『前向きに生きるなんてばかばかしい』

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黒川伊保子3

0代は失敗適齢期、40代は幸せ期、50代半ばは脳の完成期

少し前まで、外国語教育は早いほどいいと言われたが、最近になって、早期外国語教育を受けた子の理系の成績が、そうでない子に比較して伸び悩む傾向にある。脳科学的には想定内だ。

脳は、全方位に才能を伸ばすことはできない。言語能力に使う信号は、空間認知力に使う信号とはモデルが違う
一人でオールマイティを生きる必要はない。だって脳は、インタラクティブ(相互作用)を求めて生きているのだから。「自分がいなければ生きていけない存在」と人生を紡いでいくことは、最高のインタラクティブでしょう

自然体で生きる。好奇心に駆られてがむしゃらに走ることはあっても、前向きだから努力するという考え方はしない。
本人はただ遊んでいるだけ。なのに、その「遊び」が限界を超えて究極を作り出し、どこまでも高みへ行ってしまう。それこそが、人類の脳の理想形なのだ

右脳が、その豊かな世界観を創生するには、感じたことを言葉や記号にしないまま、ぼんやりとする時間が必要不可欠だ。さらに、その裏側で、左脳のすみずみにまで信号が行き渡ると、世界観が理念になっていく

「輝かしい自分」を思い描き、成功を信じて邁進するポジティブ思考は、脳科学的にお勧めできない。
顕在意識が目指すイメージがその脳に合っている可能性は、意外に低いからだ。脳の特性に合わないものを目指しても、人は一流にはなれない
「夢語り」はしてはいけない。夢語りは、自分を素敵に見せるためにすることだ

「自分」にスポットライトを当てるのはとても危ない。自分が世界観の真ん中だと、自分の失敗が世界の崩壊になってしまう
他人本意の人(プロフェッショナリティや顧客にスポットライトを当てる人)は、生きるのが楽なのである。自分を責めなくてすみ、カッコつけなくていいからだ

人は、愛されるか、憧れられるか、そのいずれかを選択せざるをえない。人間の脳の構造上、どちらもは追えない。愛されて、素敵な私になり、輝かしいキャリアを手に入れる人生か、信念のために愛する者にも苦言も呈し、どこまでも突き進む人生か。
前者を選んだならば、どこかで身の程を知る必要があり、後者を選んだならば、自己責任で、どこまでもいけばいい

「年よりずっと若く見えるなんてばかばかしい」
「友人がたくさんいるなんてばかばかしい
」「男子は夢や目標よりもテストステロン」
「脳のピークは56歳」

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