No.2の役割

Pocket

究和エンタープライズコンコード・人事コンサルタント井上 健一郎

トップとNo.2の取り合わせにはいろんなパターンがあります。社長のキャラクターを全面的に押し出すパターンやあるいは左脳型のトップだったら右脳型のNo.2がいいだろうし。どういうパターンであれトップとNo.2、両方がいることで2倍じゃなく、2.5倍、3倍になるようなそういう取り合わせがいいと思います。

たまに、左脳型でも右脳型でもあるバランスの良いトップがいて現場でも動いていたりしますがトップは現場にいてはダメです!バランスが取れているのはいいことですが現場への指示はNo.2に話No.2がフォローするべき。トップが現場まで話を降ろしてしまったらNo.2は必要ないですよね?
!No.2が【翻訳者】であるというのはそういう意味なんです。組織におけるトップの役割は経営をすること。No.2も経営をサポートしますが中小企業においては、それに加えて現場がしっかり動くようにしておくのがNo.2の役割。

逆に、もしNo.2がすばらしい経営アイデアをぶつけてそれやろうよ!ってなったとしたらその発表はトップにさせるべき。場合によっては事業発表会の原稿をNo.2が書いてトップが読んだって、悪くない。役割としてはマルです。

No.2は、ひとりに任せるのではなく組織であってもいいです。それが「経営企画室」という組織。その場合、経営企画室長がNo.2となるわけですが実務はスタッフが行います。では、経営企画室のような組織に任せるか、その決断のタイミングとは?
やはり、会社の規模が大きくなってきたとか、戦略的な部分が重要になってきたとか、会社として、次のステージに向けて動き始めなきゃってことがでてきたとか。そういうことがでてきたら人で補うのか、組織で補うのかを判断しなきゃいけない。
ただ、経営企画室をつくるときにひとつ注意すべきことがあります。特に中小企業なのですが「現場を知らないやつが何を言ってるんだ」っていうムードが起こりやすいんです。だから、経営企画室というよりはアイデアを出し合うようなプロジェクト型で船出したほうがいいかな。また、経営企画室をつくるとき現場でいちばんの人材を引き抜くわけにはいかない場合は2~3番目の人を抜擢するのも手ですね。

会社のありとあらゆる現場を知っていていろんな部署に行って、全社員と話せる人。そういう人は本来、管理部門で育てたい人材なんですよね。そういう役割を持ってNo.2のポジションにいる人もいます。現場から信頼され新規事業に人材を投じたいときは「彼がいいんじゃないですか?」とトップに助言もできる。トップ、No.2、そして現場を知る優秀な管理部門の人間と現場を支える優秀なスタッフが2~3人。本来は、そういう組織の構造が強いんです。

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

Pocket

No.2の選び方

Pocket

究和エンタープライズコンコード・人事コンサルタント井上 健一郎

トップに立つ人が自分の右腕となるNo.2を選ぶなら?有事、平時と言いますが【有事】のときこそNo.2にふさわしい人物を見極めるチャンスです。基準は何か問題やトラブルが起こったときまたは難しい案件に直面したときにどういう行動をとるか。【初動】が早くしっかりとした【時間意識】があって途中で「無理かもしれません」なんてこともしっかりと言えるかどうか。そういうところを見極めるといいですね。

あえて有事に放り込んでみるというのも1つの手段。修羅場体験をさせていま言ったような点を見極めてみるのもアリでしょう。例えば、【重みのある仕事】や【難易度の高い仕事】を積極的に振ってみる。社内において大きなクライアントの責任者をやらせるとか…。社長に代わってトップ営業をやらせるとか…。
売上やトラブル解決など会社に大きくかかわる意思決定をさせてみましょう。修羅場体験を通ると自分の身をそこに投じることができる人は【覚悟】をつくっていくんですよね。要は、不安を乗り越えるということだから不安を経験してこそ覚悟ができ上がるのです。

No.2ともなると、その覚悟とは事業が失敗して収入が途絶えるくらいの覚悟が必要かな。自分の私財を投げ打ってでもすべてを捧げる…(そこまでしなくてもいいけれど気持ちとしては!)…それだけ責任を持つという覚悟が備わっているかどうか。それも見極めたいですね。なぜなら、トップとNo.2は本当の意味で言えば生死を共にするような感覚。

ただトップ(自分)との相性は重要でしょう。向かっている方向に対して同じような感覚、センスを持っているか?そこは、見極めたいところ。その人がいることでトップが精神的に安心感を持てるような物事の捉え方が似ている人がいいですよね。
さらに自分と相性が合わなくても【意欲】【意識】【思考】の3セットにポテンシャルが感じられたとしたら?それはそれでNo.2に匹敵するポジションに抜擢していいのではないかと思います。
精神面だけでむしろ、機能が伴わないNo.2ならやめておいたほうがいいでしょう。そうやって自分の右腕、No.2を見極められたら強い組織は必ずできます。

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

Pocket