他社の真似は会社を滅ぼす

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丸田芳郎、花王石鹸社長

同業の他の会社を意識して競争しちゃいかん。そうすると、宣伝1つにしても、必ず足を踏み外す。隣が何をしようと、最後の判断は消費者の方々がするんだ。競争が激しいと、つい隣の事が気になる。だから、そこを注意している。
我々がやるべき事は、研究態度をオーソドックスにすること。コストを下げるには、何と何をどうすればいいのか。パフォーマンスを上げるにはどうしたらいいか。そういった要素を、1つ1つ時間を掛けて積み上げて行く。製品を2年に1度マイナーチェンジするのも、そんな考えから出ている。

絶対に、人の真似をした商品を出しちゃいかん。分析技術がウチは優れているからといって、他の製品を持って来て、分析し真似して作る。それを広告の力で売る。あるいは、真似した製品を、より安い価格で売る。そんなことは、絶対にしてはならない。
トップが、社員にそんな事を教えたら、その会社は、そこから没落していく。そこには、文化も進歩も無い。次に出る製品は、前のモノよりも消費者に対してベネフィットがあってこそ新しく出る意義がある。それなのに、全くベネフィットの無いモノを広告の力とか価格の差で売るということは、資本主義の一番の欠点になるだろう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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