『得をさせる』

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斎藤一人

天職などありません。目の前のことを一生懸命やっていると、それが天職になるのです。

この前は、ある男性からこんな質問を受けました。「私、会社を辞めたいんです」「ああ、辞めたほうがいいよ。で、次に行くとこは?」「まだ決まっていません」そう言うので、私はこう答えました。
「じゃあ、あと3か月だけいなさい。で、あと3か月、そこで一生懸命やんなさい。あなた、その職場をもう嫌いになっているんだろうけど、でも、きっと社長もあなたのこと嫌いになっているから。3ヶ月一生懸命やって、惜しまれて辞めなさい」

人生でいちばんいけないのは、「あいつを使って損した」「あいつに会って損した」「この本読んで損した」と、相手に損したと思われること。必ず自分を使って得をしたと思わせないといけない。
そのためには、「はい」と大きな声で返事をするとか、残業を頼まれたならば頼まれた以上の仕事をするとか、どんな小さなことでもしたほうがいいよ。会社を辞めるにしても、その会社に得をさせたと思われてから辞めないといけない。損をさせたまま逃げるように辞めてはいけないよ(笑)。

先の私に質問をした男性に3ヶ月後に会いました。この3ヶ月間は一生懸命に仕事をしたみたいでした。すると、「会社が自分をすごく大事にしてくれるようになりました。とてもいい職場です」と言うのです(笑)。
世の中とは、そういうふうにできているのです。

〇人間として一番魅力的な人は、「また会いたいなぁ」と思わせる人。その反対に、 「会うと嫌な気分になる 」、「会うたびにがっかりする」ような人とは、二度と会いたくはない。また会いたいと思わせる人は、与える人。魅力ある人は、見返りを求めず、惜しみなく与える。

与える人は、得をさせる人。二度と会いたくない人は、奪う人。奪う人は、自分のことばかり考えて、ケチくさい。奪う人は、損をさせる。
この得をさせたり、損をさせたりするのはお金のことだけではない。
得をさせる人は、「優しい言葉」や「気遣いある言葉」という「愛語」や、人を和(なご)ませる「笑顔」がある。得をさせる人は相手を喜ばす。
損をさせるけち臭い人は、たとえば、「感謝」もしないし、「ありがとう」も言わず、「挨拶」も出し惜しみをする。
損をさせる人は相手をがっかりさせる。会う人会う人に、得をさせたいですね。

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『「悲劇」はすべて「否定する心」からはじまる』

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小林正観「

そうじゃない、そうじゃない」と思う心、“非ず、非ず”と否定する“心”、これが“悲しい”という文字になっています。

悲劇は、すべて否定する心からはじまるのです。もし、その現象が、つらくて大変で楽しくないものであっても、私は「そうではないとらえ方」をお教えすることができます。

たとえば、コップに水が半分入っているのを、「半分しかない」と思ったら、<不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句>になります。
しかし、「半分も残っていて嬉しい、楽しい、幸せ」と思ったら同じ現象も喜びになります。
さらに、「誰かが半分も残していてくれて、ありがとう」という受け止め方もあります。

私は「否定してはいけないとか、否定をすべきではない」と言っているのではなく、「半分しかないという否定的な事実は、宇宙のどこにもない」ということを言いたいのです。
宇宙に存在している現象というのは、何の意味づけもされていません。ニュートラル(中立)で冷厳なる現象があるだけ。このことをお釈迦さまは“空(くう)”と言われました。

〇「好況よし、不況さらによし」
「鳴かぬなら、それもまたよし、ホトトギス」松下幸之助翁
どんなに絶望的な状況にあっても、「それもまたよし」と肯定したとき、そこからパワーが生まれる。

肯定からしか創造力も、エネルギーも生まれない。反対に、否定からはマイナスのエネルギーしか生まれない。
『「悲劇」はすべて「否定する心」からはじまる』どんなときも、肯定から入ろう。

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