共感しねぎらう事から

Pocket

早樫一男、臨床心理士

人間には、理性と共に、感情や情緒がある。成長・発達に合わせて豊かになって行く感情は、人間関係を育んでいく上で、無くてはならないものだ。中でも重要なのは、他者の心情を思いやる事が出来る共感能力だ。共感は、他者に寄り添う事にも繋がる。だから、カウンセリングや相談の場面ではまず、相手の思いに共感する事が強調される。

また、子育てにおいても、子供の気持ちに共感する事は重要だ。嬉しい時には、「よかったね」「嬉しかったね」、悲しい事に出会ったら「つらかったね」「泣きたくなったね」などの言葉を、そっとかける。悲しい時には何も言わず、静かに傍にいるのもいい。

ところで、感情という心の働きがあるからといって、自己中心的で感情的になり過ぎるのは好ましくない。冷静さも必要だが、感情が無いかのように冷たい人であるのも好ましくない
何事も「ほどほどに」「バランス良く」というのが適度な人間関係を築いていく秘訣だ。

自己中心的な感情表現ではなく、「辛い中、ここまで頑張って来られましたね」「よく話してくださいました」といった他者を思いやる共感的な言葉を通して、相手にぬくもりが伝わる。家族関係や人間関係が複雑化、混迷化する社会の中で子供も大人も心が疲れる毎日を過ごしている。
心は、氷の様に冷たく硬くなっている。そのような中だからこそ、「ぬくもり」が感じられる心遣いのできる人に会うと、心が休まるのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

Pocket