『影響力と説得のための革命的瞬間』

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ロバート・チャルディーニ

じつはわれわれは、何かをするよう説得される以前に、「設定」にやられていることが多いのです。最初に提示するものが、次に提示するものへの相手の受け止め方を変える
われわれがいかに自分の意志以外のところで意思決定をさせられているか、その実際がよくわかる。

・背景にふわふわした雲を置くだけでソファーに求める要素が快適さに変わる
・援助を要請し、申し出る謝礼の金額を増やすと、
 無料で頼みを聞いてくれる人が増える
・暴力的な映像を見せた後には、
 「毎年百万人以上が訪れている」のコピーが有効になる
・女子生徒が男子生徒と同じ教室で数学のテストを受けると 点数が悪くなる

夕食に払ってもよいと思う金額は、店の名前が「スタジオ97」のほうが「スタジオ17」のときよりも高くなります

ワインショップを訪れた客は、ワインを選ぶ直前に店内でドイツ語の歌が流れていると、ドイツ産のヴィンテージワインを買う確率が高くなります

目標を連想させるきっかけがあらかじめ存在する場所に身を置けば、自分自身を望ましい方向へと向かわせることができます

第二グループの75.6%の人たちが、最初の質問によって冒険心があるという自分の一面へと意識づけられた後、用心すべき状況を無視して、愚かな選択肢に考えなしに飛びついたたまたまその場で目立っているものに、過大な重要性を認める

それは、ただ、ふわふわした雲をウェブサイトのトップページの壁紙にしただけでした。この戦略が使われたサイトの訪問者たちに、ソファーに何を求めるかと尋ねると、快適さへの重要度が有意に高くなりました
雲ではなく硬貨が描かれた壁紙を表示しておいたのです。この壁紙を見た訪問者たちは価格の重要度をより高く評価し、サイト内検索でも主に価格に関する情報を調べ、購入したいソファーとして値段の張らないものを選びました

注目されるものが原因だと見なされるドレッド・リスクというものがあります。これは、見た目ほどの危険がない何かを、たまたまそれに注目したばかりに非常に恐ろしく感じてしまい、その害を避けようとして、かえってリスクの大きい行動をとってしまうこと


身の危険に注意が向いていると、人は群集に交じりたいと感じる
色恋の話に注意が向いていると、群集から離れたいと感じる

ある重要な結果を知らないままでいると、「人はそれ以外のことをほとんど考えられない」

深夜に流すとCMの効果が高くなるのです。長い一日の終わりには、視聴者にCMの示す感情的誘因(感じの良い司会者、熱狂的なスタジオ観覧者たち、どんどん減っていく商品の在庫数など)に抵抗するだけの、精神的エネルギーが残っていないのです

他人を好ましく思うのに最も効果的な関係性は、「おっ、あの人は自分たちと似ているぞ」といったものではありません。「おっ、あの人たちは自分たちの身内だ」という関係です

説得そのものではなく、説得を行う状況や設定に注意を向けると、意思決定の裏側にある意外な「真実」が見えてくる…。

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