『40歳が社長になる日』(再)

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岡島悦子 元マッキンゼーの岡島悦子

「2025年、日本の大企業にも40歳社長が多く誕生する」これはすなわち、次世代の社長は今の30代から出る、ということ。残念ながら、40代にとってチャンスは少ない。これはどういうことかというと、現在の30代は「デジタル・ネイティブ」であり、テクノロジー・リテラシーが高いから。出世を夢見て来た、40代、50代にはちょっと残酷な話。

学生の大企業人気は相変わらずですが、これからは「安定」の意味が変わっていきます。本当の「安定」とは、安定した会社に勤めることではなく、「いつでもどこでも自分で稼げる人間」になっておく、ということです
未来が不確実であるがゆえに、長期のワークキャリアデザインは、もはやナンセンス

従来、大型商業施設やデパートでは、エントランスから入った1階2階は、雑貨や化粧品の売り場をつくるのがセオリーでした。しかし、博多マルイは違うのです。1階2階に置かれているのは、食料品です。しかも「だし」が売られていたり、高級ジュースの店が入っていたりするのです。そして多くのお客様が、行列をつくっています
博多マルイは違いました。どんな店をつくるかというビジョンを、顧客と「共創」したのです
組織と組織の間にあるものは見捨てられていくことになります。野球で言えば、三遊間にボールが落ちても誰も見向きもしないような状態になります。しかし、実はこの三遊間にこそ、顧客インサイトやイノベーションの種が眠っています

〇組織文化づくりの「四つのキーワード」
1.善意の失敗を許容する
2.「相互信頼」構築
3.「自由と規律」
4.「理念、文脈づくり」

45歳以上の人は、「自分たちではない人が次の社長になるのだ」という心づもりを持つ必要があります「企業経営に多様性を活かす」とは具体的に何を意味するのでしょうか。
私は「固定概念や既存の成功モデルに対しての疑問を投げかけられる人を、意思決定レベルに入れる」ということだと考えています。

実はオペレーションについては、多様性がないほうが効率は上がります
多様になるべきは「属性」ではなく、「視点・経験」ライフイベントを考慮しなくてもいいキャリアの早い時期にこそ、大変な仕事や海外転勤をさせてあげたほうがいい

〇自己効力感の構成要素(A・バンデューラ)
制御体験 自分自身が何かを達成したり、成功したりした
経験代理体験 他者が何かを達成したり、成功するのを観察すること
言語的説得 自分に能力があると言語的に説明されること
生理的状態 良好な生理状態(更には気分の高揚)

「新時代リーダーの10要件」
1.課題設定力、先見性、仮説構築力、大局観
2.変化抽出力、変化適応力、カオス耐性、胆力

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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