『「分かりあえない」を越える』

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マーシャル・B・ローゼンバーグ

我々はつい、他者に対しても自分に対しても、「正しい/正しくない」というモノサシを当ててしまいがちですが、それが暴力を生む。我々はつい、正論をふりかざしてしまう生き物なのです。
暴力が蔓延している原因は、私たちの本質ではなく、私たちの受けた教育にある私たちは、他者を道徳的な判断・決めつけで捉えるように教育を受けています。意識のなかに、「正しい」「間違っている」「よい」「悪い」「利己的」「利他的」「テロリスト」「正義の味方」といった言葉が染みついているのです。
しかも、そうした決めつけは、自分が何に「値するか」という正義の概念とつながっています。悪いことをした人は罰を受けるのに値する、よいことをした人は報酬を得るのに値する、という具合に
実践すべきことは、コミュニケーションの重点や、注意の焦点や、意識を向ける方向を、「私たちの内面で何が息づいているか」と「人生をより素晴らしいものにする為に何ができるのか?」に置き続けることだけ
感情表現の語彙を身につけることは重要です。その語彙とは、自分のなかで息づいているものを端的に示すような言葉であって、決して他者を解釈する言葉ではありません
NVCでは、「行動を促す肯定的な言葉」でリクエストすることを提案します。つまり、相手に伝える際は、「してほしくないこと」「するのをやめてほしいこと」ではなくて、「してほしいこと」として肯定形の言葉を使う「ええ、さっきお話ししましたよね。私はあの子に自分の部屋をきれいにしてほしいって」「惜しい、もう一息。行動を促す言葉を使う必要があります。『きれいに』はあいまいすぎます。こちらのリクエストを伝えるためには、具体的な行動を示しましょう」
そこで、この母親が最終的にたどりついたのは、「ベッドメイキングをしてほしい」「洗濯物は(床に放置しないで)洗濯機に入れてほしい」「自室に持ちこんだ食器はキッチンに戻してほしい」という表現でした
効果的な社会変化をもたらすためには、その構造の内部にいる人を敵として見なさないようなつながりを、相手とつくることが必要
相手を責めない。自分も責めない。ポジティブな人間関係と人生を生む、素晴らしいコミュニケーション手法ですね。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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