ドラッカー 人事制度は組織の要

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1.組織は人の集まりであり、人事は組織運営の要諦である
組織とは、目的を持った人の集まりだ。組織の成果は、人のやる気によって決まる。やる気は、その人がどのように評価され処遇されるかで決まる。組織において人の問題を扱うことを人事と言い、人事は組織運営の最も重要なポイントである。

2.人事とはつまるところ、地位と報酬の決定であり、それは公正を重んじる
人がやる気になる要素をマズローは、承認とやりがいのある仕事だと言った。承認には2つある。
1つ目は褒めてもらう事、これは心理的報酬。社員をこまめに褒めましょう。地位を与えることは社員を褒めることになる。
2つ目はお金、これを経済的報酬と言う。人は物事への貢献度に応じて処遇される。処遇は地位とお金によって与えられ、それがやる気の源になる。成果を上げた人は厚く遇せられ、そうでない人には、奮起してもらうために待遇を見直すなど、信賞必罰、公正を重んじて処遇しなければならない。評価制度をきちんと整え、自己評価を基本として運営する。

3.古来、国家の創始者は、功労者の処遇と人事制度を国家長久の礎とした
東西を問わず、世を制覇し国家を創設した英雄たちは、まず人事に着手した。具体的には、処遇の制度を作り、功臣たちに褒美を与えた。公正かつ気前よく部下を遇した政権は長続きしている。

4.人事制度の確立は組織の基盤をなすもので、そこには9つの課題がある
中心となるのは処遇制度。これは身分とそれに連動したポストのこと。身分とは軍隊で言うと、二等兵から始まって元帥に至る格付けの事。連動したポストとは、例えば師団長はどの身分の人から選ばれるかということ。続いて、身分とポストに紐づいた給与制度、さらにきわめて重要な評価制度がある。
これらは人のやる気に決定的に影響する。他にも人材育成や人材採用の仕組みなど、順次取り組んでいく必要がある。その他には、退職金制度、福利厚生制度、役員処遇制度がある。

5.人事制度定着のポイントはしつこく運用することである
人事制度を作ってみたものの、棚ざらしとなっている会社が多い。それは設計はしてみたものの、上手く運営できないからだ。
しょせん人間の評価は、各パーツをばらばらに評価し、それを足してもできるものではない。社長の頭の中には既に全社員の序列がある。人事制度を仕組化した時に、社長の直観が再現されるかどうかだ。
評価の仕組みはシンプルな方が良い。鉛筆をなめられるようにしておく。評価の仕方が下手だったり、制度に改良の余地も見つかるがとにかく半年に一度は評価制度を運用し、うまくいかない所を改良し続けることが定着のポイントだ。

企業の課題は、人とお金という経営資源を活用して、経済的な成果を出すこと。お金は1+1=2としかならないが、人はやる気次第で1+1>2となるし、1+1<2にもなり得る。

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「世界経済 大いなる収斂」

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リチャード・ボールドウィン 

単にモノの貿易といった次元を超えた新しい形のグローバリゼーションが生じてきた。その原動力は、ICT(情報通信技術)革命である。

企業活動は3つの制約によって影響を受ける。
・モノを移動させるコスト
・アイデアを移動させるコスト
・ヒトを移動させるコスト

ICT革命は、知識の移転コストを低下させた。そのおかげで、企業間や企業内での知識の流れが加速した。企業は、製造の国際的ネットワークを構築、生産工程を国際的に分散させた。
途上国の工業化と先進国の脱工業化という歴史的変化の中で、両者の経済力に大きな収斂がもたらされた。それ以前は、先進国のみが繁栄して格差が拡大していた。

こうした流れを考察すれば、アメリカの保護主義的な動きは、国家やセクターを念頭に置く古い政策だと言える。場の変化に対応できずに、的外れな事をやっている。先進国が取り組むべき事は、21世紀の製造業に関するすぐれたサービス・セクターを産業基盤を作る事だ。具体的には、設計、資金調達、マーケティングなどだ。

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アマゾン・エフェクト

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アマゾン・ドット・コムが既存業界を破壊している。

「価格を簡単に比較できるようになったことで、
消費者の力は増えた。
企業は終わりの無い価格競争の中にいる。」
デビッド・パサック

ネット通販の台頭だけではない。
ブランドよりも、プライベートブランド商品の
お得感を好む若者たちが消費の主役になりつつある。
これも、日用品メーカーには強い逆風だ。

「我々が世界中でビジネスを営むエコシステムは崩壊し、
生まれ変わりつつある。」
デビッド・テイラー

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