『集中力はいらない』

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森博嗣

現代の「集中力信仰」を斬る!人気作家の超・知的生産術とは?

「情報過多」というのは、案外つまらない情報が大きな割合を占めている

機械は滅多に失敗しない。コンピュータも計算ミスをしない。よほどのことがないかぎり、人間のようなうっかりミスをしない。よほどのことが起こるのは、たいてい人間が間違った設定をしたときか、機械の指示に従わなかったときくらいだ。そう考えてくると、「集中」とはすなわち、人間に機械のようになれという意味なのだ

「集中」は、好奇心が原動力だろうと思われる。面白いから集中する。楽しいから没頭する。子供は素直だから、自分の頭脳が求めるものに集中し、すぐに別のものへ移っていくのである。そんな子供に対して、大人は、同じことを続けなさい、それが「集中」というものだ、と教えるのだが、実は、もともと子供は本能の赴くままに集中していた

運動に向き不向きがあるように、頭脳の働き方にも向き不向きが当然ある「発想」には、いわゆる一つのことしか考えない「集中」が逆効果である
むしろ、別のことを考えていたり、あれもこれもと目移りしていたりするときの方が発想しやすいことを、僕は経験的に知った。
あえて言葉にすれば、「ヒントはいつも、ちょっと離れたところにある」からだ。一点を集中して見つめていては、その離れたものに気づくことができない

僕は、SNSは、大衆の感情的な情報ばかりを集めるだろう、と考えたので、そこから離れることにした
騙される人は、そのときある一点に気持ちが集中してしまい、周りが見えなくなっているからだ

思考が集中しないから、他視点な価値観を持っている。つまり、自分が少数派であれば、自分以外のグループを理解でき、立場の違う人間を尊重する気持ちが自然に芽生えるはずなのだ。これが、多数派が見逃している大事な点である。

常識というものが、そもそも多数派の価値観にすぎない、ということがある

ストックがないから枯渇しない

時間的余裕を持って完成を見たものは、それを眺めて、評価をする時間がある。これは本当はとても重要なことなのである

問題を見つけるとは、もっと簡単にいえば、どんな作品を書くのかということである。何を扱い、どこに着目するか、そして、それはどう新しいのか、という点を考える。新しさがなければ、書く意味がない

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