだけではなかった。

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『ヤンキーの虎』

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藤野英人

昔、父親に都会の商売と地方の商売の違いについて
教わりました。

いわく、「都会では専門化を図れ。
地方ではラインナップを揃えろ」。
つまり、都会ではカレー専門店が流行るが、
田舎ではカレーでもそばでも
何でもあるお店が流行るというのです。

どうやらこれはビジネスのポートフォリオにも
当てはまるようで、
いま、地方で元気な企業は、
一貫性のない多角化ビジネスを展開しているところと
相場が決まっています。

☆ヤンキーの虎
地方を本拠地にしていて、
地方でミニコングロマリット
(様々な業種・業務に参入している企業体)化している、
地方土着の企業。あるいは起業家

ヤンキーの虎たちは、驚くほど様々なビジネスを
展開しています。
例えば、パチンコやラブホテル、ウエディングビジネス、
携帯電話の販売ショップ。
保有している裏山を改造して
サバイバルゲームフィールドを作って
集客する経営者もいました。
事業に一貫性はありませんが、多角的に儲けています

なぜ彼らは順調に成功できたのでしょうか。
その理由の一つは、地銀や信用金庫の存在です。
地方の金融機関は、金融の地産地消を進めていて、
ヤンキーの虎たちに積極的に融資しているのです

むしろ今は、都市から進出してきた人たちは
「選択と集中」によって地方から撤退するモードに
入っています。
こうして残されたマーケットの中、
ほとんど無競争といった環境で、
隙間産業を束ねて伸びているのが、ヤンキーの虎なのです

東京の大企業がどんどん地方に進出し、
それをヤンキーの虎が橋渡しする形で、
両者は地方での存在感を強めていったのです

ヤンキーの虎は、東京にもしばしば訪れ、
情報収集を怠りません。
東京で流行っているものや人気の出そうなものを探して、
地元に持ち帰るのです。
いわゆる「ミニタイムマシン経営」です

今は、社長が社員をお客さんだと考える時代

ヤンキーの虎のキーワードは
「事業意欲」「仲間意識」「スポーティ」

藤堂さんのM&Aの狙いは、ここにもありました。
買収先にいる、
元々経営者や管理者の志を持った人たちや後継者、
あるいはその教育を受けてきた人たちに目を付けたのです

彼らは地縁・血縁による顧客網と、
地域の情報を豊富に持っています。
これを武器に、東京で流行っているものを地域に持ち込み、
色々な商品を束ねて売りまくって成功しています。
つまり「販売力」が強いのです
一方で、彼らは製造業にはほとんど参入していません

コシダカは、地域に「居場所」をつくって成功した

ヤンキーの虎は、一つの本社に
複数の事業がくっついているのです。
本社コストは一カ所で済みますから、
ここでかかるコストを抑制することができ、
その分利益率が上がります

彼らの家は、地域の大地主である場合が多く、
不動産業をやりながら市議会議員をしているケースを
よく見かけます。
すると、自分が市議会議員ですから、
道路や開発などの情報が、何となく分かってしまうのです

エンジンオイルのOEMも、マーケティング面では
この発想が必要です。
郷に入れば郷に従えですね。

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『靴下バカ一代』

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越智直正

経営には、王道と覇道がある。

王道は質の経営、覇道は量の経営であり、
規模拡大を第一義とする会社は、
まず覇道の会社と言っていいでしょう。

しかしながら、中小企業が良い会社を作ろうと思ったら、
目指すべきは王道の経営。

王道を堂々と歩み、
靴下業界で確固たるポジションを築いたタビオ
(「靴下屋」で有名)創業者の越智直正

50年以上前、丁稚奉公先の大将によくこう言われたんです。
「音楽家や絵描きが自分の思いを形にしたら楽譜や絵になる。
靴下には靴下屋の心や精神が表れるんや。
靴下だと思うな、自分自身やと思え。
いい靴下を作りたければ、人間を磨け。
人格にふさわしい商品しか作れない」

☆大将から教わったこと 
・商品と残品は似ても似つかぬものだ。
商品は利益を生み、残品は赤字を生む
・計算ばかりするな。キタナイ商売人になるぞ。
そろばんぐらい目ではじけ
・予算などあるか。予算は発想を限定する
・まず頭を使え、次に体を使え。銭は最後の切り札だ。
銭さえ出せば馬鹿でもできる
・儲けの秘訣は、貧乏人は金持ちを、
金持ちは貧乏人を相手にすることだ

一生懸命に頑張っていれば、仕事があなたを守ってくれる

自分で職業を選ぶのではない。仕事があなたを選ぶのです

☆ダン(タビオの旧社名)の創業理念
「凡(およ)よ、商品は造って喜び、売って喜び、
買って喜ぶようにすべし。
造って喜び、売って喜び、買って喜ばざるは、道に叶わず」
※二宮尊徳の言葉をアレンジした

その頃、紳士物市場は大手メーカーが
かなりのシェアを押さえていました。
これに対し、当時まだ市場規模が小さかった婦人物には
大手はあまり手を入れておらず、
参入企業は中小メーカーや問屋が中心。
婦人物だからと、品質よりデザインを重視するメーカーが
ほとんどでした。
僕は自分のところの靴下の品質に
絶対の自信がありましたから、
この市場に懸けた。
おかげさまで気付いたら
婦人物靴下のトップブランドになっていました

競争をして覇道に入ってしまえば、
経営の楽しさがなくなってしんどい部分だけが残る。
相手からも疎まれる。
だから、そうならないように、
僕は誰が何と言おうと戦わない経営をする。
同じ戦うならば、自分の理想と戦いたいと思うのです

仲間の利益をまず優先せよ

☆隋の文帝楊堅の妻、伽羅からの手紙
「あなたは天下取りという
一日に千里走る虎の背に乗っているのです。
乗った以上、途中で下りることはできません。
もし途中で下りれば、たちまちその虎に食い殺されますよ」

僕は経営というのは商品の研究だと思うんです。
商品が良くなかったら売れない。
売れなかったら経営なんか何の役にも立ちしませんのや

エンジンオイルのOEMにも、越智さんの考えが必要です。
忘れてはいけませんね。

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『すべての女は、自由である。』

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経沢香保子

悔しさは、私にとって上質な燃料。
理不尽なことがあっても、がんばり続けていたら、
いつかオセロがひっくり返るように、
向かい風が追い風になるのだ

確かに私は第一子の妊娠を機に、女性として大きく変わった。
介護が必要な子どもを持ち、
今まで交わらなかった世界を多少知った。
なんでも努力すれば叶えられるという傲慢さから、
人生にはどうにもならないこともあるのだと知った。
他人の痛みも前よりわかるようになった。
そして、それは経営者としての生き方や視野の広がりにも
つながった。
自分の子どもが大きくなったときの社会に
想いをはせるようになった

時代は変わった。昭和は終わった。今は平成だ。
忙しければ育児を外注しよう、
昔の育児スタイルに固執するのをやめよう

もう、他人の目を気にするのはやめよう

他人はあなたの一度きりの人生に責任なんて取らない

自分と同じ夢を先に実現してきた先輩は、
自身も試行錯誤しながら道を切り開いてきた経験があるから、
相談者の思いを否定するよりも
「じゃあ、◯◯をしてみたら?」
「次は◯◯さんに会ってみたら?」
と視界を広げて、ヒントをくれるのだ

人生を変えたかったら、周囲が驚くくらいの
大きな夢を持つべきなのだ。
それに向かってわき目もふらず行動した者だけが
人生を変えることができるのだ。
夢がなければ、なんでもいいから一番を目指そう

事業は、「うまくやろう」ではなく「正しくやろう」。
「なにか創ろう」ではなく「最高のものを創ろう」。
「成功したい」ではなく
「お客さまを満足させたい」であるべきだ

手放すかどうか迷っているものはいったん手放した方がいい

引っ越しは卒業のひとつ。住む場所が変わると、
人生も変わる

成長し続ける人のもとには、
数年に一度「人間関係の断捨離期」がやってくる気がする

悪口を完全卒業したら、
あなたはもっと人間関係上級者になれる

女性の先輩がこう言っていた。美しく見えるのは簡単だと。

「髪のツヤ」「肌のツヤ」「だらしなくない体型」、
その3つをきちんとしておけばいいのだと

さすがです。若い経営者ですが、男でも教わるところがあります。
エンジンオイルのOEMにも取り入れねば。

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『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』

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マイケル・ピュエット、クリスティーン・グロス=ロー

ほとんどの人は、自分の心をのぞき込み、
自分が何者かを知り、
自分の人生がどうなるべきかを決めるのは
いいことだと思っている。
だから、どの職業が自分の個性や気質に
もっともふさわしいかと思いをめぐらし、
どんな相手が自分に似つかわしいかと思案する。
そして、本当の自分や、就くべき職業や、
運命の相手が見つかれば、
充実した人生を送れるものと信じている

自己を定義することにこだわりすぎると、
ごくせまい意味に限定した自己──
自分で強み、弱み、得手、不得手だと思っていること──
を基盤に未来を築いてしまう恐れがある。
中国の思想家なら、これでは自分の可能性の
ほんの一部しか見ていないことになると言うだろう

ありのままの自分だけが自分なのではない。
いつでも積極的に自分自身を
よりよい人間へと成長させることができるからだ。

<礼>を通して新たな自分を見つける

あらゆる生きものにはなんらかの性向がある。
つまり、ものごとに決まった反応をする傾向があるということだ。
花に太陽のほうへ向かって伸びる生来の性向があり、
鳥や蝶が花を求める傾向を示すように、
人間にも性向がある。
人間の性向は、他者に感情的に反応することだ

行動パターンを打破することは、
自分以外の人も鍛えようのある柔軟な存在だと
気づくきっかけになる

わたしたちの言動の一つひとつは、
仁を実践するか、仁を損なうかのどちらかだ

唯一の規範は仁だ。
孔子にとって、仁を修養し実践することが、
倫理にかなった人になるただ一つの方法だ

偉大な人物になる人とそうでない人を隔てるのは、
やみくもに感性のみや知性のみに従うのではなく、
「理性+感情」である心に従う能力だと孟子は説いた。
心を修養することで、賢明な判断をくだす能力が育つ

はっきりした指針や安定した世界があるという
観念を捨て去れれば、
わたしたちに残るのは道案内をしてくれる心だ。
心がすべてであり、
わたしたちはともにすごす人たちとの関係を通して
それを育てていく。

心はものごとを正しく感じとり、成長のための地ならしをし、
自分にあるものを生かすのを助けてくれる。
そうすれば、自分はこういう人間だと思っていたものが
すべて変わりはじめるはずだ

宇宙のあらゆるものは、出現したとき
はじめは柔らかくしなやかだ。
つまり、最初に生じたとき、万物は子どものようなものだ。
まだ道にとても近いため、
若木や草の葉のように柔らかくしなやかだ。
ところが、ときとともに万物は硬くなり、
ほかのすべてのものから分化する。
世界を分化したものと見なせば見なすほど、
道からかけ離れていく。
世界を相互に関係のあるものと見なすほど、
道に近づいていく。
道に近づくことで力が手に入る。
しなやかさと弱さの力を利用できるからだ

なるほど、仏教に近い考えや。
東洋哲学やもんね。
エンジンオイルのOEMも、これで行こう。

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『イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡』

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石田雄太

かつて、自分に与えられた最大の才能は何だと思うか、と
イチローに聞いたことがある。
彼は「たとえ4打席ノーヒットでも、
5打席目が回ってきて欲しいと思える気持ちかな」と言った

メシのタネに野球をやっている選手では、
絶対にここまでは来られないと思う。
野球が生活の手段になってしまったら、
もっと前に進みたいという気持ちは薄れてしまう

何かにくっついている人ではなくて、
自分の力で何かをしようとする人たち、
実際にしている人たち。
『何かになりたい』と思っている人たちではなくて、
『何かをやりたい』と思っている人たちです

強いチームって、個人があってチームがあると思うんです。

個々が持っている力を発揮して、役割を果たして、
それが結果としてチームの力となる。
でも、弱いチームはそうではない。
個人の力が発揮されない、だから勝てない

気持ちよく野球をするためには、環境もすごく大事なんです。
選手って、環境によって思いもしないやる気が漲ってきたり、
とんでもない力が生まれることだってある

そうしたらね、
弓子が、僕が孤独だったら
孤独じゃない人なんて一人もいないって言うんです。
僕ほど見えないところで
応援してもらっている選手はいないって……
僕はそのとき、自分の目で見えるところにしか、
目が向いていなかった

勝てるチームを求めてチームを移るという
考え方もあるでしょう。
でも、そうじゃない考え方だってある。
どっちも正解なんですよ

僕は常に、人のちょっと先を行かなければいけないと
考えています。
何かをする側が後をついていくようではまずいからね

力が抜けることで、
人とは違う雰囲気が出るんじゃないかなって。
それができれば見ている人は楽しいはずです。
『アイツ、次元が違うな』ってなる可能性がある。
それが僕の目指すところです。
数字に縛られているとギスギスして見えるし、
そういう雰囲気は出ない。
数字から解放されて初めて、それを出せるようになるんです

人の心を動かすとか、勇気を与えるとか、感動を与えるとか、
よく言われるフレーズですけど、そんなこと無理なんです。
それは、目的にはできない。
目的となったら、そんなこと、達成できるわけがない。
なるとしたら結果的に、でしかない。
だから僕はそんな想いは持てないんです

破壊を経ないと成熟しないんじゃないかという考え方です。
このまま持ち上げられて、時間が経ったら、
僕はダメ人間になります。
だからいろんなものを壊したい

同じ言葉でも、誰が言っているかによって
意味が変わってきます。
だから、まず言葉が相手に響くような
自分を作らなければならないと考えています

エンジンオイルのOEMも、イチローに負けないように
考えて、頑張りましょう。

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『アメリカで小さいのに偉大だ!といわれる企業の、 シンプルで強い戦略』

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石塚しのぶ

2016年2月、米ビジネス誌『フォーブス』は、
その100年の歴史の中で初めて
「ベスト・スモール・カンパニーズ・イン・アメリカ
(アメリカで最も優れた中小企業たち)」という
ランキング・リストを発表しました。

そのリストに掲載された25社は
「スモール・ジャイアンツ=小さな巨人」と呼ばれ、
「大きくなる」ことではなく、「偉大な企業になる」ことを
選んだ会社として紹介されています。

「大きくなる」の意味するところは、
売上げや利益といった「規模」だとわかりますが、
「偉大な企業」がそれと違うというのは
どういうことでしょう。

実は、スモール・ジャイアンツ企業の特徴は、
売上げや利益の拡大を目指すのではなく、
「従業員が生き生きと働ける最高の職場づくり」や、
「お客様を喜ばせる優れた商品やサービスの提供」
「地域社会とともに歩む姿勢」
「他にはない唯一の企業文化の育成」などを
最優先に実現すべきこととして、全力を傾けていることです。

そしてそれが、結果的には売上や利益のみならず、
業界や市場の標準をはるかに超える目覚ましい成長を生む
という、大いなるパラドックスを生んでいるのです。

なぜ今、「規模を追わず、偉大さを追求する企業に
強みがある」のでしょうか?

それは、「お客様のロイヤルティ(忠誠心)」にとって、
価格より何より、「信頼できる会社か」
「応援したくなるような会社か」ということが、
今までにも増して重要になってきているからです。

もちろん、価格や品質も大切ですが、
生活者が企業を「選ぶ」ときに、
価格や品質という機能価値は最低限の条件にすぎず、
市場にごまんとある選択肢の中から選んでもらうためには、
お客様が「嬉しい」「楽しい」と感じるような
「感情価値」を提供することが必要になってきた
ということです。

アメリカでは、サブプライム問題をきっかけに、
特に大企業への信頼は失墜してしまい、
多くの生活者が「嘘をつかず、搾取をしない会社」
「理想の社会を、一緒に創っていけるような会社」との
心のつながりを渇望しています。

そうした生活者の思いに応えるように、
近年、「小さいながらも」というよりは、
その「小ささ」をむしろ味方につけて、
大企業にひけを取らない存在感を発揮している
中小企業たちが注目を集めているのです。

歴史的には、「資本主義の道具」となることをモットーにして大企業の動向を追ってきたフォーブスが、
こうした先進的な中小企業のムーブメントに着目して、
「ベスト・スモール・カンパニーズ・イン・アメリカ」という年間ランキングを発表したのも、
時代のトレンドを見事に反映しているといえるでしょう。

考えてみれば、その企業が1兆円企業であるとかいうことは、
お客様の購買動機にあまり関係がありません。

規模が大きいからといってその会社から買おう、
という気になるわけではありませんし、
むしろ、「大企業への不信」が募ることの多い
近年の風潮では、規模が「大きいこと」は、
必ずしもプラスには働かないのです。

また、企業自体にとっても、
規模の大きさが組織力の強さを意味するかというと、
そうではありません。

組織力を測る有力な指標のひとつである
「従業員エンゲージメント」を見ると、
スモール・ジャイアンツでのエンゲージメント率は、
アメリカの平均的企業の優に3倍にあたることが
わかっています。

そしてこれは、企業の生産性にも直接、影響しています。

スモール・ジャイアンツは、リピート顧客率、
お客様や従業員の満足度、従業員の離反率や欠勤率など、
どの指標についても、一般の企業より
はるかに優れた結果を出しており、
それが利益率の高さに反映されているのです。

数多くのスモール・ジャイアンツ企業を訪問したり、
アメリカ全土のスモール・ジャイアンツが集う場に
参加したりして、経営者たちに成功の秘訣を聞いてきました。

するとそこには、
共通の考え方が存在することがわかりました。

そして、さまざまな事例から共通項を拾い出し、
戦略的企業文化を育成するうえで、
どんな企業にも導入可能なシンプルな方法論として
体系化したのが、「コア・バリュー経営」です。

「コア・バリュー」とは、
会社の「核となる価値観」という意味です。

「コア・バリュー経営」では、
自分たちの会社が何のために存在しているのかという
会社の存在意義(コア・パーパス)を明確にしたうえで、
社内の全員が共有すべき「価値観(コア・バリュー)」を
定め、価値観に基づいた考え方や行動を習慣化する
「仕組み」をつくって、実践していきます。

コア・バリュー経営は、会社を長期的な繁栄に導く
戦略的企業文化の育成プロセスを民主化して、
一般の従業員や現場の手に委ねます。

コア・バリュー経営では、このプロセスを、
「会社の皆で夢を語り、共有する」ところから
スタートするのです。

「コア・バリュー」経営とは、上から下への
「トップダウン」ではなく、
その会社独自の「コア・バリュー」や「コア・パーパス」に
そって、従業員やスタッフ自らが、自分の頭を使って考え、
判断し、行動できるようになる経営だという。

たとえば、ニックス・ピザ・アンド・パブという
客席数350席のピザ店のコア・パーパス(存在意義)は
「ニックス独自の体験の提供…地域住民のみなさんに、
家族や友人と集う場、まるで我が家のように
居心地よく楽しめる忘れがたい体験の場を提供する」。

「コア・バリュー(核となる価値観)」は、
「尊厳と尊重の念をもってみなに接する」
「共に学び、教え、成長する」「仕事を楽しむ」など、
全部で12項目からできているそうだ。(以上、同書より抜粋)

仕事を「やらされている」から、
スタッフ自らが「やりたい」と思うような経営の仕組みを
つくることが、コア・バリュー経営。

売上や規模や店舗数を拡大するという方向性と、
内部を充実し、従業員や顧客の満足度を高めると
方向性は大きく違う。

規模が拡大すればするほど、
逆に、従業員や顧客の満足度は下がってしまうケースは多い。

先の見えない、変化の激しい現代…

盤石と思われていた大企業が、
いとも簡単に市場から消え去る時代となった。

規模を追わず、偉大さを追求する企業には
大いなる魅力がある。

エンジンオイルのOEMにも、これは取り入れたいですね。
スモール・ジャイアンツになろう。カッコいいじゃないですか。

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仕事について考える

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仕事とは「お仕(つか)えする事」と書くように、
誰かに喜びを与えることであり、
社会での役割分担そのものです。

その対価として報酬をいただき、それで各自が生計を立てる。

仕事は社会という大きなしくみを維持するための
大切な要(かなめ)です。

仕事で大切にしたいことが三つあります。

一つ目は「おかげさま」という気持ちを持つこと。

生きるということは誰かと関わることです。

人間は決して一人で生きていくことはできません。

社会で生きていくためには、
必ずどこかで誰かにささえられて生活ができます。

そして仕事を通じて、自分が誰かをささえ喜んでいただき、
お給料をいただくことができます。

それによってご飯を食べることができ、
着るものや住む場所を得ることができます。

まさに仕事を通じたさまざまな人間関係や経験のなかから
人間性を豊かにし、成長するわけです。

二つ目は「繰り返す」こと。

縁のあった人や仕事と心から向き合い、
お互いに成長することです。

例えば、ある部下が一人前になるためには、
何度も繰り返して教えなければなりません。

また、教えを受ける側も同じ過ちをしないように、
決められたことを決められたように、毎日繰り返し、
精一杯努力しなければなりません。

お釈迦さまはこう説かれました。

「同じことを同じように情熱を持って繰り返すことで、
やがて見えてくることがある」

仕事も修行も同じプロセスをたどるのです。

三つ目は、「進化する」こと。

進化とはクオリティを下げずに一日一ミリでも
レベルアップしようとする心です。

お寺に入った初日、私は先輩にこんなことを言われました。

「いいか亮潤君、お寺での修行というのはやな、
朝のお勤めよりも夜のお勤め、
昨日より今日、今日より明日というふうに、
いつでも『過去最高のお勤め』という感じで、
毎日、全力で修行に励むんやぞ」

全く進化しようとしない仕事も仕事なら、
一日にたった一ミリだけでも進化しようと
精一杯努力する仕事も仕事です。

表面上は同じ仕事に見えますが、
たった一ミリでも成長すれば、
一年後には三六五ミリも前進しています。

この心構えにどんな意味、意義があるのかを
後ろ姿で教えるのは先輩の義務、
また、教わったことを素直にそして謙虚に受け、
一日も早く成長しようと心がけるのは後輩の義務です。

エンジンオイルのOEMにも、これを生かさねばなりません。
感謝しながら、情熱をもって繰り返す、いつも進化することをを忘れない。

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怒りを抑える魔法の言葉

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歴史上の人物のなかで織田信長が好きなんです。

織田信長って、考え方が新しすぎるから、
まわりの人に理解されなかった武将です。

戦国時代、信長が思い描いていた未来のことは、
その当時の人には先進的すぎて、
わからなかったんだと思います。

だから、まわりの人からは「あいつは頭がおかしい」
「あいつはバカだ」と、よく言われていたのではないかと。

会ったことがないから、よく知りませんが(笑)。

で、信長の時代にかぎらず、新しいことをやろうとしたり、
人と違うことをやろうとすると、
まわりは理解してくれなかったりします。

だから、あなたが罪悪感を捨てて、
自分らしく、自由に生きようとするときには、
理解してもらえなかったり、
反発を受けたりするかもしれません。

そんなときに、おすすめしたい手法があります。

それは、次の言葉を言うことです。

「まあ、よい」

この言葉は、罪悪感を蹴散らす言葉になるんです。

たとえば、遅刻してしまったときに、「まあ、よい」。

あるいは、夜中にお菓子を食べてしまったときに、
「ま、ま、ま、まあ、よい」と。

言っているうちに、だんだん笑えてきます。

これは、他人に対しても使えます。

たとえば、夫が自分の言うことを
聞いてくれなかったときにも、「まあ、よい」。

上司がぜんぜん理解してくれなかったときにも、
「まあ、よい」。

でね、夫が、上司が、あるいは妻や子どもや部下が、
思いどおりにならないとき、
まずは、そこで相手を一回責めてみてもいいんです。

責めてもいいし、怒ってもいいし、落ち込んでもいい。

一回は、こういう気持ちが出てきてしまうのは、
もうしかたないから。

で、「ああ、腹立つ!」「ああ、ムカつく!」のあとで、
「まあ、よい」と言えばいいです。

ちょっと今日から口グセにしてほしいなぁと思います。

エンジンオイルのOEMの時にも、「まあ、よい。」
ただし、品質については妥協はいけません。

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感謝の心で生きる

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「『私は誰の世話にもならず、老後もひとりで生きていく』と
言った方がおられました。

そういう考え方で生きるのもよいと思いますが、
人間は、生きているかぎりまわりに迷惑をかける存在です。
だとしたら、

『自分は無力でたいしたものではないのだから、
人に迷惑をかけながらでしか生きられない』
と思い、まわりのすべてに感謝し、
手を合わせて「ありがとう」と言いながら生きていくほうが、
ずっとラクに生きられるような気がします」

我々は、人に限らず、植物や動物に迷惑をかけながら生きている。
食料として多くの動植物を殺傷し、それを食べているからだ。

自分が迷惑をかけて生きている、
ということを自覚している人のことを謙虚な人、という。

謙虚な人は相手やまわりに、感謝しながら生きている。

「私が」「私が」という「我(が)」が強い人は、
自分中心の「利己の心」で生きている。

「おかげさま」という「下座(げざ)」(下・げ)の心で
生きている人には、「利他(りた)の心」と「感謝の心」がある。

エンジンオイルのOEMも「私を選んでくれてありがとう」という
感謝の心で生きるべきですね。

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