『マーケティングとは「組織革命」である。』

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森岡毅
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を奇跡のV字回復に導いた天才マーケター。

60点の人間に90点を取らせる組織…。それは多くの人生を豊かにします

商品開発は何を行っているのか? 彼らは魚(消費者)を食い付かせるための“エサ(商品)”を開発しています。「魅力的なエサ」は魚を釣るために最重要ですから、商品開発はマーケティング・システムにとって最重要機能だとご理解いただけると思います

鎖の一部分だけを診ても問題の本質はわかりません。しかし一連の機能の繋がりとして診れば、ある部分とある部分の相対的な生産性の比較が可能になり、目的に対して組織の生産性を低く制限してしまっている「ボトルネック」が見えてくる
人体組織から我々が学ぶべき重要なヒントの一つは、各臓器が「上下関係」ではなくて、明確な役割による「共依存関係」で繋がっていること

召使い行動をさせられる側(女性)と、させる側(男性)の間に、長年にわたって上限関係が刷り込まれていきます
そのような毎日を繰り返した女性が、5年経って、10年経って、並み居る男性たちに向かって自分の意見を堂々と主張できるプロに育つでしょうか? 逆に男性達は女性の意見を傾聴できるプロに育つでしょうか? 私はそう思わないのです

「個」の自己保存にとって「群れ」は手段です。「群れ」の成功が「個」の自己保存にとって顕著なメリットがあるのであれば、個は群れを成功させようとします

相対評価に欠かせないのが「評価プール」です。評価プールとは、同じグループとして1番から最下位まで順位付けされる際のライバルとなる個人の束のことです。
良い評価プールを設定する原則は、3つです。
(1)1つのプールに一定数以上の大きさを持たせること
(2)競合させる年次やグレードとして似通った人を集めること
(3)できれば職能も似通った人でプールを構成すること

私が考える報酬の原則は、Pay For Performanceの他にも、Pay For Priceがあります。職能に応じた市場価格をベンチマークにして人が辞めないように報酬を支払うというものです

私がかつてハリー・ポッターの提案を通した際にも、プライスレスな価値を感じさせる“感情系便益”には腐心しました。例えば、負け続けることに慣れてしまった多くの人に対しては、心の奥底の種火に火を付けるべく、「このプロジェクトは、子供だけでなく、孫にも曾孫にも自慢できる仕事になる!」と熱く語りました

私は「データ主義の経営者」とよくいわれましたが、最も重要なのは新しい仮説を発想することですね(鈴木敏文氏)

太陽光線が虫眼鏡を使って1点に集中させないと発火しないのと同じで、ターゲットはギュッと絞る(秋元康氏)

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『世界史を動かした脳の病気』

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小長谷正明

最近、優秀な経営者やコンサルタントと話していて気づいたのは、彼らの多くがリーダーを評価する際、「顔の表情」を見ているということ。見ているのは、「面構えがいい」とか美形かどうかではありません。「正しい判断を下せる健康状態かどうか」を見ているのです。残念ながら、優れたリーダーが、いつまでも優れたリーダーであり続けるわけではありません。多くのリーダーがいつか衰え、あるいは病気を患い、判断を間違う。しかしながら、彼らは持ち前のカリスマ性により、実権を握り続けてしまう。そこから悲劇が起こるのです。

認知症により、ヒトラーに政権を奪われたヒンデンブルク、おそらく脳腫瘍の影響で判断を誤ったイギリス海軍トップのダドリー・パウンド、ヤルタ会談でスターリンの言うなりになってしまったフランクリン・ルーズヴェルト大統領の高血圧症…。なるほど、脳の病気が歴史を変えた、というのはあながち大げさな話ではなさそうです。

ジャンヌ・ダルクもドストエフスキーも側頭葉てんかんと考えられる。敬虔なキリスト教徒であった少女、ジャンヌ・ダルクは教会の鐘の音で神秘体験をし、フランスへ行けという神の声を聞いた。同じように、いつも神を意識していたドストエフスキーも鐘の音で発作が始まり、ついで宗教的な内容の幻覚と高揚感が発現したのだ

20世紀の世界でも、最高権力者の失語症は歴史の流れに強い影響を与えている。レーニンは念願だったロシア革命後数年で、失語症と右片マヒを伴う一過性脳虚血発作を繰り返した後、本格的に言葉と体の動きを失ってしまった。すると、スターリンがレーニンを追い落とし、反対派を粛清して権力を握った。そして、ソビエト連邦は“労働者の天国”のスローガンとは裏腹の圧政国家になってしまった

チョコレートや、赤ワイン、チーズなどが片頭痛発作をもたらすともいう

すでに、ヒンデンブルクは知的能力の低下が明らかで、義務感も低下しており、国防軍のナチ化やジュネーブの国際連盟からの脱退などの重要なポイントでは、準備された書類に言われるがままに署名していた
ウィンストン・チャーチル首相は夜型で、昼前に起きて深夜の2時か3時まで働いていた。そして、自分の1日の終わり、まさに草木も眠る丑三つ時に、海軍本部に泊まり込んでいるパウンド元帥に電話をかけ、情勢判断や戦略を協議し、指示を出していた。チャーチルは人並み以上のヴァイタリティの持ち主であったし、すぐに熟睡できる特性があった。が、パウンド元帥は慢性的な寝不足となってしまっていた

東西陣営の対立が激しかった冷戦時代には、ヤルタ会談でスターリンの言うなりだったルーズヴェルトは、史上最低のアメリカ大統領だったという声もあった。降圧剤で彼の高血圧が治療できていたなら、第二次世界大戦後の世界秩序を決定づけたヤルタ会談の中身が変わり、東西ヨーロッパを分断した鉄のカーテンや、今なお日露間の懸案となっている北方領土問題も起こらなかったかもしれないのだという

政治家に多いA型性格は脳の血管障害を起こしやすい

ブレジネフは太り気味で糖尿病があり、ヘビー・スモーカー、大酒飲み、それに睡眠薬を常用していた。これらは明らかに健康に良くない。1973年頃から、知的機能の低下が出てきたと言われている。ブレジネフのふるまいは、彼の地位と場にそぐわないものであり、抑制が外れていて(脱抑制)、多幸症的な傾向があったようだ。おそらく、前頭葉の問題だ

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