山田光彦
マーケティングの世界では、広告を作る時、 顧客を絞って書くのが、とても効果的な方法だ。 顧客を絞ると、売上が下がる?? 顧客を絞ると、顧客が減って売上が下がるんじゃないか、 と思ってしまうのが普通です。
でも、実際はまったくの逆。 例外はありますが、顧客を絞れば売上が上がる方が多い。 というのも、顧客を絞り込んで広告でアピールすれば、 その絞り込んだ分野に関しては、他の商品よりも、あなたの商品の方が優れている、と顧客は自然と感じるようになるからです。
たとえば、単なる「しょうゆ」と「卵かけごはん専用しょうゆ」。
この2つが横に並んでいたら、卵かけごはんをするなら 「卵かけごはん専用しょうゆ」の方がいいだろう、って普通思いますよね。 これが顧客を絞り込むことで、 競合がいても、あなたの商品が選んでもらえる理由です。 (競合がいない時には、絞り込む必要はありません。 顧客には、あなたしか選択肢はありませんから)
でも、顧客を絞り込むことで得られる効果は、これだけではありません…
顧客を絞り込むもう1つの効果は、いい顧客ばかり集まるという事です。
僕は自分で法律関係の事務所をやっていたとき、 借金問題を解決する仕事を業務の1つとしてやってました。 その依頼者を広告で集める時、顧客を絞り込んだ広告を出していたんです。
具体的にはタウンページの広告に「クレジットカード会社から借り入れがある方へ」と いう言葉を入れました。 なぜ、こういう絞り込みにしたのかというと、僕にとっていい依頼者を集めるためです。 どういう事かと言うと、僕が仕事をやったことで、 すごく感謝してくれる人もいれば、 あんまり感謝してくれない人。大きな利益をもたらしてくれる人。そうでない人。いろいろな人がいました。
たくさんの人から仕事の依頼を受けたことで、 僕は、感謝してくれる人や大きな利益をもたらしてくれる人に、 ある傾向があることが分かってきたんです。
それは、借金で困っている方の中でも、 クレジットカード会社から、お金を借りている人が、感謝をしてくれる上に、大きな利益をもたらしてくれることが多い、ということです。
なので、僕は「クレジットカード会社から借り入れがある方へ」 という言葉を広告に入れました。 その結果、すごく感謝もしてくれる上に、利益も大きいお客さんが増えて、 売上が伸びたことを覚えています。
そういえば、この話を以前どこかでしたときに 「借金している人の多くはクレジットカードで借りているから、 その絞り込みは意味ないんじゃないですか?」 そんな質問をもらった事があります。 でも、意味がないということはありません。むしろ、とてもうまくいっています。
なぜなら、顧客の絞り込みをする理由の1つは競合ではなく、 顧客に僕を選んでもらうこと。そう考えると、 クレジットカードで借りている人が多くいるのに、 僕の広告を見て、その人たちが「自分にピッタリのところはここだ!」と思ってくれたなら、めちゃくちゃうまく行きますよね。 (でも、これは当時の競合が、あまりマーケティングを 積極的にやっていなかったからできた事ですが)。
しかも、集まってきてくれるお客さんは、 僕が仕事を受けたいと思えるような人が大幅に増えました。 あなたの会社に集まってきて欲しい顧客はどんな人でしょう? とても感謝してくれる人は、どんなタイプ?利益が大きな顧客は? そんなお客さんを増やすために、 もう少し顧客を絞ってみては、どうでしょうか?
エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より