『1分間武士道』新渡戸稲造

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齋藤孝

日本人がお金よりも大事な価値観を持てば、
自ずと社会は再び発展する。

武士道は「戦士の掟」、つまり戦士階級における
「ノブレス・オブリージュ」のことである。(道徳)

バラは散るよりも茎の上で朽ちることを選ぶのに対し、
桜は「自然が呼ぶ時にいつでも
生を捨てる準備ができている」(影響)と
新渡戸は言っています。
欧米人がバラのように生に執着するのに対し、
武士道は「生きるべき時に生き、死ぬべき時にのみ死ぬ」
勇気なのだと新渡戸は言いたかった

自分の悲しみや苦痛をあらわにすることで
他人の喜びや静穏を損なってはいけない。(克己)

「人を相手にせず、天を相手にせよ。
天を相手にして人事を尽くし、
人を咎めず、わが誠の足りないことを反省せよ」という
西郷隆盛の言葉を新渡戸は述べます

「君主はまず徳を磨く、そうすれば人々が集まってくる。
人々とともに領土が得られる。領土は富をもたらす。…
徳が根本であり、富はその所産である」という孔子の言葉を
新渡戸は紹介しています

〇武士が備え、実践すべき7つの徳
義=卑怯や不正を憎む心性
勇気=正しいことのために行動する
仁=弱者や敗者に対する寛容さ
礼=他人を思いやり、地位に敬意を払う
信と誠=嘘やごまかしを絶対にしない
名誉=武士が最も希求したもの
忠義=目上の者への服従と忠実

平時において友に値する者だけを、
戦時において敵とするべきだ。(勇気)

「不名誉は樹の切り傷のように、時間はこれを消さず、
かえってそれを大きくする」という新井白石の言葉を
新渡戸は引いています

名誉は人生最高の善。
富や知識ではなく、名声こそが青年の目標だった。(名誉)

「真の名声は、天命を成就することにあり、
それを全うしようとして招いた死は決して不名誉ではない。
これに反して、天が与えようとするものを
避けるための死は、実に卑怯である」

痩せ我慢をしてまで簡素な生活を心がけたからこそ
「武士道は…金銭に起因するさまざまな弊害に
とらわれることはなかった」というのが新渡戸の考え方です

名誉心は、利を得て名を汚すより、むしろ損を選ぶ。(教育)

名誉を重んじること、弱い者への思いやり、
値段のつかない仕事の大切さ、知行合一、
徳を磨くことの大切さ…。

成熟社会日本の進むべき道が書かれている

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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