毎日バッターボックスに立つこと

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世界最高齢プログラマー、若宮正子

80歳を過ぎてから、私は自分史に書くべきコンテンツが増え続けています。発端はやはり、アプリを自作し、2017年の6月にiPhoneなどを開発した「アップル」社のイベントに招待されたことでしょう。
このイベントはWWDC (Worldwide Developers Conference: 世界開発者会議)といって、本来は名称の通り、アップル社の製品に関連する技術者向けの催し物です。アップル社のCEO(最高経営責任者)などが登場し、ここで新製品が発表されることもあります。
故スティーブ・ジョブズさんのとても有名なプレゼンテーションなどは、このイベントでおこなわれていたんですね。それゆえに一般ユーザーもWWDCを、年に一度のお祭りとして楽しみにしています。WWDCは会場の参加者だけで5000人以上。さらに、全世界に向けてインターネットで中継もおこなわれています。日本でも、時差の関係で夜中の開催になるこのイベントを、多くのひとが眠い目をこすりながら見ています。
これまでWWDCに招待されていたのは、若い開発者が多かったんです。私が参加した2017年のイベントでも、オーストラリアの10歳の開発者が招待されていました。そんななか、当時82歳のおばあちゃんが出てきたもんだから、みなさんびっくりされたんでしょうね。

大きな注目を集めてしまいました。アップル社CEOのティム・クックさんともお話しし、「あなたは、私たちにとって、とても勇気づけられる存在です」といっていただきました。私が作ったお雛さまのゲー ム 「hinadan」については、シニア世代が操作しやすいよう工夫したことを評価していただいたようです。
それをきっかけに、「最高齢のアプリ開発者」としてさまざまなメディアで取り上げていただき、日本政府の「人生100年時代構想会議」の有識者議員として呼ばれることにもなりました。

お年寄りになると、できることも少なくなり、誰からも必要とされていないのではという不安にかられることがあります。そのさびしさに飲み込まれてしまわないように、何をすればいいのでしょう。
私は、獲得体験を増やすことだと思います。昨日できなかったことが、今日はできるようになる。それはやっぱり楽しいことです。
新しい言葉を一つ覚える、散歩コースを開拓する、今まで食べたことがないものを食べる、近所のひとにあいさつする。そんな小さなことでいいんです。
家族に「ありがとう」と伝えてみるなんていうのも、今すぐできることです。やったことのない趣味を始める、お友達を作る、といったことができたら最高ですね。

〇年寄りだからこそ、かっこつけずにバットを振ろう。
『未来のことは、現時点ではわからないものです。私の人生が82歳から大きく変わったことだって、社会変化によるものだとしか思えません。
私は今の状況を、こんなふうに考えているんです。老人会の野球大会があって、打席がまわってきたからバッターボックスに立った。で、バットを持っていたら、球が偶然バットに当たっちゃった。そしたら、ふらふらとフライが上がって、あれよあれよというまに追い風が吹いてきて、それがヒットになった。そこにさらに追い風が吹いて、いつのまにか場外ホームランに。』
『やっぱり打席に立たなければ、ヒットは永遠に生まれないんです。「ちゃんと打てなかったらかっこ悪いよな」なんて思ってバッターボックスに入らなかったら、こんなことにはならなかった。よたよたしながらも打席に立ったことが、自分の運命を決めたのだと思います。』

〇「行動を選ぶとき、あなたは結果も選んでいる」(フィリップ・マグロ―)
たとえば、何もしないという「行動」を選んだ場合、それは現状維持ということになる。現状維持というと、いかにも現状を保っているように思うが、現実は周囲や環境といった時代が変わっていくため、その人は置いていかれることになる。
観客席(リングサイド)に座ってヤジをとばす人間や口先ばかりの評論家は、自分ではやってもないくせに批判ばかりする。本当は、リングの上で戦っている者こそが、賞賛されるべきであり、たとえ、血まみれになってマットの上に倒れたとしても、挑戦する人間はそれだけで尊敬に値する。「毎日打席に立つ」バッターボックスに立たなければ、すべては始まらない。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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コミュニティをつくろう!

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マツダミヒロ

まずは「コミュニティとは何か?」という部分を理解しなければ、うまく作れません。。「コミュニティ」と横文字を使うと難しく感じるかもしれませんが、より理解するために想像してみましょう。あなた自身の誕生会を開催しようと思ったとき、何人が集まるでしょうか?ここで集まってくれる人数が、あなたのコミュニティ力です。

「コミュニティが、これからのビジネスの鍵になる」と言われて、難しく考えてしまうあなたも、このように誕生会を例にとると、わかりやすいでしょう。コミュニティとは、つながりから始まること。ですからコミュニティをつくるということは、誰にとっても必要なことなのです。

私は「ご縁」という言葉をよく使います。ご縁とは、関わり合いで成り立ちます。つまり関係性のことです。相手が感じ悪く関わってきたら、こちらも嫌な気分になり、いい関わり方をしたいとは思いません。反対に、相手が感じよく関わってくれたら、こちらもいい関わり方をしたいと思います。自然なことです。この感覚を活用して、「自分がいい関わり方をしたら、相手もいい関わり方をしてくれる」という状態をつくっていきましょう。

ご縁は広めるものではなく「深めるもの」 です。だから、たくさんの人とつながることより、1人の人とじっくり深く関係性をつくることを大切にしていきます。強いつながりをつくるには、まずは弱いつながりをつくることです。弱いつながりがないと、コミュニティはできないからです。

最初は感じよく挨拶をする。SNSなら相手の投稿にコメントをする。ただし「いいね!」ボタンを押すだけでは、コミュニケーションには数えません。コメントで想いを伝える、言葉を交わすことが関わりです。

ここでの重要なポイントは「きっかけは自分からつくる」ということです。人は誰もが多かれ少なかれ、何らかのコミュニティに所属している。総務省の資料によれば、さまざまな地域課題の解決や、PTAや自治会が活動エリアを拡大したもの、あるいは、高齢者や子育てのコミュニティや、まちづくりの団体もある。
ここでいうコミュニティは、よりパーソナルなゆるいつながりのコミュニティのこと。ある意味、サードプレイスと言ってもいい。コミュニティは、オンライン上のつながりが「主」で、リアルな場で会うことが「従」となる。サードプレイスは、リアルな場がメインで、オンライン上のつながりは「従」となる。ひとつのファンコミュニティだ。

これからの時代は、どんな会社でも、個人であっても、コミュニティづくりが必須となる。コミュニティがあれば、色々な案内もスピーディにしかも無料で告知でき、イベント開催も集客も容易にできる。コミュニティをつくろう!

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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