『あした死ぬかもよ?』

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ひすいこたろう

「これからは、カンパニーじゃあ!」と、意気揚々と貿易会社・海援隊を立ち上げた坂本龍馬。
龍馬、当時32歳。その最初の船出で、いろは丸は紀州和歌山藩の蒸気船・明光丸に衝突。 いろは丸に乗っていた海援隊は明光丸に乗り込み、命は助かったものの、いろは丸は沈没してしまうのです。 龍馬たちは明光丸の過失を主張。しかし、相手は江戸幕府の徳川御三家、天下の紀州藩です。

一方、海援隊は、脱藩浪士たちの集まり、事実上、フリーターです。 王者・徳川御三家Vsチームフリーター。 これでは勝ち目はない。 泣き寝入りするしかありません。 しかし龍馬はあきらめなかった。 龍馬はなにをしたのか? “sing a song”です!
船を沈没させられた賠償金を取るために作詞作曲で立ち向かったのです!!「船を沈めたそのつぐないは 金をとらずに国をとる ♪~はあ よさこい よさこい ♪~国を取って ミカンを食らう ♪~よさこい よさこい」

歌を作り、街でみんなにその歌を歌ってもらい、この事件に注目を集めて、紀州藩を逃げにくくさせたのです。 「そんなに逃げていると金を取らずに国ごと乗っ取って、和歌山のミカン食べちゃうぜよ、よさこい、よさこい」という歌です

さらに、龍馬は裁判を公平にさせるために幕府主導ではなく、「万国公法」という世界のルールブックを持ち出した。 事故から1ヵ月後、紀州藩は海援隊に賠償金8万3526両198文を支払うことで事件は決着。 いまの億単位に当たるお金です。 なんでこんなにお金を取れたかというと、いろは丸の積み荷にミニエー銃400挺を積んでいたと主張したからです。 しかし、現在までミニエー銃はおろかひとかけらの部品さえ見つかっていません。

大ピンチに歌うんです。 大ピンチに世界に視点を向けて、大芝居。 そして最後は、ハッタリをかます。 深刻になっていてはとてもできない。 眉間にシワが寄っていたのではとても浮かばない発想です。

龍馬が勝ち取った賠償金はその後、岩崎弥太郎が引き継ぎ、そこから三菱グループが生まれ、そのとき「キリンビール」も誕生しています。 だから、キリンビールのキャラクターのデザインは、頭は「龍」で、足は「馬」。つまり、「龍馬」。 大ピンチを大チャンスに変えた「龍馬」へのリスペクトを込めてのデザインだそうです。

「なんでも思い切ってやってみろよ。 どっちに転んだって、人間、野辺の石ころと一緒。 最後は骨となって一生終えるのだから。 だから思い切ってやってみろよ。
これは龍馬が生前残した言葉ですが、この言葉どおり、龍馬は、どんな事態でも、深刻にならずに、人生を冒険として生き抜きました。 それができたのは、人間、最後は、野辺の石ころとなる身(いつか死ぬ身である)と、常にハートの真ん中に落とし込んでいたからです。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『逆張り投資家サム・ゼル』

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サム・ゼル

いつもみんなと同じことをするのではなく、自分が本物だと信じるものを選んできた。みんなから外れることになろうとも、私一人になっても、だ

常識は目安のひとつにすぎない

希少性があれば、値段は関係ない
「みんなが左に行くときは、右を見ろ」である。常識は目安のひとつにすぎない。むしろ、ひどい衰退を招く考え方にもなり得る
希少性があれば、値段は関係ないということだ。これは、需要と供給の基本原則であり、のちに私の投資理念を支配する原則になった

競争がなければ、価格だけでなく市場も牛耳ることができる

彼(ゼッケンドルフ)は、資産をパーツの合計として見ることで、全体の価値を上げることができると考えていた。異なるパーツは異なる買い手にとって価値がある。ゼッケンドルフは所有する物件の価値を最大限にする。つまり1+1を3にすることができた

需給が不均衡なとき、私は二つの線がどこで交差し、買うのと造るのとどちらが安いかを検討する。たいていは買うほうで、このほうが開発に伴うリスクの多くを排除することもできる

テナントは景気が良いときは動かないが、景気が悪くなると賃料が下がるため、より良い物件に移る傾向がある

私たちが資産集約型の投資を好むのは、最悪の事態に陥っても売却するものがあるからだ

需要が変わらず供給が下がっていることを示す二本の線を理解するのに、MITの学位はいらない。
ある時点で、二本の線は交差し、そのとき車両を持っている人が大儲けすることになるのは明らかだ。
当時、アイテルの車両は需要のなさから32%しか稼働していなかった。業界全体でも、平均稼働率は古い車両になるとさらに低く、廃車率が増えていた。そうなると、理論的な戦略はアメリカ中の中古車両を買い占めることだと思い、それを実行した

先行者利益は自信がなければ取ることはできない。同業他社がテレコム法案の意味を検討し、それがどのように導入され、自分たちにとって良い変化なのか悪い変化なのか熟考している間に、私たちは行動を起こし、買える局をすべて買っていったのである

すべてはタイミングで決まる。しかも、完璧なタイミングだったかどうかはあとにならなければ分からないのだ。そんなわけで、私が2007年初めにエクイティ・オフィスを390億ドルで売却したとき、その先のことはまったく分かっていなかった

リスクは究極の差別化をもたらす。私は常にリスクと深く複雑にかかわってきた。私は無鉄砲な人間ではないが、平均以上のリターンを上げ続けるためには、人生でも投資でも、リスクをとることが唯一の方法だと思っている

高潔さというのは、法に従うことだけではない。人とどう接し、公平かつ公明正大に仕事をし、当然ながら約束を守るということなのだ

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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 伊集院 静

本というものは、過去を探っていく手がかりでもあるが、過去を辿ることは同時に未来を見つめることになる。

1冊の本が、一人の人間の人生の行方を決め、素晴らしい仕事、軌跡を生むこともある。1冊の本が作り出され、縁もゆかりもない一人の少女が、少年が、その本の1ページ目をめくり、1行目を読んで目を輝かせることを想像すると、本というものは情緒に満ち溢れた存在かもしれない。

いつの時代にも、若い人が本を詠まないことを嘆く人々がいるが、当たり前である。1行目から本を読む行為が、どれほどツマラナイと感じるかは、若い人なら分かる。正直、私もそうだった。
私はたまたま、自分の望みもあり、小説家になった。そのために敢えて数多くの小説、詩歌に接してきたが、すべて愉しいことなど、ほとんどなかった。

それでも我慢して読み続けていくと、思わぬ出逢いがあった。これは本当である。お洒落な装飾品や、ドレス、スーツを見ることも大切なことだろうが、少し手間のかかることをするのも、生きていく上の仕方なさではないかと思う。

本を巡る旅も、そう悪くはないと思うのだが、それは読者が決めることで、少し控えめにお勧めしたい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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