私のリーダー論

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 ハルメクホーディングス社長、宮沢孝夫

通信事業では補正下着を扱っていた。販売する理由は、シニア女性には体系を補正したいニーズが強い、という思い込みだった。自分たちの解釈を優先してビジネスを考えていた。先入観や思い込み、主観的な見方に基づいた「~らしい」かどうかで判断することは、結果としてお客様を理解することを怠ってしまう。

シニアの女性が望んでいることを、先入観を持たずに等身大で理解する意識改革を促した。顧客を理解することは、企業経営にとって本質的なことだが、あくまでスタート地点に過ぎない。社員には常にチャレンジすることを求めている。

従来の延長線上で仕事をしていても、数年後には陳腐化してしまう。絶えず新しい切り口や方向性を見つけ、チャレンジすることの重要性を説いている。発想の転換を促す挑戦をしたことで新しい市場を作ることができた。だからこそ、社員には私を持って欲しい。

発表者に対しては「分析結果を受けて、あなたはどうすべきだ考えるのか」「発表内容に対してどうすべきか」と質問すことを心掛けている。同僚の発表を聴いた社員にもあなたの意見はどうなのかと問いかける。会議では調査報告に終始してしまうことを許さない。社員一人一人が自分の思いを表明しない組織からは、新しい挑戦は生まれない。

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読書力を鍛えるためには?

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「何かを知っている事」と「相手の意図や言葉を正しく読み取る事」の  どちらが重要かといえば、間違いなく後者です。  

知識は時間・時代の流れと共に、常に新陳代謝をしていかなければなりません。   その新陳代謝のスピードと質を決めるのが「読み取る力」です。 そして、読書力そのものを鍛えるためには、 今の自分の読書力を超えるものを、読むしかありません。

言葉を表面的に、なぞっていくだけで分かってしまう文章を、 いくら読んでも理解力が高まる筈がありません。私たちは「知る喜び」を手に入れる事にかまけて、 「理解する力を高める作業」を置き去りにしてはならないのです。 

なぜ「古典」なのか? 理解する力を高める作業は、古典を読まなくても可能です。 具体的でない言葉で書かれた本、想像力を駆使しなければ理解できない本、  歯を食いしばって読まなければならない本、そういう本であれば、良い訳です。  手っ取り早くて、ハズレがないのが「古典」というだけです。  

大事なことは「具体的でない」という部分。 違う言い方をすれば「抽象的である」ということ。 あるいは「経験を超えている」ということ。 そういう読みにくい言葉と闘うことで、 私たちの理解力、想像力は高まっていきます。  

古典を読むぞ-!とか息巻いて、いきなり『方法序説』とか『エミール』とか  読んでも沈没する可能性が大でして、 どの程度まで遡るべきかというのは、実に難しい問題です。

第一段階は、30年以上前に出た本でいいでしょう。 30年というと「一世代」経過します。 その頃出版されて、未だに残っている本には、ハズレがありません。  そこから1960年以前の本へ。 昭和初期から戦後まもなくに書かれた本は、 「読みやすさ」なんてものが、一切考慮されていません。読者を選ぶ本がほとんど。そこに挑むわけです。 そして近代へ。さらに西洋の古典へと… 広げていって見ては、いかがでしょう?

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運を引き寄せる法則

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精神科医、和田秀樹

運の強い人は、じつは、やって当たり前のことをきちんとやっている人なのです。平凡といえば平凡な答えですが、目立つことだけ一生懸命になって、目立たないことはいい加減にやっている人は、1つの運をつかんでも、それが逃げていくと、もうつかまえる運がありません。

でも、どういう仕事、どういう役割であっても一生懸命にやっている人は、いろいろなところで運をつかむチャンスに出合います。あなたの周りを見てください。「彼には安定感があるな」とか「彼女はいつも朗(ほが)らかだな」と思わせる人は、自分本来の仕事はもちろん、どんな小さな仕事や目立たない作業、地味な雑用でもきちんとこなしているはずです。しかも一生懸命、楽しそうにやっているはずです。
そういう人は、大きく落ち込んだり崩れたりすることはありません。本来の仕事が不調でも、ミスが続いても、全体の仕事を信頼されていれば周囲もちゃんとフォローしてくれます。

それに対して、ポイントを稼げる仕事のときだけ張り切るタイプは、運をつかめばそのときは勢いがよくなりますが、周囲は冷ややかです。「やることやってないじゃないか」と、あ「わたしはあの人、信用していない」といった見方をします。すると、せっかくの運も孤立します。

じつはここが大切なところで、わたしは「みんなが喜んでくれたり応援してくれる幸運」は長く続いても「孤立した幸運」はすぐに終わってしまうと思っています。たとえば美味しいものが手に入っても、自分ひとりで楽しんでしまおうとする人と、仲間に声をかけて一緒に食べようとする人では、その後に続く幸運の長さがまったく違います。
自分ひとりで楽しめば、幸運を独り占めできるかもしれませんが、食べてしまえばおしまいです。誰も美味しいものをプレゼントしてくれないのです。でもみんなで楽しむ人は、幸運の量は減っても誰かがまた声をかけてくれます。

「この間はとっても楽しかった。今日はわたしが珍しいものをご馳走しますよ」と声をかけてもらえば、思いがけない幸運を味わうことができるのです。この繰り返しで、長く幸運に出合い続ける人生のほうが、はるかに幸せなはずです。『わたしは高齢者専門の精神科医になったことで、歳をとってからみじめな思いをするのはおカネがないことではなく、若い人に慕われないことだと思うようになりました。いくら経済的に恵まれていても、家族や子どもたちはもちろん、誰からも慕われずに生きていくというのは不幸な人生だと気がついたのです。
すると、わたし自身の人生観も変わってきます。おカネを貯め込むことより、自分の好きなことにおカネを使って、いろいろな人と楽しくつき合い、頼ったり頼られたりしながら生きたほうがずっといいと思うようになりました。そこから開けてきた運というものが、たしかにあるのです』

慕われない人は、美味しいものを独り占めする人、つまり、自分だけよければいいと思っている人。また、愚痴っぽくて、不機嫌で、ケチで、人の話を聞かず自分の話ばかりだったり、目立つことが好きで、地味な仕事は手を抜くような人は、つまり、誠実さや信用がない人。

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『まず、人を喜ばせてみよう』

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書店「読書のすすめ」店主、清水克衛

《将来の目標はない方がいい。自分の夢なんて忘れてしまおう》

“成幸”体質っていうのは、より「バカ」になることなんですよ。
よく、「人生、目標を持つんだよ。自分の目標がない人は、途中で挫折しちゃうから。ただ漠然と生きているとなんとなくそのまま流されて、自分の夢や理想の人生が生きられなくなっちゃうから」って言われてますよね。

でも私は、うちの若い人たちには、「目標を持つな。志を持て」って言ってるんですよ。私たちのやっているNPO法人「読書普及協会」は、自分の小さな夢を目標にしている人たちの集まりじゃなくて、みんなが、それぞれ、目の前にきた人を元気にしようっていう志を持った人の集まりなんです。
「目標を持って、それに向かってコツコツ実現していく」確かに、それもひとつの王道なんです。「バカ」と言われるくらいにそこに突き進んだら、きっとうまくいくことでしょう。
ただね、目標にしばられて、その通りにできなかった時、イライラしちゃったり、がっかりしちゃったり、中途半端な自分に悩んじゃったりとか、そういう考え方だけしか知らないことで苦しんじゃっている人、いませんか。
それだけじゃなく、「私って、これって言える夢とか目標がないんです。それが悩みなんです」って悩んでいる方、いらっしゃいませんか?

そんな方のために、他にも王道があるんです。それが、「目標を持たなくてもいい。そのかわり、自分の人間力を限りなく高めていく。そうすると、やがて人生は思ったとおりになる」って方法なんです。
「日本一の何々になる」とかって、遠くから目標を持ってくるんじゃなくて、目の前の人、目の前の物事に心を込めて集中するんですよ。私の場合もそうなんです。
ただ、来てくださったお客さんを喜ばすことに集中していただけなんです。目標は、遠くにあるんじゃなくて、目の前にある。それを、“顔晴(がんば)”る。そうすると、自然に道ができてきちゃう。

目標がなくても「あきんど感覚」さえあれば、道って自然に開けてくるものなんです。『「あきんど感覚」っていうのは、自分のまわりにいる人を喜ばせて、その結果、いつのまにか自分もツイてる人になってしまうという、神さまの知恵。

本物の商人っていうのは、とっても魅力的で、「人を喜ばすスペシャリスト」です。』商売においても、「目標日本一!」とか「売上高〇〇億円、店舗数〇〇〇店を達成する!」という威勢のいい目標を掲げている会社がある。もちろんそれはそれで素晴らしいが、本質的に言うなら、一店一店の実力を極限まで高めていくことの方が王道。それは、一店一店が筋肉質で、どこに出しても恥ずかしくない高いレベルにまで努力し、同時に、働いている社員やスタッフが自社のことを、「いい会社」だと思える会社。逆に、店を出せば出すほど、一店一店のレベルがどんどん下がっていくなら、それは倒産の道に向かって突き進んでいる。

それは、人においても同じで、目標や夢の実現より先に、自分の人間性や徳性をどこまで高めることができるかが、本筋での努力。目標や夢を追求するあまり、家庭が崩壊してしまったり、身近な人たちとの人間関係がおかしくなるなら、それは本末転倒。

「近き者説(よろこ)び、遠き者来る」論語
孔子は、「近くにいる民が喜び幸せであるなら、遠くにいる民もそれを聞いて集まってくる」と言った。身近な人や、自分の周囲にいる人を幸せにできない者は、遠くの人を幸せにすることはできない。遠くの人とは、商売でいうならお客さま。ただひたすら、目の前の人を喜ばせることを考える。お客さまも、スタッフも。どんなときも、高い志を持ち、人を喜ばせることを実践する。

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