「世界経済 大いなる収斂」

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リチャード・ボールドウィン 

単にモノの貿易といった次元を超えた新しい形のグローバリゼーションが生じてきた。その原動力は、ICT(情報通信技術)革命である。

企業活動は3つの制約によって影響を受ける。
・モノを移動させるコスト
・アイデアを移動させるコスト
・ヒトを移動させるコスト

ICT革命は、知識の移転コストを低下させた。そのおかげで、企業間や企業内での知識の流れが加速した。企業は、製造の国際的ネットワークを構築、生産工程を国際的に分散させた。
途上国の工業化と先進国の脱工業化という歴史的変化の中で、両者の経済力に大きな収斂がもたらされた。それ以前は、先進国のみが繁栄して格差が拡大していた。

こうした流れを考察すれば、アメリカの保護主義的な動きは、国家やセクターを念頭に置く古い政策だと言える。場の変化に対応できずに、的外れな事をやっている。先進国が取り組むべき事は、21世紀の製造業に関するすぐれたサービス・セクターを産業基盤を作る事だ。具体的には、設計、資金調達、マーケティングなどだ。

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