日経産業新聞の「行動経済学を学ぼう」のコーナーから。
自分自身でハンディキャップを設定することを
「セルフハンディキャップ」という。
通常ハンディキャップの設定は全員が合意して成立。
でも、セルフハンディキャップは
自分だけで決めてしまうもの。
ある銀行頭取から「銀行員の勤務時間が長くなっている。
その理由を解明してほしい」という依頼があった。
調査すると平均勤務終了時刻が20時から23時に延びている。
もうひとつやっかいなことに
勤務終了時刻が遅くなっているのに収益が30%ほど下落。
従業員と個別に話をすると原因が見えてきた。
さて、何でしょう・・・・
まず、銀行収益が不況の影響で減少し始めた。
そこで若手5人が選抜され業務改善に取組んだ。
彼らは20時の通常業務終了後に
23時ごろまで改善策を検討した。
改善策の命令を受けたのは若手だけ。
ところが他の従業員や彼らの上司も
次第に遅くまで働くようになった。
気付くと皆が23時ごろまで勤務し続けるようになった。
若手5人は収益増加のために深夜まで頑張っている。
一方他の従業員は自分は何もできていないと考える。
ここに罪の意識すなわち
「若手5人のがんばりについていけない」という
セルフハンディキャップが生まれる。
ついていけないのは悔しい。
自分ががんばっていないといないと思われるのは嫌だ。
そこでがんばっているように見せるためだけに
遅くまで会社に残る。
このセルフハンディキャップには全く意味がない。
この状況を理解した若手は頭取に業務改善のための活動時刻を
20時~23時から15時~18時に変えることの了承を得た。
すると他の従業員の業務終了時刻も18時になった。
肝心の収益も30%上昇。
無理に働くとセルフハンディキャップが生じる。
適切に働くとやる気が増すということだろう。
エンジンオイルのOEMには、無縁なことですな。
でも、気をつけねば・・