ネット群衆(crowd)の力を生かす

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村山恵一

ネットを手にしたクラウド(crowd=群衆)の力を生かすはずのクラウドソーシング。これにも、前向きな可能性と危うさが同居する。

時間や場所に捉われずに働けて、副業も容易。働き方改革を促すと期待される。反面、極端に報酬が安い案件など当初の想定を外れるマナー違反の利用が増え、それがウエルクのまとめサイトの問題に繋がった。
ネットを使う個人のモラルやリテラシーだけに頼っていては、サービスの信頼性を保てないのが現実である。

問われるのは、サービスを運営するプラットフォーマーが果たす役割だ。動きは始まっている。

クラウドソーシングの草分けランサーズ。腕のいいエンジニアやクリエーターを対象に、匿名ではなく実名で仕事をする新サービスを始める。働き手は技量を事前にテストされる、合格しないと登録できない。知人などの推薦状で信用を補う仕組みも取り入れる。
ランサーズは、仕事を発注する側の企業も審査し、適正な報酬が支払われるように仲立ちする。
秋好陽介社長「データ入力など匿名でもいい仕事と、高いスキルが要求され実名がふさわしい仕事が一緒くたになっていた。これらを明確に分け、サービス全体を健全にしたい。」

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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