『「ミッション」はエンジンになる』

Pocket

田中道昭

私は長年にわたって、企業のミッションをいっしょに練り直すことや、社員個人のミッションを見出せるようにサポートする仕事をしてきました。長年の経験で気づいたのは、実はミッションはその人の中にすでに内在しているものを見つけ出す作業にすぎないということです。
ミッションは、言ってみればビジョンよりもより上位の概念です。未来の中にあるものではなく「今ここ」という現在にあるもの、つまり自分の中に潜在的にあって「見つけ出すもの」です。これまでの自分や現在の自分をきちんと「整理整頓」していけば必ず自分の中から見つけ出すことができます。いちばん大事なのは、自分の中にあるはずのミッションを「言葉にする」ことで意識へと変えていくことです。言葉にしたミッション、つまり「ミッションステートメント」は、あなたが長期間にわたって働くことが求められる「人生100年」時代をこれから迎えるにあたり、きっとあなたを駆動し続けるエンジンとなるでしょう。

私は2017年3月に、ユダヤ人国家でもあり「スタートアップ大国」とも呼ばれるようになったイスラエルに渡航し、多くの若い起業家たちとディスカッションを行いました。
そこで出会った人がみな熱く語っていた人生観が、「人は誰でも何かを創造するために生まれてきた」ということでした。ユダヤ人の離散と迫害の歴史の中で建国されたイスラエルにおいては、人々が独特の人生観や死生観を持っています。政府高官から科学者、起業家に至るまで、「世界をよりよい場所にする」という表現を多くの機会で耳にすることができたのも印象的でした。
彼らが語っていた「何かを創造するため」の「何か」とは、決して最先端テクノロジーから生み出される最先端製品のことばかりを指しているわけではありません。文章を書くこと、絵を描くこと、料理を作ること、歌を歌うこと、工作をすること、そして仕事で誰かに何かを提供すること。これらのすべてが「何かを創造すること」にあたるという彼らの言葉に、深い感銘を受けました。

自分が強みを持ち、自分がするのが好きなことの延長線上で何かを生み出すことこそがミッションであるとあらためてそこで学んだのです。ミッションとは何でしょうか?ビジョンが将来の夢や生きる目標を意味する言葉であるのに対し、ミッションとは、存在意義や使命、自分が生まれてきた意味や生きる目的を意味する言葉です。つまりは、ミッションとは、未来の中にあるものではなく、「今ここ」という現在にあります。ミッションは、だからこそ自分のワークスタイルやライフスタイルを表象します。他人に与えらえたシナリオで他人のような人生を送るのではなく、自分が主人公であり自分の人生を主体的に過ごしていくための指針となるものです。

自分が仕事を通じてどのような人たちと関わり合い、どのような人たちのどのような問題を解決していきたいのか。自分が仕事を通じてどのような人たちに、どのような価値を提供していきたいのか。これらの具体性こそが重要です。
ただ漠然と抽象的に「社会貢献したい」と思っているだけでは、それはミッションと呼ぶことができません。自分の仕事を通じて顧客や社会の問題を解決して、自分の仕事を通じて価値を提供していくことが大切です。「自分の目の前にある仕事の中にすでに存在しているもの」こそがミッションなのです。

『「ヒーローズ・ジャーニー」という言葉があります。英雄たちの旅路という意味です。世界中の神話や民話などの研究から導き出された「英雄物語に共通したパターン」を普遍化したものです。その展開は、次のようにまとめることができます。
1. 天命…使命が降りてくる、見つかる
2. 旅の始まり…使命を果たす旅に出る
3. 境界線…障害や困難にぶちあたる
4. メンター…障害や困難の解決を導く師匠(メンター)に出会う
5. デーモン…成功の兆しが見えてくるが失敗し、 再び障害や困難に陥る
6. 変容…失敗や障害、困難を通じて自己成長する
7. 課題完了…障害・困難を乗り越えて使命を果たす
8. 故郷へ帰る…成長して英雄となる。 新たな使命を見つけ、
  旅に出る準備をする

世の中の多くの人は、自分の学歴や肩書き、あるいは知識、スキル、資格などが「武器」だと思っていることでしょう。何か勉強しないと不安だ、目的は旅行ぐらいしかないけど、とりあえず語学学校に通おう、自分を磨こうという方も多いのではないでしょうか。
しかし、世の中には、旅先で何げなく知り合ってたわいもない会話をするだけで、その人の魅力が伝わってくる人もいます。肩書どころか、名前さえ知らないし、仕事の話はもちろん、自身のことさえ聞いていないのに「すてきな人だな」と感じる。これは潜在意志からの反応で、いわゆる直感です。そういう人こそ、本当の強さを持っているといえるのではないでしょうか。

つまり、ヒーローズ・ジャーニーに置き換えて言い直せば、「デーモン」を打ち破る唯一の秘訣は、「武器の強さではなく、何も持たないときの強さが、本当の自分の強さなのだ」ということに気づくことなのです。その人に本当に人としての魅力があり、しっかりとしたミッションを持っていることを感じさせてくれるなら、あなたはその人が何者であるかをまったく知らなかったとしても、その人の魅力を感じることができるのではないでしょうか。
そのようなときに、ありのままのその人と、使命感だけからにじみ出てくるような謙虚であることの真の価値を感じることができるのではないでしょうか』

安岡正篤(一日一言より)
『自分がどういう素質能力を天から与えられておるか、それを称して「命」と言う。それを知るのが命を知る、知命である。
知ってそれを完全に発揮してゆく、すなわ即ち自分を尽くすのが立命である』 また、『人生航路において辱めを受けたり、運命に恵まれなかったり、因果に支配されても、すべて天命と受け止めよ』自分の使命を知り、天命を知る者には、強さがある。どんな大きな障害も困難も乗り越える強さだ。
自分のミッションを持つ人には限りない魅力がある。

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

Pocket

『人生後半で、見つめ直す』 

Pocket

明治大学教授、齋藤孝

100歳まで生きることが、夢物語ではなくなってきました。厚生労働省が発表した2017年の調査では、日本において100歳以上の方はいまや6万人強。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年には100歳以上の方が53万2000人に上ると予測されています。
「人生100年時代」という言葉が広まるきっかけにもなった『ライフ・シフト100年時代の人生戦略』によれば、「今20歳の人は100歳以上、40歳以上の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上ある」といいます。

人類がいまだ経験したことのない長寿社会の到来…。なかでも日本はその先頭を走っています。お手本にすべき「先例」のない新たな時代を迎えているのです。働き方にもパラダイム変化が生じています。
60~65歳で定年を迎えても、そこからの人生が30~40年ほどもあります。「定年を迎えたら、後はのんびり過ごす」という生き方は、もはや現実にそぐわなくなりました。60代からを「老後」と呼ぶには早すぎますし、「余生」と言うには長すぎます。

本来、「人生をどう生きるか」というのは思春期から青春期の若者たちがテーマということを考え直さざるを得なくなったのです。

スポーツ好きな私は、サッカーの試合は欧州リーグもチェックしています。強豪チームの強さの秘訣、いい監督の力量がどこで出るかというと、ハーフタイムでの戦略の立て直し方です。前半の戦いぶりを見て、いいところ、よくないところを冷静に分析し、後半の戦い方を考え直す。調整力に長けた監督は、ハーフタイムに選手に的確な指示を与え、効果的な選手交代を行います。前半が絶好調だったからといって、後半もそのままの勢いでいけるかというと、なかなかそうはいきません。ちょっとしたことで一気に流れが変わることもあります。前半とは打って変わった健闘ぶりを見せて、大逆転が起こることもあります。最後に笑顔になれるのは、「ハーフタイム力」のしっかりしているチームです。

50歳という人生の折り返し地点で自分を見つめ直し、軌道修正することは、ハーフタイムで戦略の立て直しをすることと似ています。ここまでの人生が、けっこう順風満帆に推移してきたという人も、うまくいかないことばかりだったという人も、終わった前半戦にこだわるのではなく、これから立ち向かう後半戦に向けて、気持ちを切り替える。

人生のハーフタイムでリセットしましょう。リセットといっても、すべてを一新してゼロから新たな生き方を始めるわけではなく、これまでの自分の経験、実績、志向性などの蓄積のもとに、今後をどう生きるかを考え直すのです。
若いころに比べると、エネルギー値も若干落ちてきて、減速期に入っていることは否めないでしょうが、その分、この年齢になったからこその柔軟な対応力や深い思考力が備わっています。

『エネルギーを注ぐ対象を見つけ、心の張りを得るために、「趣味を持とう」「好きなことをやろう」とよくいわれます。もちろん好きなこと、趣味があることは熱心にできますが、ものすごく好きなことでなくても、自分がそれをやることに「意義」が見出せて、心が動けばいいのではないでしょうか。
仕事というのはだいたいそういうものです。やりたかったこと、好きなことを仕事にしていなくても、結果を出したいと思って全力で打ち込んでいると、それが張り合いとなり、内側からの充実感につながっていきます。

「好きなことかどうか」よりも、それをやることに「自分の心が動くかどうか」「積極的に関わっていけるかどうか」のほうが大きなポイントではないかと私は思います。
何かに対して、「やらなければいけないからやる」というしぶしぶのスタンスではなく、「自分がやらなきゃ、誰がやる」くらいの気持ちで主体的になる。それが、内側から湧き出るエネルギーを枯渇させない秘訣といえましょう』

「好きなことを仕事にしなさい」、とはよく言われることだ。だが、「そんなに好きでもないけど一所懸命やっている」という人も多くいる。仕事も趣味もそうだが、好きか嫌いかということも大事だが、「長く続くかどうか」という基準も大切だ。

教育者の東井義雄先生に、「ほんものは続く、続けるとほんものになる」という言葉がある。嫌いじゃないからこそ、長く続けられるし、長く続くということが、好きなことであり、また、 本物であるということの証明になる。

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

Pocket

『いま、お金について知っておきたいこと』

Pocket

本田健

来年、2024年には、いよいよ新円切り替えが行われるわけですが、その前に何をすべきか、氏が考える大まかな戦略が述べられている。

いわく、
・いまの有形資産を、いくつかの種類に振り分けておくこと
・いまの有形資産を、無形資産に変えておくこと
賢い人は、有形資産と無形資産と両方を着実に増やす生き方を選んでいます

「2つの真実」
(1)「マネーゲームに勝者はいない」
(2)「マネーゲームは、完全な失敗をつくりだすために設計された、ものであ る」

ある程度成功した人も、実はけっこう大変です。収入が3倍に増えると、たいていは支出も3倍に増えます

お金のゲームのせいで、不幸になる人が多い8つの理由
(1)何がゴールで、どうしたらゲームに勝ったことになるのか、
誰もわからない
(2)本人が望まなくても、マネーゲームをプレーさせられる
(3)お金のゲームのルールはコロコロ変わる
(4)お金のゲームのルールブックがない
(5)何度も負けてしまうので、ゲームそのものがイヤになっちゃう
(6)勝つ人よりも、負ける人の方が圧倒的に多い
(7)両親など、下手なプレーヤーが多く、いい先生が少ない
(8)ゲームの終わりがなくて、死ぬまでプレーさせられる

時代を越えて通用するお金のルール
「収入の範囲内で生活する」
「自分の稼ぎ力をつける」
「信用を積み上げる」
「応援される人になる」

中国のバブルが崩壊したのと時を同じくして、世界中の不動産が大幅に下がるリスクが出てきましたいまの「有形資産」を未来の「無形資産」に替えていく

ハッピーマネーを人生に呼び込むために、あなたができる5つのこと
(1)ありがとうイン、ありがとうアウト
(2)自分の才能を分かち合う
(3)愛とやさしさを中心にして、生きる
(4)まわりに応援してもらう
(5)情熱をもって生きる

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

Pocket