『北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』

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シグナ・ヨハンセン

自然を敬うこと、情報や人の目を気にしないこと、
ベーシックなものに立ち返ること、
家族や友だちと集う時間を大切にすること…。

スウェーデンの多くの企業で採用されている
「フィーカ(Fika)」
(ペイストリーやケーキ、サンドイッチをつまみながら
コーヒーを飲むこと)は、
働き方や団結が問われている今日、
企業として採用してみてもいい。

ヒュッゲとは、デンマークとノルウェーの
「居心地のよい雰囲気」というニュアンスを伝える言葉。
「仲間との絆」や「思いやり」も意味します。
気づきが自分の内面に目を向けることなら、
ヒュッゲは自分の外面、人とのつながりやまわりのものに
目を向けること。
自分の人生や人とのふれあいにおける、
ささやかなできごとに喜びをよろこびを見いだすことです

情報にまどわされたり、
他の人の目を気にしたりしないように、
いかなることでも、
自分らしさを失ってしまうような誘惑には
きっぱりノーといいましょう。
きっと気が楽になるはずです

北欧の人々は自然に身をまかせ、自然の歩みに従うのみ。
自然に畏怖の念を抱き、敬意をはらい、
ふれあうことを忘れません。
悪天候でも自然のなかに出かけるのはそんな理由からです

ヒュッゲの基盤は、シンプルさ。
北欧の人々は、なにごとにおいても余分なものをそぎ落とし、
すべてをベーシックなものに立ち返らせたいと考えています

北欧の国々では法律で
自然のなかを歩きまわる自由が認められています

オスロには身近に水晶のようなフィヨルドや
美しいスキーコースがあり、
北部には広大な森林地帯が広がっているため、
簡単にひと息つける

2015年、スタンフォード大学の研究調査チームは
「自然とふれあうことで、
脳の前頭葉前部皮質の働きが弱まり、
反復思考が少なくなる」という論文を発表し、
自然の豊かな環境でウォーキングをすると
ネガティブな思考が減ると述べました

自足の精神のもとに満たされる生き方をすれば、
真の豊かさを実感できるはずです

自分でなにかを生みだし、自立して生きられるような
スキルを習得すると、喜びや満足感を得られます。
そんなスキルの一番身近なものが料理でしょう

スウェーデンの多くの企業では、
社員が毎日集まってフィーカを楽しみます。
ウプサラ大学の社会学者は
こうした時間を「集団的な回復」と呼び、
ビジネスにも社会的な絆にも大きな恩恵をもたらす
と評価しました。フィーカにはリセット機能があるのです

北欧の美とは、なにかをつけ加えたり削ったりしても、
北欧らしさを失わないスタイルのこと

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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