小売業に光明

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電子商取引(EC)のおかげで、先が無いと思われていた小売業。
これが一部の都市で、暗闇から抜け出す兆しを見せている。

消費者の9割が価格の比較、商品情報の入手、ユーザー評価の確認にスマートフォンを使う現在。スマホは、強力なデータツールとなった。

小売業者はプッシュ型情報発信などで顧客とのつながりを強められる。
顧客は、自分のニーズに応える小売り業態を求めている。消費体験して、多くの楽しみが味わえる消費が今後の標準となる。

東京・銀座の「ギンザシックス」森美術館の監修の下、前衛芸術家・草間彌生のトレードマーク、カボチャのインスタレーションが吹き抜けを飾る。
美術書専門の蔦谷書店は、能楽堂やデジタルアート集団「チームラボ」によるデジタルインスタレーション作品だ。

小売業は、絶え間なく変化している。それらが終わる事は無い。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「顧客を切る、勇気ある?」

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 山田光彦

マーケティングの世界では、広告を作る時、 顧客を絞って書くのが、とても効果的な方法だ。 顧客を絞ると、売上が下がる?? 顧客を絞ると、顧客が減って売上が下がるんじゃないか、 と思ってしまうのが普通です。
でも、実際はまったくの逆。 例外はありますが、顧客を絞れば売上が上がる方が多い。 というのも、顧客を絞り込んで広告でアピールすれば、 その絞り込んだ分野に関しては、他の商品よりも、あなたの商品の方が優れている、と顧客は自然と感じるようになるからです。

たとえば、単なる「しょうゆ」と「卵かけごはん専用しょうゆ」。
この2つが横に並んでいたら、卵かけごはんをするなら 「卵かけごはん専用しょうゆ」の方がいいだろう、って普通思いますよね。 これが顧客を絞り込むことで、 競合がいても、あなたの商品が選んでもらえる理由です。 (競合がいない時には、絞り込む必要はありません。 顧客には、あなたしか選択肢はありませんから)

でも、顧客を絞り込むことで得られる効果は、これだけではありません…
顧客を絞り込むもう1つの効果は、いい顧客ばかり集まるという事です。
僕は自分で法律関係の事務所をやっていたとき、 借金問題を解決する仕事を業務の1つとしてやってました。 その依頼者を広告で集める時、顧客を絞り込んだ広告を出していたんです。
具体的にはタウンページの広告に「クレジットカード会社から借り入れがある方へ」と いう言葉を入れました。 なぜ、こういう絞り込みにしたのかというと、僕にとっていい依頼者を集めるためです。 どういう事かと言うと、僕が仕事をやったことで、 すごく感謝してくれる人もいれば、 あんまり感謝してくれない人。大きな利益をもたらしてくれる人。そうでない人。いろいろな人がいました。
たくさんの人から仕事の依頼を受けたことで、 僕は、感謝してくれる人や大きな利益をもたらしてくれる人に、 ある傾向があることが分かってきたんです。
それは、借金で困っている方の中でも、 クレジットカード会社から、お金を借りている人が、感謝をしてくれる上に、大きな利益をもたらしてくれることが多い、ということです。
なので、僕は「クレジットカード会社から借り入れがある方へ」 という言葉を広告に入れました。 その結果、すごく感謝もしてくれる上に、利益も大きいお客さんが増えて、 売上が伸びたことを覚えています。

そういえば、この話を以前どこかでしたときに 「借金している人の多くはクレジットカードで借りているから、 その絞り込みは意味ないんじゃないですか?」 そんな質問をもらった事があります。 でも、意味がないということはありません。むしろ、とてもうまくいっています。
なぜなら、顧客の絞り込みをする理由の1つは競合ではなく、 顧客に僕を選んでもらうこと。そう考えると、 クレジットカードで借りている人が多くいるのに、 僕の広告を見て、その人たちが「自分にピッタリのところはここだ!」と思ってくれたなら、めちゃくちゃうまく行きますよね。 (でも、これは当時の競合が、あまりマーケティングを 積極的にやっていなかったからできた事ですが)。

しかも、集まってきてくれるお客さんは、 僕が仕事を受けたいと思えるような人が大幅に増えました。 あなたの会社に集まってきて欲しい顧客はどんな人でしょう? とても感謝してくれる人は、どんなタイプ?利益が大きな顧客は? そんなお客さんを増やすために、 もう少し顧客を絞ってみては、どうでしょうか?

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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デザイン思考の経営

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奥出直人

ゼネラル・エレクトリックが、シリコンバレーのスタートアップ企業を参考にして、社内の仕事の進め方を見直した。
そして、90日でアプリケーションを開発できるFastWorksを導入した。

最初に、実用上最小限の機能を持つ試作品を作り、顧客の意見を取り入れて修正するサイクルを素早く何度も繰り返して開発する。この方法により、製品化の決定から提供まで、通常なら1年以上かかるプロセスを、3か月に縮小できた。

こうした短期間での開発を可能にしたのがソトウェアの内製化だ。製品の開発は、社内の顧客経験部門と協力して行われる。このデザインセンターでは、デザイン思考の方法論に基づいて、GEと顧客企業の担当者が日常の職場から離れ、短期間に集中的に議論し、課題を解決するアイデアを協力して生み出す。

このように従来型の製造業から、顧客の目的を完遂するためのサービスを提供するビジネスに転換したGEの代表的な成功事例にジェットエンジンがある。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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新しいビジネス用語

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〇大変恐縮ではございますが
これから図々しいことをお願いしますが

〇ムリクリ
無理やりよりも、もっと無理。無理の最上級型。

〇ズブズブ
言いなり

〇一度、御挨拶に
挨拶が目的で来る人はいない。

〇近くまで寄ったので
立ち寄るために、近くまで来た。
ノーアポの言い訳。

〇今度、ゆっくり
当分、時間は取れないよ

〇自慢じゃないが
これから自慢するけれど

〇ほぼほぼ
100%ではないが「ほぼ100%」よりも100%に近い

〇まあまあまあまあ
不都合をうやむやにして、先へ進もうとする時の枕詞。

〇現地集合
嫌いな上司と一緒に過ごしたくない時の移動方法。

〇現地解散
嫌いな上司と一緒に過ごしたくない時の移動方法。
その2
解散後、上司には内緒で再度、集合する時もある。

〇ゼネラリスト
あちこちと、たらい回しにされているうちに、
部長しかできなくなった人。

〇スペシャリスト
1つの道を究めた結果、
偏ってしまい、他の部署へ移動できなくなった人。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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グローバリズムの終焉

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G7の多くが自国の利益を最優先する自国ファーストの道を歩み始めている。大航海時代から、列強国は国境を越えて海外から資本を収集した。民主主義と資本主義が相互に補完し、生産効率を上げれたのはオイルショックまでだ。

今では、全世界の成長が止まり、民主主義と資本主義の両立ができなくなった。これは、グローバリゼーションの限界だ。安く仕入れて高く売る資本主義国は、次々と海外の未開拓地へ市場を広げた。ところが現在は、地球上に未開拓の地域を見つけることは、不可能になってきた。

中国、インドなどの新興国には、経済成長の余地がありそうだが、そうは簡単にいかない。日本の高度経済成長期とは、事情が違う。日本の高度経済成長期には、海外に市場があった。日本の7~8倍の人口を持つ輸出相手国があり、高く売れる相手が多数存在した。

しかし、現在は、どの国を見回してもモノが溢れている。新興国が市場を開拓しようとしても、市場は、もう飽和状態である。グローバル化の限界が見え、これ以上の拡大成長は見込めない。
そのために、各国は保護主義色を強め、ウチに閉じこもろうとしている。好む好まないに関わらず、世界が自国ファーストへと向かう潮流は止まらない。
ところが、アベノミクスだけが、まだグローバリズムに囚われていた。遅れてまんな。未だに

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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日本の大手企業の弱点

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環境の変動に対しては無理にあらがうよりも、ルールや査定方法を決めてしまって早めに対応するほうがいい。
それなのに日本企業では、調達担当者が上司に相談するために多数の資料を作成し、上司をいちから説得しなければならない。
上司は、さらに上の本部長や執行役員に資料を作成して言い訳せねばならず、それに時間がかかって対応が遅れる。

バッテリーの例のように、環境変動への対応をテスラは経営課題、リスクマネジメントとして取り組み断行した。
日本企業では企業間で「どうにかならないか」「対応策を考えます」といった茶番が繰り返され、時間だけが過ぎていく。
ひどい場合には、現場レベルで解決すべきものと思っているマネジメント層もいる。
「対応策が結局見つかりませんでした」と社内報告が上がってくる頃には、既に手遅れになってしまう

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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空気を読む

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ロバート・キャンベル、国文学研究資料館館長

山本七平「空気の研究」
空気は、一つの絶対の権威の如くに至る所に顔を出して、驚くべき力を振るっていた。人ではなく、いろんな場面で空気が最終決定者になっている。
日本の作家は、昔から雲が大好きだ。
幸田露伴の「雲のいろいろ」は、雲の種類から、好い雲に出会えるコツや場所まで教えてくれる優雅な雲案内になっている。

江戸時代の儒学者も、折々に書生たちを塾から連れ出し、山に連れて行ったものである。高い所から雲が変幻自在に形を変えるのを見て、思い思いのイメージで作文する事も多かったという。
一緒に同じ雲を見上げながら、側の人とは、まるで違う形を想像し、最後に文章を読み上げ共有するという遊びにも似た学習法があった。

「空気が読めない」人は、どちらかと言えば、一片の雲を、皆と同じ格好として思い描き、表現する事をしない。あるいは、出来ない人の事を言う。
忙しい日々に、その場の雰囲気に浸り、自分を同調するスキルも必要かもしれないが、勿体ないような気がする。
昔の人は、その雲を見ながら、恵の雨をもたらす雲か、それとも空しく雲散霧消するものかを同時に考えていたはずである。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ』

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小川仁志 

話の面白さというのは、本質的にはその「中身」にある訳で、そこが面白くないことには、どうしようもありません。
会社を成功させた経営者は、話し方こそたどたどしいけれど、どの方も、話がべらぼうに面白いのです。今必要なのは、言葉を吟味する訓練 哲学していない言葉は相手に伝わらない

〇ソクラテスの姿勢から学ぶこと
・知ったかぶりをしない。無知の知を貫く勇気を持つこと
・対話のなかで真理に到達していくという方法を信じること  
当時、プロイセンでは私講師といって、学生が各々お金を払って講師を雇い、授業を受ける仕組みがありました。したがって、人気があればあるほど収入も増えるわけですが、ヘーゲルは教室をあふれさせるほどの人気講師でした。
「本当はこうだぜ」「本音はこうだぜ」実は、これが人気の秘密でした。普通なら主著となっている本を読み上げるだけでも講義は成り立ちます。
しかし、その場その場、時代状況に合わせて本音を語っては、学生たちを魅了していったのです。生の講義でしか聞けない「ここだけの話」だからこそ、みんなが聞きにやってきたわけです  

私たちがサルトルに学ぶべきなのは、まさに次のひと言につきます。 「人に物を伝えるときには、生き方そのもので表現すること」
最初に質問することで「全員参加ですよ」というニュアンスを出す
一見ネガティブな表現をプラスの方向で使うと、そこに意外性が生まれます。
意外性は言葉に力を与え、そのメッセージは相手に伝わりやすくなっていくのです
人に話を聞かせるためには、「ハッ」とさせる瞬間が必要
相手に物事を伝えたいという状況下では、主体や客体を、はっきりとさせた表現を心がけるべき
話を迷子にさせないためには、自分の立場を明確にすること。つまり、自分の下部構造を知ることです
物事はカテゴライズすることで分類され、整理され、理解しやすくなります 「メリハリ」と「クライマックス」を用意する ときには「無」のほうが雄弁になりうる

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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勤勉だが受け身の日本人

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太田肇、同志社大学教授

年次有給休暇は他国では100%近く捨得されている。厚生労働省の調査によると、日本人は48.7%と半分も取得していない。
また、非正社員を除く一般労働者の平均年間総労働時間は2026時間と主要国の中では突出して長い。これらの数字を見る限り、日本人は、相変わらず勤勉そうだ。

ところが、ワーク・エンゲージメント(仕事に対する熱意)の調査を見ると、日本人の仕事への熱意は最も低い水準にあった。
日本人の仕事に対する受け身で消極的な姿が浮かび上がる。労働生産性の国際比較を見ると、日本は1990年代に順位が低下し始め、92年以降は主要7か国の中では最下位が続いている。

最も高い米国に比べると6割強しかなく、その差は拡大傾向にある。国際競争力も、92年の1位から急低下し、現在も浮上の気配は見えない。
日本の順位が下落した時期は、IT革命が起き、ソフト化、グローバル化が進行した時期と重なる。
経営環境の変化によって社員に求められる意欲・能力は大きく変わった。日本企業の特徴である集団的なマネジメントと、勤勉だが受け身の働き方は通用しなくなっている。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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共感しねぎらう事から

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早樫一男、臨床心理士

人間には、理性と共に、感情や情緒がある。成長・発達に合わせて豊かになって行く感情は、人間関係を育んでいく上で、無くてはならないものだ。中でも重要なのは、他者の心情を思いやる事が出来る共感能力だ。共感は、他者に寄り添う事にも繋がる。だから、カウンセリングや相談の場面ではまず、相手の思いに共感する事が強調される。

また、子育てにおいても、子供の気持ちに共感する事は重要だ。嬉しい時には、「よかったね」「嬉しかったね」、悲しい事に出会ったら「つらかったね」「泣きたくなったね」などの言葉を、そっとかける。悲しい時には何も言わず、静かに傍にいるのもいい。

ところで、感情という心の働きがあるからといって、自己中心的で感情的になり過ぎるのは好ましくない。冷静さも必要だが、感情が無いかのように冷たい人であるのも好ましくない
何事も「ほどほどに」「バランス良く」というのが適度な人間関係を築いていく秘訣だ。

自己中心的な感情表現ではなく、「辛い中、ここまで頑張って来られましたね」「よく話してくださいました」といった他者を思いやる共感的な言葉を通して、相手にぬくもりが伝わる。家族関係や人間関係が複雑化、混迷化する社会の中で子供も大人も心が疲れる毎日を過ごしている。
心は、氷の様に冷たく硬くなっている。そのような中だからこそ、「ぬくもり」が感じられる心遣いのできる人に会うと、心が休まるのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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