高田明と読む世阿弥

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不遇の時代をいかに過ごし、絶頂のときにいかに慢心を抑えるか。他人の評価に一喜一憂することなく、ただ、ひたすらに自分の夢を追い続けるための心構えとは何か。また、ただ外見を飾り立てるのではない、内面からにじみ出る人の美しさとは何か──。

世阿弥の教えで私が最も感じ入ったのは、自己更新という考え方です。人間は常に自分自身を成長させる努力を続けるべきだと世阿弥は言います。少し厳しく聞こえるかもしれません。一方で、「他人と自分を比べてくよくよしなくていい」ということでもあります

男時とは、勝負事において自分のほうに勢いがあるとき、女時とは相手に勢いがあるときのことを言います。世阿弥は、この男時、女時の時流は努力ではどうにもならない宿命だと捉えました
人の気ほど移ろいやすいものはありません。どれほど一生懸命にやっても認められないときはあるものです自分ではどうしようもないことなら、それに翻弄されたり、あらがったりするのではなく、受け入れる。何かが変わるのを待つことが大切です

「当流に、万能一徳の一句あり。初心忘るべからず」
世阿弥は「芸の未熟さ」を指して、初心と言っています。無様な失敗や挫折感、それを乗り越えるために重ねた努力を忘れてはいけない。これを心に留め、常に自分を戒めればこそ成長がある

「時分の花をまことの花と知る心が、真実の花になほ遠ざかる心なり。ただ、人ごとに、この時分の花に迷て、やがて花の失するをも知らず」一時的な花を、まことの花であるかのように思い込むと、真実の花になる道から遠ざかる。にもかかわらず、誰も彼もが、この一時的な花を本物と混同してしまう、という意味です

何の気なしに話しているように聞こえたかもしれませんが、私は値段と金利負担ゼロの言葉の間に、間を置いていました。
恐らく2秒か3秒。わずかとも思える数秒の差でも、間があるかないかでお客様からの反響に大きな差が出ます。値段を言った後、数秒でも間を置くことが結果的にお客様の背中を押すのです

人それぞれ好む花は違う。どれが真の花でどれが偽りだなどと決められない。そのときに有用なものこそが花だと心得よ

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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