『オプションB』

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シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント

休暇先のメキシコで最愛の夫を亡くしたフェイスブックのCOO(最高執行責任者)、シェリル・サンドバーグが、どうやって人生の困難を乗り越えるか、レジリエンス(折れない心)の磨き方を説いた。

・ネガティブなできごとを自責化、普遍化、永続化しない人は、うつになりにくく、状況によりよく対処できる
・絶望から立ち直るには、「考え得る最悪の事態が起こっていたら」と想像すること
・意味のある仕事に励むことは、トラウマからの回復を促す効果がある

ショッキングなことだが、私の立ち直りにもっとも役立ったことのひとつは、「考え得る最悪の事態が起こっていたら」と想像することだった
人生最悪のとき、1組の足跡しかなかったのは、友人たちが私を抱きあげて運んでくれたからだと思っていた。でもそれだけではないと、今ならわかる。
1組の足跡しか見えなかったのは、私が倒れても受け止められるよう、友人たちが私の足跡を踏みながら、真うしろを歩いていてくれたからなのだ

元NFLのアメフト選手バーノン・ターナーが子どものころの自分に宛てて書いた手紙を読んだ。そこには彼がどのようにしてこの世に生を受けたかが、まざまざと描かれていた。
トラック競技の花形選手だった彼のお母さんは、18歳のとき路上で襲われ、ヘロインを打たれて集団レイプされたのだ
家族を養えるだけの収入を得るには、NFLでプレーするしかないとバーノンは考えた。当時彼はカレッジフットボールのディビジョン2で活躍するスター選手だったが、プロに転向するには身長が足りない、力が足りない、才能が足りないといわれ続けていた。
「プロになるしか道はなかった。ならなければ、弟妹たちは養護施設に入れられる。DNAに運命を牛耳られてたまるかと思った。自分をつくるのは、自分の行動なのだ」意味のある仕事に励むことは、トラウマからの回復を促す効果がある

〇レジリエンスを高めるための4つの信念
1.自分の人生は自分である程度コントロールできる
2.失敗から学ぶことができる
3.自分はひとりの人間として大切な存在である
4.自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある

私たちはナラティブを通して自分の過去に意味を与え、未来に期待を抱くのである「くそいまいましいほどしゃかりきだったあのころを思い出せ」。
こんな挑発は裏目に出ることも多いが、チャマスは私という人間をよく知っていた。彼はこう叱咤激励することで、私になにより必要な自信を与えそして、挑戦し続けないかぎり、成功はあり得ないことを思い出させてくれたのだ
悲劇は自分のせいではなく、すべてにおよぶわけではなく、ずっと続くものでもない。
しかし、レジリエンスはちがう。私たちは生涯を通して自分の力でレジリエンスを育み、すべてに広げ、永遠にもち続けることができるのだ

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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