「男性、女性、その他」

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橋爪大三郎

性別は、性染色体で決まる。
XYなら男性、XXなら女性。
遺伝子が働き、原器官が精巣と卵巣に分化する。
そこからホルモンが出て、
身体を男性と女性に形成する。

性染色体がXXYになる場合もある。
クラインフェルター症候群と言う。
XOの場合は、ターナー症候群。
1000人に1人くらい。本人も気づかない場合がある。

このように身体の形成は不安定だ。
男女の判定に困る場合(半陰陽)がある。

加えて、心の問題。
たとえば身体が男性でも女性として育てられると
心は女性になる。
治す場合は、心に合わせて手術する(性別適合手術)。

身体も心も男性でも、男性を愛する人(ゲイ)も
少なくない。
昔は、病気扱いだった。
男女の性別は、曖昧だ。いろんなケースがある。

男性と女性の2分法に、すっきり収まらない人々がLGBT。
本人の責任でないのに、差別と偏見に苦しんできた。
人口の5%と少ない目に見ても600万人。

誰もが胸を張って生きていけるかは、
切実な人権問題だ。
まず、トイレ。アメリカでは男女別々でなく、
誰でも利用できる個室トイレが増えている。
性別欄も、男性、女性、その他みたいな三択を見かける。

社会の仕組みも見直さねばならない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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