『帝王学よりも大切なもの』

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信和義塾大学校、中野博

未来が見えていない経営者の会社は倒産します。
大企業であっても、今の時代は倒産します。
実際、この20年間で30を超える大企業が倒産しています。
中小・零細企業に至っては、毎年1万~1万5000件以上、
データが取れない夜逃げや休眠会社を含めると
3万件が倒産していると分析できます。

これらは、計画倒産を除けば
未来が見えていなかったために起きたことです。

未来を考え、未来を指し示し、それを実践していくことが
指導者の条件ですが、
ここで、あなたに考えて欲しいことがあります。
未来を指し示す指導者の見極め方です。

例えば、アメリカの大統領選挙や世界の通貨の為替変動、
株式相場の予想や地元の商店の浮き沈み、
さらにはあなたの生活に至るまで、
「帝王学」を学ぶまでもなく、
ある程度未来を予測する方法があります。

それは、「あなた自身が未来志向か否か?」
ということにかかっています。
つまり、あなた次第なのです。

もし、あなたが未来志向なら、あなたは未来を予測するために
アンテナを立て(関心を持ち、興味を抱くこと)、
未来を考えるのに必要十分な情報を収集して、
それを分析し続ける思考トレーニングができているはずです。

常に未来を意識して思考トレーニングができているか否かで、
未来はまるで違ったものとなります。

簡単に未来を悲観したり、現在を嘆いたり、
過去を悔やんだりしてはいけません。
それは、すべて、あなたの自身の内面にある心が
つくり出していることだからです。

「心」というと分かりにくい方は、
あなたの思考や口癖と理解してください。
あなたの口癖には、
あなたの心のあり方が反映されてしまっています。

なぜなら、どこに行っても、何をやっても、誰とつき合っても、結婚しても、
あなたは永遠にあなた自身の心からは逃げられないからです。
あなたのことを一番知っているのは、あなた自身なのです。

では、あなたの未来を考える上で必要な指導者について
さらに考えていきましょう。

「指導者」として人の上に立つからには、
自我(自分だけの都合を考えること)や
自我欲(自分だけが得する欲望)をなくし、
《利他の精神》(他人の利益を考えて配慮でき、
実践しようとする美しい愛の大きな精神)を持って、
未来を見つめ、未来のあるべき方向性を考え抜いて判断し、
未来志向で行動することが必要なのです。

これができる人間こそが、真の指導者と呼べます。

もし、今あなたがついている指導者が未来を見ることができず、
自我欲が強い場合には、早めに離れることをすすめます。

未来志向とは、未来に目標を定め、
楽観的で、前向きで、ポジティブに思考すること。
うれしい、楽しい、愉快だ、幸せ、ついてる、
ありがとうという言葉で満ちあふれている。

その反対は、過去志向。
過去を振り返って、いつも悲観的で、
ネガティブに思考すること。
愚痴や、不平不満、泣き言、悪口のオンパレード。

未来に向かってアンテナを立てれば、未来が見える。
具体的にいうなら、それは、IT、AI、ロボット、
といった先端の情報を常にとり続けることであり、
それに少しでも触れること。

それを長く続けるには、好奇心や、遊び心があるといい。

また、自我欲が強い人は、指導者には向いていない。
公平無私の利他の精神が必要だ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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