須田桃子

この分野の研究開発は、もはや倫理的・社会的影響への配慮なしには、研究そのものが成り立たなくなっている。実は、旧ソ連では1980年代に生物兵器の研究開発が極秘裏に行われており、その実態は今の合成生物学と瓜二つだった。

現在のアメリカでも、アメリカ国防省の一部局(DARPA)が合成生物学に多額の研究資金を助成している。
従来、科学は真理を追究するモノであり、その成果をどのように応用するかは、社会の側の問題とされてきた。だが、もはやそのような役割分担は成り立たない。

これからの科学研究、少なくともそのある分野は、研究自体が不可避的に価値観や倫理の問題を孕まざるを得ない。今の化学が到達した地点とは、そういう所でもあるのだ。

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