私のリーダー論

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ハルメクホールディングス宮沢孝夫社長

それぞれの社員がKPI(評価指標)を意識して仕事する組織に変えた。そのために社員に対して公平公正な評価と情報公開に努めた。曖昧な数値では自分が働いた成果が分かりづらいので士気も上がらない。
KIPを明確にしたことで、社員一人一人が自分たちの成果を客観的に把握できるようになった。明確な目標を立てれば、より集中して働けるようになる。KPIについては社員が納得できなくてはならない。無理難題な数値を押し付けてはいけない。

■リーダーに必要な5つの要素
1.構想力
世の中の情勢や変化を見極めながら、どのような企業を目指すのかを考える力。
2.判断力 3.意思
責任と権限を持つリーダーには、最終的な判断を求められる。自分はこの事業をやるべきだと決断する強い意思が無ければ成功しない。
4.人と組織を動かす力
リーダーの言動に部下が納得してついてこなければビジネスはうまく行かない。5.倫理観
リーダーは倫理観を持ち、自分と組織を律することが何よりも求められる。

自分が責任を取るので自由に任せるという美学を持つリーダーは多いがそれは間違っている。上っ面だけの美学で、本当のやり方を知らない。部下に仕事を任せることは、自由放任ではいけない。リーダーシップの根幹として、説明責任がある。部下に仕事を任せっきりにすることは、説明責任の放棄になる。また仕事を任せられた部下にも説明責任が生まれる。お互いにとっての説明責任を果たす意味でも、リーダーが部下の仕事を把握するすることは、任せることを否定していない。部下との話し合いを通じて、納得できない仕事の進め方があれば、軌道修正をお願いしている。説明責任を放棄するのではなく、適切に指導することがリーダーの責任だ。

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『英雄の書』

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黒川伊保子

30代までの脳にとって、「失敗」は、脳のメカニズムの一環で、必要不可欠な頻出イベントである。若者は、いちいち落ち込んでいたら、脳が疲弊してしまう。それではまるで、おしっこする度に落ち込んでいるようなもの。好奇心が萎えてしまい、日々の暮らしの中に埋もれてしまう。40歳を過ぎると、もの忘れが始まる。もの忘れは、脳が無駄を知り、本質を極めてきた証拠。「本質的でない無駄な情報」に電気信号を流さなくなるから起こるのである。当然、人は失敗しにくくなってくる。

とはいえ、新しい世界に挑戦するときは、やっぱり失敗する。逆に、失敗しなくなったら、成長していない自分を嘆いたほうがいい。ときには、失敗を求めて、新しいことに挑戦してみればいい。失敗したら「しめた」と思おう。好奇心を失わず、失敗にタフな大人はかっこいい。若者たちを英雄の道へ導く、いいお手本でもある。

英雄は、誰よりも勘とセンスが働かなくてはならない。だとしたら、誰よりも、失敗を知らなければならない。脳は、体験によって進化している。失敗すれば、失敗に使われた脳の関連回路に電気信号が流れやすくなる。中でも、さまざまなかたちの成功に使われる本質的な回路は、使われる回数が多いので、特に優先順位が高くなる。これこそが、物事の本質を見抜く洞察力の回路に他ならない。超一流のプロたちが持つ力だ。彼らは、この回路を使って、「勝ち手」を瞬時に見抜く。この回路は、成功体験を積み重ねることによってつくられる。

しかしながら、成功体験を劇的に増やし、大切な回路に何度も信号を流して「本質の回路」に昇華させるためには、その前に、十分に、無駄な回路を切りすてておく必要がある。その無駄な回路を捨てる、成功への基本エクササイズこそが「失敗」なのだ。

この世のどんな失敗も、脳の成長のためにある。失敗の数が多いほど、そして、失敗の「取り返しのつかなさ」が深刻なほど、脳は研ぎ澄まされた直感を手にし、その脳の持ち主は輝かしいプロになり、しなやかな大人になる。しがたって、「失敗」は、恐れる必要がない」

昔からよく「若いときの苦労は買ってでもしろ」とか「失敗は成功の源」などと言うが、あれは、単なる慰めでも、結果論でもない。脳科学上、非常に明確な、脳の成長のための真実なのだ。若くても、勘のいい子はいる。たしかにそう。しかし、そんな若者は、子どものうちに、人一倍、試行錯誤を重ねてきた子たちだ。小さなころから世間をなめて、うまくごまかし、失敗を回避してきた脳こそが深刻。

「逃げがうまい要領がいい若者」は、本当に大成しない。一流の場所に一人も残らない。かくも、失敗とは、脳にとって大事なのである。心を痛めた分だけ、脳はよくなる。ネガティブだと思っていた現象が、不可欠であること。脳を研究していると、よく出会う真実である。

脳は一秒たりとも無駄なことはしない。失敗は「人生をドラマチックにしてくれる、神様の演出」だ。同じ事象を、「失敗」と呼ぶのと、「やっとドラマが始まった」と思うのとでは、天と地ほども違うからだ。テレビのドラマにおいても、物語がいよいよ佳境に入ると、泣きたくなるような失敗や、大きな困難が起こる。そして、それを乗り越えたとき、そのドラマはハッピーエンドに向かう。

一度の失敗もない、成功しっぱなしのドラマなどはつまらなくて誰も見ない。人生も同じで、山あり谷ありだからこそ、そこに味があり、深さや厚みが出る。すべての失敗は脳を成長させる。

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『運をつかむ人の習慣』

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マーク・マイヤーズ

夢を追って人生の探索を続けていると、すでに自分の身に起きた素晴らしい出来事を忘れがちになる。すでに手に入れているものに感謝することなく、手に入らないものにフラストレーションを感じるのは人間の性だが、それは間違いだ。
ある知り合いの女性は、非常に扱いにくい上司のもとで働いているが、いつも微笑みを絶やさず、親切で、陽気で、快活だ。私は彼女が人に対してかみつくような言い方をしたり、機嫌を悪くしているところなど見たことがない。
ある時、どうしていつも笑顔を絶やさず、気分よく仕事をしていられるのかと尋ねてみた。すると彼女はこう答えた。息子がガンを宣告されて今治療を受けている。そういうことがあると、ほかのことはすべて、それとの比較の問題となってくる。

例えば、ストレスがたまるとか、つらいと思えるようなことでも、本当はそれほど大事件ではないとわかってくる。そんなことは一週間もすれば忘れてしまっている…。もしあなたが、運の強い人間になりたいと本気で思うなら、これまでに自分がやり遂げてきたことについて真剣に考え、それに感謝できなくてはならない。だからといって、「夢をかなえることなど考えず、現状に満足して黙って座っている」と言っているのではない。今まですでに得ているものもたくさんあることに気づき、もしかすると、一夜にして今よりずっとひどい状態になることもあり得るのだということを自覚すれば、人生に対する態度は変わってくるだろうということだ。

もしあなたが自分の持っているものに感謝し、「健康」や「家庭」や「自分の能力や技術」を有り難く思うことができれば、多少運の悪いことが起きたからといって苦悶したり、思うように物事が運ばないからといってあきらめることはないだろう。反対に、「自分はなんと幸運なのだろうか」と考えることができ、さらに幸運を招くことに意識を集中できるようになるに違いない。
視野を広げ、人生をバランスのとれた見方ができるようになるには、新聞の国際ページを読むのも一つの方法だ。アフリカ諸国では罪もない人たちが虐殺され、生活を破壊されていることは周知の事実だ。そういう記事を読んだあとで「買い物に行ったらレジに長い行列ができて待たされた」とか、「仕事で失敗した」、「職場で嫌なことがあった」と言って腹を立てたり嘆いている人がいたら、あなたはどう思うだろうか。私たちのように繁栄している国に住んでいる平均的な人間がこうむる“つらいこと”など、彼らの悲惨さの比ではない。

■朝比奈宗源老師(魂をゆさぶる 禅の名言)より
『老師の知り合いの僧がある寺に住持していたという。彼は博打が好きで、村の人の集まりで博打をやっては負けて帰ってくる。それを見て、老師は 「あいつもやがて死ぬやっちゃ」と独り言をいっていたという』ひどい仕打ちをうけたり、言動を浴びせられても、その人もやがて死んでしまうのだ、と思えば腹も立たない。今、20歳を過ぎた大人なら、100年後はほぼ誰も地球上には残っていない。そう考えるなら、すべてのことは取るに足らない小さなことに思える。

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