『日本の極みプロジェクト』

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秋元司

商売では、客層にしろエリアにしろ、「絞り込むこと」が大事ですが、今の日本は焦りと悲観論ばかりが先行していて、肝心の「商売の絞り込み」がなされていない。

『世界から大富豪が訪れる国へ 日本の極みプロジェクト』日本は、東京都知事が1泊10万円程度のホテルに泊まったぐらいでギャアギャア言うお国柄。果たして富裕層ビジネスが成り立つのか、と不安にはなりますが、実際には、アメリカ、中国、インド、東南アジアに近い、富裕層ビジネスにはこれ以上ない好立地であり、やり方次第でどんどん伸びると思っています。
そんな日本がどうすれば、世界の大富豪を惹き付ける魅力的な国に変わるのか、統計を引きながら、ビジネスの可能性を論じた株の世界では、「国策に売りなし」と言いますが、このプロジェクトがもし本格化したら、民間企業にとってもチャンスがたくさん生じる

超富裕層を惹き付けるために必要な要素は、彼らにとって、ゆっくりとプライベートな時間が過ごせる滞在型施設と移動手段があるということ超富裕層の多くは、プライベートジェットやヘリコプター、クルーザーなど、既存の一般的な交通インフラとは一線を画する移動手段を好みます
モナコの最高級レジデンスTour Odeon(トゥール・オデオン)は約470億円、ニューヨークのOne57(ワン57)は約120億円、アジアでは香港のティンウィが約92億円、シンガポールのClermontResidence(クラモント・レジデンス)で約55億円といったように、世界では、日本とは桁違いの「ハコ」が提供されています
自分に合った、自分だけの「一品もの」を求めているのです。多様な個別オーダーにいつでも対応できるように、人的・物的ネットワークを確保しておくことが重要になるでしょう

超富裕層を顧客とするスイスの金融機関UBSでは、顧客に対して、ルネサンス文化を育んだイタリアのメディチ家の末裔などを講師に招きます。また、彼らの後継者向けには、米国三大財閥の一つで3世紀にわたって栄えるロックフェラー家の子女などを講師に招いたセミナーを開催しています

超富裕層がこうした商品・サービスを求める背景には、ファミリーの永続的な存続への欲求があります。具体的には、資産保全、良好な環境を次世代に引き継ぐための社会貢献という、彼らに共通する行動原理とも呼べるものが存在するのです

超富裕層の投資対象資産としては、不動産(投資用)が最大の割合
近年の代表的なラグジュアリー・レジデンス開発事例の多くが、高級ホテルブランドと提携しています

日本での平均宿泊日数5.75日に対して、米国には9.9日、タイには9.47日滞在しています

極みプロジェクトの実現における交通インフラの課題は、第一にビジネスジェットの発着枠不足

平成30年度税制改正で、国税の新税としては1992年の地価税以来27年ぶりに「国際観光旅客税」を創設することが決定しました。日本人、外国人ともに1回の出国につき1000円を徴収する方針で、2019年1月の導入が予定されています

日本版ナイトライフの提供たとえば、伝統芸能の深夜公演、エンターテインメントショーの深夜営業、美術館や劇場などの開館時間延長などが想定されます

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『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

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古賀史健

素材が一流であればあるほど、料理人の腕が問われる。同じことが、今、ビジネス書の世界でも起こっています。
アドラー心理学を書いてベストセラーとなった、『嫌われる勇気』、名著を漫画化して大ヒットとなった、『君たちはどう生きるか』。

編集者が腕を振るうことで、古い知恵が再評価され、空前の大ヒットとなっているのです。文章本の「スキマ」をきちんと埋めてくれることにあります。

文体とはリズムである「1行の間に必ず句読点をひとつは入れる」

カメラは、
(1)導入……客観のカメラ(遠景)
(2)本編……主観のカメラ(近景)
(3)結末……客観のカメラ(遠景)と
視点を切り替えることで観客・視聴者の理解を促している

自分の文章のなかに“主張”“理由”“事実”の3つがあるか、そしてその3つはしっかりと連動しているか、いつも意識するようにしよう

文章は“面倒くさい細部”を描いてこそ、リアリティを獲得する

映画に置き換えていうなら、文章は脚本や俳優の演技であり、構成はカメラ割りと編集である

論理展開におかしなところがある場合は、矢印がうまくつながってくれない

結局、われわれが本当の意味でその「椅子」に座れる読者は、世の中に2人しかいないと思っている。次の2人だ。
(1)10年前の自分
(2)特定の“あの人”

専門性に溺れた文章は、往々にして“遠景”を描かず、いきなり対象にクローズアップする

真剣に読んでもらうにはどうすればいいのだろうか? ぼくの答えはひとつ、「読者の“姿勢”を変えること」だ
主張のどこかに「これは他人事じゃない!」と思わせる要素が含まれていないと、われわれの心は動かない。当事者意識を芽生えさせ、他人事を「自分事」に変換してくれる、なんらかの仕掛けが必要なのである

文章の「起“転”承結」を成立させるためには、冒頭に「自らの主張と真逆の一般論」を持ってくる必要がある。なぜなら、そうしないとあなたの主張が“転”の役目を果たさないからだ

「目からウロコが落ちる」要素は、全体の3割で十分

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