同窓会で久しぶりに会った友達について思う

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人間関係というのは、これまでのいちばん良かったときの
関係性をベースに考えてしまう。
昔からの友達なら、これまでの長い関係性のなかでも、
いちばん仲が良かったときのことを念頭に、
付き合いを続けている。

若ければ若いほど、人間関係も短い期間でしかない。
年齢を重ねてくると、いちばん仲が良かった時期が、
10年前だとか20年前だとかいうことにもなる。
そういう思い出をお互いに共有しながら、
関係性をつないでいる。

ところが、人間だから、仲が良いことばかりではない。
いちばん仲が良かった頃に比べて、
よそよそしい関係になったり
軽い関係になったりして、
なんとなく心が傷つくこともあったりする。
しかし、人というのは、現在の関係性で繋がるものであり、
今つながっている関係性こそが現実だ。

〇余計な不安を背負い込まないで
過去の友達との関係性もウソではないが、
現在の関係性と過去の関係性というのは、別モノだ。
以前は仲の良かった人と現在もつながってはいるものの、
以前ほどの親密な関係ではなくなった。
だからといって、そのことで凹んだり、
大事なものを失ったなんて考える必要はない。

それは、たまたま現在の環境のなかで、
ちょっと疎遠になったにすぎない。
またどこかのタイミングで仲が良くなるかもしれないし、
そうならないかもしれない。

過去の仲が良い頃をふり返って、
「こうあるべきだ」と決めつけてしまうと、
その思い込みにとらわれて、相手に余計な期待をしてしまい、
余計な不安や悩みを背負い込んでしまう。

〇友達はあくまでも現在をつなぐもの
いかに馬があった友達でも、
その関係性がずっと続くわけではない。
自分も常に変わるし、相手も常に変わる。
相性というのは、どう転ぶか分からない。

それなのに、人間は、一度相性が良いと思い込んだら、
ずっと良いままだと期待してしまう。
その思い込みにずっと囚われてしまうと、
目の前の人間関係を素直に楽しめなくなる。

友達というのは、あくまでも現在繋がっている人。
そう考えれば、純粋に今を楽しめる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『ドラッカー5つの質問』

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山下淳一郎

・我々のミッションは何か
・我々の顧客は誰か
・顧客にとっての価値は何か
・我々の成果は何か
・我々の計画は何か

経営者の仕事は、今日の仕事をこなすことではなく、
今日と違う未来をつくることだ

「あらゆる組織において、共通のものの見方、
理解、方向づけ、努力を実現するには、
『我々の事業は何か。
何であるべきか』を
定義することが不可欠である」
(『マネジメント』)

伸び悩む会社は意見の食い違いで問題が生まれる。
伸びている会社は意見の食い違いで成果が生まれる

「明確かつ焦点の定まった共通の使命だけが、
組織を一体とし、成果をあげさせる。
焦点の定まった明確な使命がなければ、
組織は直ちに組織としての信頼性を失う」
(『ポスト資本主義社会』)

「第一に問うべきは、
機会は何か、ニーズは何かである。
第二に問うべきは、
それは我々向きの機会かである。
我々ならばよい仕事ができるかである。
我々は卓越しているか、
我々の強みに合っているかである。
第三に問うべきは、
心底価値を信じているかどうかである」
(『非営利組織の経営』)

わが社が心から喜んでもらいたいと願う人は誰か

お客さまはわが社の商品をどうやって見つけることができるか

「我々の顧客は誰か」を明らかにするということは、
同時に、
「辞めた方がよい顧客」をはっきりさせる事でもある

我々の製品を購入しない人たちは誰か。
なぜ彼らは顧客になっていないのか

顧客、あるいはノンカスタマーは他社から何を購入しているか

いかなる状況が、わが社の製品やサービスなしでも
すむようにしてしまうか

何をもって成果とするのかを問いただし、
どのように成果をはかっていくかをはっきりさせよう

組織のエネルギーと資源を正しい領域に集中すること

「事業が発展を続けるには、
生産性を向上させていかなければならない。
したがって、生産性の目標が必要である」
(『マネジメント』)

「5つの質問」および各章の小さな質問と向き合うことで、
忘れかけていた組織の存在意義と機会に
気づくことができるでしょう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『学びとは何か──<探究人>になるために』

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今井むつみ

・人はどのように自分の経験や人から伝えられたこと、
 教えられたことを理解し、記憶するのか
・記憶はどのような形で心の中に蓄えられ、
 どのように思い出されるのか
・子どもは(あるいは大人は)どのようなときに、
 なぜ、つまずくのか
・覚えても使えない知識と
 新しいことを生みだすことができる知識は何が違うのだろうか
・すぐに使える「生きた知識」はどのような性質を持ち、
 脳にどのような形で存在しているのだろうか

シャーロック・ホームズが普通の人よりもすぐれているのは、
多くの情報を記憶する能力というより、
犯人を見つけるためにはどのような情報が重要かを見極め、
その情報だけを見落としなく見つけ、
心に留めておける能力なのである

プロ棋士が実験で見せた驚異の記憶力とは、
棋譜の膨大なデータベースから目の前の局面を一瞬にして
見つけることのできる能力

海外の前衛的な映画を見ると、ストーリーを追えなくなって
しまうことが時々ある。
それは、行間を補うことができないことから来ている。
こういうときは、多くの場合
二つの種類のスキーマが足りない。
まず、それぞれの状況について行間を補うスキーマ。
自分たちの文化で当たり前だと思っていることが
映画の舞台となっている文化では通じない

子どもは、知らないことばと一緒に、
知らないモノを見せられると、
色や大きさ、模様などではなく「形」に注目する。
つまり、形が似ているモノに対して、
そのことばを一般化する「形ルール」を持っており、
それを使って、
初めて聞くことばの意味の範囲を決めている

語彙は膨大な数の単語からなるシステムなのである。
システムとしての語彙を身につけるためには、
単語単体の意味を学ぶだけでは不十分である。
単語同士の関係を学び、システムをつくっていく必要がある。
その中で、似ている単語同士がどう違っていて、
その二つの単語の境界がどこに引けるかを知ることは
とくに大事である

スキーマが誤ったものであると、何が起こるか。
問題解決に必要な情報に目が行かず、
関係ない情報にばかり注目してしまう

人が科学や外国語を学び、熟達していく上で大事なことは、
誤ったスキーマをつくらないことではなく、
誤った知識を修正し、
それとともにスキーマを修正していくことだ

誰もが本番では集中して必死になる。
しかし、練習でどれだけ必死になれるだろうか。
エリクソンによればアマチュアレベルの人と
達成度の高い熟達者との間の著しい違いは、練習中の集中度だ

的確な目標を持てるということは、
・その分野の超一流の人のパフォーマンスが
 どのようなものなのかを理解できる
・いまの自分がどのくらいのレベルにあって、
 超一流の人たちとどのくらい隔たりがあるかわかる
・その隔たりを埋めるために何をしたらよいのかが
 具体的にイメージできる

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』

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シグナ・ヨハンセン

自然を敬うこと、情報や人の目を気にしないこと、
ベーシックなものに立ち返ること、
家族や友だちと集う時間を大切にすること…。

スウェーデンの多くの企業で採用されている
「フィーカ(Fika)」
(ペイストリーやケーキ、サンドイッチをつまみながら
コーヒーを飲むこと)は、
働き方や団結が問われている今日、
企業として採用してみてもいい。

ヒュッゲとは、デンマークとノルウェーの
「居心地のよい雰囲気」というニュアンスを伝える言葉。
「仲間との絆」や「思いやり」も意味します。
気づきが自分の内面に目を向けることなら、
ヒュッゲは自分の外面、人とのつながりやまわりのものに
目を向けること。
自分の人生や人とのふれあいにおける、
ささやかなできごとに喜びをよろこびを見いだすことです

情報にまどわされたり、
他の人の目を気にしたりしないように、
いかなることでも、
自分らしさを失ってしまうような誘惑には
きっぱりノーといいましょう。
きっと気が楽になるはずです

北欧の人々は自然に身をまかせ、自然の歩みに従うのみ。
自然に畏怖の念を抱き、敬意をはらい、
ふれあうことを忘れません。
悪天候でも自然のなかに出かけるのはそんな理由からです

ヒュッゲの基盤は、シンプルさ。
北欧の人々は、なにごとにおいても余分なものをそぎ落とし、
すべてをベーシックなものに立ち返らせたいと考えています

北欧の国々では法律で
自然のなかを歩きまわる自由が認められています

オスロには身近に水晶のようなフィヨルドや
美しいスキーコースがあり、
北部には広大な森林地帯が広がっているため、
簡単にひと息つける

2015年、スタンフォード大学の研究調査チームは
「自然とふれあうことで、
脳の前頭葉前部皮質の働きが弱まり、
反復思考が少なくなる」という論文を発表し、
自然の豊かな環境でウォーキングをすると
ネガティブな思考が減ると述べました

自足の精神のもとに満たされる生き方をすれば、
真の豊かさを実感できるはずです

自分でなにかを生みだし、自立して生きられるような
スキルを習得すると、喜びや満足感を得られます。
そんなスキルの一番身近なものが料理でしょう

スウェーデンの多くの企業では、
社員が毎日集まってフィーカを楽しみます。
ウプサラ大学の社会学者は
こうした時間を「集団的な回復」と呼び、
ビジネスにも社会的な絆にも大きな恩恵をもたらす
と評価しました。フィーカにはリセット機能があるのです

北欧の美とは、なにかをつけ加えたり削ったりしても、
北欧らしさを失わないスタイルのこと

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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歴史は繰り返す

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太平洋戦争で、なぜ日本は負けたのか。
方法論に注目する。
単なる物量ではなく、知力、構想力で負けた。
敗因は2つ。

1つは欧米には知的な方法論があった。
国が作戦・戦術などを指針として示す。
指揮官は指針に従って自分で考えて実行する。
考える人を育てることが肝だった。

日露戦争までは、日本でも方法論を研究していた。
その後の人たちは、答えだけを求めてしまった。
考えて答えをどのように見つけるかという
プロセスを飛ばして、ただ解答を覚えるだけになってしまった。

もう1つは、日本海軍は自分のことしか分析しなかった。
米国では、まず相手の分析から始める。
日本海軍では、日本海海戦の成功体験を基にした
戦い方を叩きこまれる。
そして日本海軍の優等生は、かつて経験した
勝つ解答を更に磨き上げる。
演習でもそれだけを行う。
こうして何時の頃からか艦隊決戦主義になって、
新しく考えることができなくなり、硬直化していく。
そして精神論へ。

一方で、米海軍はあらゆる可能性を想定して、
検証作業を20数回行う。
唯一想定していなかったのはカミカゼだった。
このように、相手国が作戦・戦術を変えているのに
日本軍は自分中心で進めていた。

日本軍は、失敗を繰り返しながら学ぶことが
許されなかった。
リーダーを作る教育が大きく違った。
士官教育において米軍はリベラル・アーツ
(人文科学、社会科学、自然科学などの基礎科学)を
ふんだんに取り入れて、ずっと討論をしていた。
その一方で、日本海軍はとにかく決戦で、
何のためにそれを行うのかという
作戦術が大きくかけていた。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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人はコストではなく資本

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人をコストとして考えるなら、コストは管理の対象であり、
いかに減らしていくかに重きを置く。
しかし、資本と考えるなら、人材を生かし、いかに増やしていけるかを
考える必要が出て来る。

ドラッカーは、人を活かす経営とは
「人の強み・創造性を解放する経営である」として、
これにより仕事の生産性を高めるマネジメントの重要性を説いた。

このマネジメントにおいて肝となるのは、
働く人が「生きがい」や「やりがい」といった
精神的な充足感を日々の業務の中で感じることができ、
自身の個性やアイデア、専門性を活かせる機会があるかどうかだ

人を大切にする経営とは、従業員が自律的に
自らの潜在価値を引き出し、高める環境を
企業側が提供しながら、
生きがいややりがいを持って働く人を増やす事。
これにより、従業員がその企業のブランドとなり
企業価値を高めるとともに、
生産性の向上にも繋がる。

これは、労働力が減る中で働く人を資本と捉えて投資し、
企業価値や利益をリターンとして得ていく、
持続可能な経営戦略でもある。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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言葉に込める誠の心を意識する

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早樫一男

子供は生まれてすぐに単語を獲得する訳ではない。
最初は「アー」「ウー」といった声を発する。
これが肺機能や口唇機能などの成熟に伴って、
次第に「バブバブ」といった喃語になっていく。

声には、母音と子音がある。
母音は吐き出す息を唇や舌で妨害しない時に生じる音。
子音は吐き出す息を唇や舌で妨害させて生じる音。
こうしたことから、息吹分けによって
言葉が生まれていることが理解できる。

「ブーブー」「マンマ」など片言を話し始める頃には、
声と意味が繋がりだし、1歳を過ぎると、
大人と同じような言葉で
コミュニケーションできるようになっていく。

言葉の広がりには、音声模倣も不可欠だ。
話すと聞くとは裏表。
聴き分ける働きが十分に機能しているからこそ、
新たな言葉が獲得できる。

幼児期における言葉の発達の遅れについて
相談を受けた時は、
聴覚と口腔機能の確認から始める。
口腔機能とは、唇を調節して息をまとめて吐く力や、
咀嚼力、飲み込む力などを指す。
おもちゃのラッパを吹かせたり、
少し硬いものを噛ませたりと、
意識的にトレーニングすることで、
言葉を発する力もついてくる。

何気ない一言が相手を傷つける場合がある一方で、
悩み苦しむ人を勇気づけることができるのも、
また、言葉の持つ不思議な力である。

相手との関係性によって、
言葉に含まれるメッセージが変わるのも不思議だ。

たとえば、ある女性が義母に対して、
「長生きしてね!」と声を掛けた場合。
義母との関係が良好か険悪かによって、
更には、声のトーンやアクセント、
表情や態度が加わる事によって、
伝わるメッセージが真逆になる。

否定的な思いを抱きながら、
口では異なる表現をすることは
「嘘と一緒」として戒められている。

言葉は、空気と同様に当たり前のモノではない。
人間にのみ与えられている言葉の不思議さに感謝して、
まずは日々の言葉に誠の心込めて、
その使い方を意識していきたい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『生きる力になる言葉』

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藤尾秀昭

〇米長邦雄
米長先生は最後に「運」について言及され、
「ねたむ、そねむ、にくむ、ひがむ、うらむ。
そういう気持ちを持っている人に運はついてこない。
そういう人は運命の女神から見放される」
と締めくくられました。

〇渡部昇一
渡部昇一先生は「惜福(せきふく)」の話をされました。
これは自分に舞い込んできた幸福を惜しむということ。
自分に舞い込んできた幸福を使い切らないで
大事に一部とっておく。
そういう心がけの人に運命の女神は微笑む…
ということです。

〇道元
「古人云(いわ)く、霧の中を行けば覚えざるに衣しめる、と。
よき人に近づけば覚えざるによき人になるなり」

昔の人は霧の中を歩いていると
知らないうちに衣が湿るといっている。
それと同じように、よき人のそばにいると、
知らないうちに、自分もよき人になっている。

道元のこの言葉は
実は運をよくする真髄を教えている。
どんなに才能のある人でも悪い人の中に交わっていては
運をよくすることはできません。
よき人に交わり、よき言葉、よき教えにふれていくことこそ、
運をよくする根元です。

〇安岡正篤
「人間はできるだけ早くから、
良き師、良き友を持ち、良き書を読み、
ひそかに自ら省み、自ら修めることである。
人生は心がけと努力次第である」

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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今の評価よりも後世の評価

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神渡良平

明治維新を興した青年たちに大変な思想的感化を与えた本に、
佐藤一斎の『言志四録』がある。

その佐藤一斎に抱かれて育った孫の士子(ことこ)が、
敗戦の焦土の中で戦後日本を背負って立った吉田茂を
育て上げた養母であったことは意外に知られていない。

吉田茂は土佐出身の政治家・竹内綱(つな)の五男として
生まれたが、すぐ横浜の事業家・吉田健三の養子となり、
士子の手で育てられている。

人間の資質、それも一番基本的な人生に対する姿勢は、
幼い時おぶわれた母の背中で形成されたものである。

吉田茂はワンマン宰相だと悪口を叩かれるものの、
戦前の反動として、「左翼にあらずんば人にあらず」として
荒れ狂った左翼思想の嵐に抗し、
一方では戦勝国としてカサにかかって諸政策を押しつけてくる
マッカーサーの連合国総司令部(GHQ)と折衝し、
戦後日本の平和国家路線を敷いたことは、
やはり偉大な政治家として評価できる。

吉田茂の性格の一つである気ぐらいの高さ、
節を曲げない一徹さは、あるいは養母譲りのものだろう。

士子は折に触れ機会を見つけて祖父・一斎の『言志四録』の
精神を説き、幼い茂を教育した。

例えば、次の一節は吉田茂の生き方を表現して
余りあるものがある。

「当今の毀誉(きよ)は懼(おそ)るるに足らず。
後世の毀誉は懼(おそ)るべし。

一身の得喪(とくそう)は慮(おもんばか)るに足らず。
子孫の得喪は慮るべし」
(言志録・八九条)

いま悪くいわれようが良くいわれようが、
それは恐れることはない。
しかし、後世の評価は恐れるべきだ。

自分自身の成功失敗から来る得失は心配するに足らないが、
子孫に及ぶ得失は考慮しなければならない。

吉田茂の一徹さは曾祖父佐藤一斎の精神によって
裏打ちされていたと見ることができる。

昭和二十年代前半、多くの進歩的文化人(?)が、
ソ連をはじめとした東側諸国を含む全面講和条約締結を
求めたのに対し、それは現実的ではないと一蹴し、
昭和二十六年九月、サンフランシスコ平和条約、
および日米安全保障条約を締結した時の吉田茂に、
この姿勢を見ることができる。

「人類の楽園」といわれた共産主義諸国が
馬脚を現して崩壊し、
それが幻想でしかなかったことが判明したいま、
歴史は吉田茂の選択が正しかったことを告げている。

あのとき多く青年たちを扇動し、街頭デモを繰り広げた
進歩的文化人たちは、一様に口を閉ざして
当時のことを語らない。

それだけに吉田茂の先見の明と一徹さには頭が下がる。

「右顧左眄(うこさべん)しない。
己の信ずるところを貫くのみだ」
吉田のそういう声が聞こえてくる。

現代はSNSやネット上では多くの誹謗中傷がある。
その多くが匿名だ。

どんなに心が強い人間でも、
連日のように誹謗中傷にさらされれば参ってしまう。
言う方は簡単だが、言われた方はたまったものではない。

「いま悪くいわれようが良くいわれようが、
それは恐れることはない。しかし、後世の評価は恐れるべきだ」

何物にも動じない肚(はら)をつくろう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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売りつけるのではなく、喜んでもらう

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西田文郎

きれいごとを言っても、しょせん商売のホンネは
「売りつけよう」にあると思われがちです。

もしあなたが優秀なビジネスマンになりたいなら、
この「売りつけよう」を、
「喜ばそう」に置き換えてください。

というのも、商売の相手はお客さんの「脳」です。
財布ではありません。
お客さんの脳、ユーザーの脳、消費者の脳、取引先の脳…。

あなたの商品やサービスに対して、また店や会社に対して、
さらには自分という人間に対して、
その脳をいかに「快」にするかの競争がビジネスであり、
商売なのです。

脳が「快」になれば、心も財布も自然と開くのです。

相手の脳を「快」にすることを、
世間では「喜ばせる」と言うのです。

「売りつけよう」にあるのはテクニックだけです。
しかし「喜ばそう」とすれば、イヤでも相手のことを考えます。

どうしたら喜ぶか…
それを追求するエネルギーがわいてくるのです。

なぜなら人を喜ばせると自分も嬉しくなる。
それが人間です。
仕事が深化し、質的に高まり、広がりも生まれるのです。

自分勝手な人は、自分さえよければいいと
自分のことしか考えない。
自分本位な人だ。

その反対が相手本位の人。
相手の喜ぶことをまず先に考える。

自分本位から相手本位になるには…
「売りつける」から「喜ばせる」に。

それは相手を、「驚かせる」、「感動してもらう」という
サプライズも同じ。

仕事が面白くない人、仕事が深まらない人は、
人を喜ばそうと考えないから。

自分の損得だけを考えている人は、まわりから好かれない、
くだらなくて、面白くない人間。

「人を喜ばせると自分も嬉しくなる」
このことを忘れていけない

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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