人体の巨大ネットワーク

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NHKスペシャル、シリーズ人体

最新の科学で、なんと体内の臓器が脳を介さずに互いに直接情報をやり取りするのが分かった。つまり、臓器同士が会話するように、メッセージを交換しながら支え合って働いている。深刻な病気の多くは、臓器同士の会話で、間違ったメッセージが送られるなどの異常によって引き起こされていた。

この会話の内容を知る事で、医療の世界に大きな革命が起きている。食事をすると、腸は「ご飯が来たぞ」というメッセージ物質を放出する。これが血管を通って全身に届けられる。胃がそれを受け取ると、胃の内容物の排出速度を遅らせる。脂肪細胞が受け取ると、栄養を貯めこむようになる。すい臓が受け取ると、インスリンを分泌して、血中のブドウ糖を調節する。脳が受け取ると、食欲を抑えようとする。

他にも、複数の臓器が腸からのメッセージ物質を受け取ってリアクションを起こす事が分かっている。ただのポンプだと思われていた心臓も、他の臓器に向けてメッセージ物質を出していた。心臓が「疲れた、しんどい」とつぶやく。すると尿を作る腎臓が、それを受け取り、尿を増やすリアクションを起こす。腎臓が尿を多く作れば、それだけ血管の中の水分が排出され、血液の量が減って血圧が下がり、心臓の負担は軽くなる。同じく心臓からのメッセージ物質を受け取った血管は「血管を広げる」とともに「血管の内側を修復して、きれいにする」というアクションを起こす。

他にも、腎臓が血中の酸素の量をコントロールしたり、血液全般を管理している事も分かってきた。
ただの油と思われていた脂肪細胞から出るメッセージ物質は、今分かっているだけで600種もある。言い換えれば脂肪細胞は、あたかも人格があるように600もの言葉を話す事ができるのだ。
骨がら発信されるメッセージ物質によって「記憶力」「免疫力」「筋肉」「精力」などがコントロールされる。

よく骨折したお年寄りが寝たきりになり、そのまま亡くなってしまうことがある。寝たきりになって、骨への刺激が無くなると、骨は「この個体は、活動を停止した」というメッセージ物質を全身に発信するからだ。

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「真説 孫子」

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 デレク・ユアン

「孫子兵法」を正しく理解するには、中国特有の戦略思想を理解しなくてはいけない。戦争を軍事力だけではなく、あらゆる手段を用いた相対的な争いと考えているからだ。

だから、「孫子兵法」は、欧米の戦略理論のように軍事に特化していない。政治や外交を含む、体系的かつ高いレベルの戦略を論じている。中国の歴史や哲学を深く知ることも不可欠で、同時代に成立した老子の思想を抜きにして、「孫子兵法」は理解できない。

両者は石をも押し流す勢いがあると同時に、相手の動きに柔軟な対応もできる水のような姿を理想とする。これは、戦略において目的と手段の合致を重視する欧米とは違う。状況に応じて手段だけでなく、目的までも変化させる姿勢を持っているのが特徴だ。

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