『最高の結果を出すKPIマネジメント』

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中尾隆一郎

☆KPIの全体像
KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値
CSF(Critical Success Factor)=最重要プロセス
KPI(Key Performance Indicator)=最重要プロセスの目標数値

よくあるダメなケース
・たくさんの数値目標を設定しているケース
・現場でコントロールできない指標を KPIとして設定しているケース
・先行指標ではなく、遅行指標を選択しているケース


KPIマネジメントは、できるだけ旬な、できれば現在、この瞬間の数値把握が重要です
最もシンプルに売上を表現すると。販売数量×平均単価と表現できます。販売数量は「アプローチ量×歩留まり(CVR)」と表現できます

☆売上を上げるための選択肢
(1)アプローチ量を増やす
(2)歩留まり(CVR)を向上させる
(3)価格を上昇させる

受注率=CVRを上げるには「複数案の提案」をすればよいわけです。この「複数案の提案」こそがCSFです

☆設定したCSFやKPIが正しいかどうかのチェック
(1)整合性 (2)安定性 (3)単純性

そのCSFが変化するとKGIも変化するのか。そしてKPIが達成するとKGIも達成するのかといった整合性を確認
データ入手や加工の日程と他業務がかぶっていないか、そのデータ入手を外部に依存せざるをえないことはないかなど、安定的にデータをアウトプットできるのかを確認します
現場のメンバーがまったく理解できないのでは困ります
KPIが信号だとするならば、1つであることが重要
KPIを分数にする場合は、分母が変数なのは避けた方がよい

営業量を増やしたいときは時間短縮が効果的

☆営業プロセスを短縮する3つの方法
(1)プロセスの省略 (2)プロセスの標準化 (3)業務の分担

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『温かい言葉』

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小林正観

自分の口から出てくる言葉が、温かい言葉、人を優しくする言葉、明るくする言葉でしかないように、自分の口から出てくる言葉を彩りたい、って考えた人がいます。

良寛和尚(りょうかんおしょう)という人です。良寛さん。この人は幕末の人で1831年に74歳で死んだんですね。非常に貧しい乞食坊主だって自分で言ってまして、自分は人に対して物やお金を贈り物として与えることが全然できない。でも、いつも人に対して何かを贈りたいと思っている。では、自分に贈れるものは何か。それは「言葉」である、っていうふうに言っていた人なんですね。
自分の口から出てくるすべての言葉が、人を温かくする言葉、そういうものでありたいって規定をして生きてきた人だったんですが、この思想を「愛語(あいご)」と言います。

私は、それを聞いてハッとしまして、それまで「“不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句”を言わないようにしましょう」と言っていたんですけど、良寛さんのこの話を聞いたときに、それらを言わないだけではなく、それをゼロにするだけではなくて、私の口から出てくる言葉は、はっきりとした自覚をもって、人を温かくする言葉、明るくする言葉、優しい気持ちにする言葉、励まし続ける言葉…そういうものしか、もう自分の口から出てこないようにしようって決めたんです。
それを続けていくと、これまでも私は友人・知人にすごく恵まれてきましたが、その人間関係の厚みがもっと増した気がしてるんです。そういうものだけで自分の言葉を彩るって今日から決意をすると、人間関係が多分変わってきます。

自分の口から出てくる言葉全部が、人を温かくするもので規定をして、その言葉を贈り物とする人は、豊かな人っていうんですね。お金や物っていうのは、あげてしまうと自分のところからは無くなります。でも、言葉というのはいくら出してあげても、無尽蔵に存在するものなんです。と同時に、それを外に出さない限りは持ってないのと同じなんです。言葉は、出せば出すだけ贈り物になる。出して初めて存在が確認されるんです。
だから、心の中でいくら思っていても、それは出さなければ絶対、贈り物にはならないんです。「今日はそのネクタイ似合ってますね」って思ったら言ってあげる。「今日はそのスーツ素敵ですね」って思ったら言ってあげる。それが、その人を励ましたり、勇気づけたり、元気づけたりする言葉であるならば、全部それが贈り物になるってことです。
そういう言葉を贈り物にできる人が、実は本当に豊かな人になるんですね。いくら出しても無尽蔵に存在するものを私たちはたくさん持っているんですから、独り占めはしないでくださいね。あなたの出す温かい言葉は、すべて贈り物なんですよ。たくさんの贈り物を届けてあげませんか。

■我々は「誰かを喜ばせたい」「お礼をしたい」、と思うと、何か物を贈らなくてはいけないと考える。しかし、何かいいか、を考えているうちに時間が経ってしまい、そのうち忘れてしまう、などということはよくあることだ。
人の心を温かくする一番の贈り物は、温かな「言葉」。逆に、人をがっかりさせ、落ち込ませ、嫌な気持ちにさせるのも、冷たい「言葉」。温かな言葉は誰も持っていて、誰もが発することができる。しかし、だれもが簡単にできることを、だれも真似できないくらいやり続けることほど難しいことはない。たくさんの言葉の贈り物ができる人でありたい。

■お釈迦さまの第一の尊者と言われた、アーナンダはあるときお釈迦さまにこう言ったそうです。「お師匠さま、今日、私はあることで突然、頭の中に閃(ひらめ)きが生じました。私たちは《聖なる道》というのを追い求めているわけですが、もしかしたら、よき友を得るということは《聖なる道》の半ばを手に入れたと言っていいのではないでしょうか」
《聖なる道》というのは、自分の中に悩み、苦しみ、煩悩がなくて、いつも幸せで楽しくて執着がない状態ですね。
すると釈迦は「アーナンダよ、“良き友”を得られたら、その《聖なる道》の半ばを手に入れたということではない」と言ったんです。釈迦は言葉を続けて「アーナンダよ、良き友を得ることは《聖なる道》の半ばではなく《聖なる道》のすべてを手に入れることである」。

同じ価値観をもち、同じ方向に向っている人たちを自分の友人にすることが、実は人生のすべてなんです。どこへ行くかというより、「誰と一緒に行くか」、何を食べるのかというより、「誰と一緒に食べるのか」…
人生の究極の目的や楽しみは、同じ方向、同じ価値観をもった友がいるかどうかだ、とお釈迦さまは言ったという。

同じ方向性と、価値観を持った人と一緒なら、どこへ行こうと何を食べようと楽しいし、反対にどんなに苦しいことでも頑張ることができる。ただし、いうまでもないことだが、悪の価値観を持った人たちが仲間だとしたら、本人は気づかなくても、生きながらにして、地獄のような悲惨な世界にいるとしかいいようがない。
その人が、誰と付き合っているか、友人や仲間を見るとその人のレベルが分かる。怒鳴ったり、人を非難し、文句や、悪口をいい続けているのが仲間なら、マンションで言えば、自分もそのレベルの階の住人となってしまう。どんなに高邁な理想を掲げ、世のため人のため、などと言っていても、実際の言動や行動で、人を脅かしたり、がっくりすることを言って、まわりの人を嫌な気持にする人が友なら、同じレベルの住人といわざるをえない。
いつも笑顔で、うれしい、楽しい、幸せ、ありがとう、と感謝多き人が友なら、天国のような階の住人と言える。世の中が混沌としたときや、自分にパワーがなくなっているときは、とかく、表面的な言動や、目立つパフォーマンスに惑わされやすい。「誰と一緒に」、は忘れてはいけないとても大切なこと。

■世のため、人のために喜ばれる存在になるっていうのを具体的に言いますと、どんなことがあっても《つらい、悲しい、つまらない》を口にしない。《不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句》を口にしない。《批判、攻撃、中傷》を口にしない、ということです。宗教団体とは関係ありません。
そして、もうひとつお願いしたいことは、できれば口から出てくる言葉が《嬉しい、楽しい、幸せ》とか《大好き、ありがとう》という感謝の言葉が出てくると、もっといいと思います。そのように生きているだけで、周りの人は、みんな笑顔になっていきます。結局、私の言いたいことって、たった一言ですよ。
“実践”っていうことですよね。「“実践”ってなんですか?」どんなことがあっても、どんな状況でも決して《腹を立てない、怒らない、イライラしない》ということをやり続けていく…
常に現象の中から《嬉しい、楽しい、幸せ》という言葉を引っ張り出してきて、そう言えるような日常生活を組み立てるようにすることです。そういう言葉しか出てこない人がそばにいると、周りの人は、ものすごく温かくて居心地のいい状態になりますよね。温かい光を投げかけると、温かいから人が自然に寄ってくるんです。それを“実践”と言います。

■我々は日常、色々ないい言葉や、すばらしい話を聞いて感動する。しかし、ほとんどそれを実践していないことが多い。講演会などでも、聞いたときは感動するが、会場のドアを出た途端、忘れる人がほとんどだという。「いい話だったね」と言っていたのが、次に日には「そんな話もあったね」となる。王
陽明(おうようめい)が説く、自己修養の方法に、「事上練磨(じじょうれんま)」という言葉がある。実際の仕事や生活の中での実践を通して、精神を練(ね)り、肚(はら)を作っていくことだ。そして、それが体得できたとき、「知行合一(ちこうごういつ)」という、陽明学の大きな命題にたどりつく。つまり、
「知っているのに実践しないのは、知らないのと同じこと」。どんな状況になってもその中から、《嬉しい、楽しい、幸せ》を見つけ出し、それを言葉にする。理屈は抜きに、いいことは実践したい。

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