『ルーキー・スマート』

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リズ・ワイズマン

『アサヒビール30年目の逆襲』
約30年間イノベーションが起こらないなんて、ゾッとしますね。それだけ成功体験が恐いものだということなのですが、注目したのは、「ルーキー」たちの活躍でした。量販営業部門の部長だったのにマーケティング部RTDリーダーに任命された高橋利和氏、「私は生涯、営業をやります!」と言っていたのに数字がわかるからという理由だけで突然マーケティング部に異動になった古澤氏、新人ながらヒットを飛ばしていたのミヤマ氏…。アサヒビール30年目の改革を成し遂げたのは、そのほとんどが「ルーキー」だったのです。そしてそのトップに立っていたのが、新人時代から同社で異色の存在だった平野社長でした。
「新人は仕事ができない」「ある程度経験を積まないと」なんて全くのウソ。だれでも永遠にルーキーでありつづけられる
めまぐるしく変化し、加速するビジネスについていけなくなっても、脱落する必要はない。自分もスピードアップすればいいのだ
科学的情報の量が9カ月に2倍のペースで増え、1年間に30%のペースで時代遅れになるとすれば、私たちがもっている専門知識にはどれくらいの耐用年数があるのだろう? 計算すると、つねに知識を更新しつづけないかぎり、5年先には有用な知識が15%しか残っていない恐れがある
これからの時代に欠かせないのは、頭のなかに知識を蓄えておくことではなく、他の人たちの知識を利用できることだ
ルーキーのグループが一人の専門家を凌駕する場合もある

〇ルーキーとベテランの調査からわかったこと
1.ルーキーも目覚ましい成果を上げる
2.ルーキーの成功の仕方は、ベテランと異なる
3.ルーキーの行動は、一般のイメージどおりではない
4.経験は危険な死角を生む

ことのほか高いパフォーマンスを示すルーキーは、幹部の地位にある人が最も多い。たとえば、聡明で経験豊富な幹部が、新しい領域でリーダーを務める(新しい部門を率いたり、未知の業種に移ったり、過去に経験のない業務を担ったりする)ケースだ
常識やルールに縛られないルーキーは、シンプルに、まっすぐ目的地を目指す。結果的に、それが最短ルートの場合も多い

〇ものごとを見て、探索して、新しいものを発見する能力を高める方法
1.素朴な問いかけをする
2.過去をすべて「消去」する
3.「モンキー・トラップ」を抜け出す

ルーキーはベテランに比べて、専門家の知識を求めるケースが4割も多いうえに、ルーキーの方が大勢の専門家に話を聞こうとする。この調査に回答したマネジャーたちによれば、ルーキーが平均6人の専門家に相談するのに対し、ベテランは平均1人の専門家にしか相談しない

〇永遠のルーキーになるための具体策
1.クビになるように行動する
2.アンチョコを捨てる
3.アマチュアと仕事をする

経験の不足や、資源の不足を補おうと必死になることから、ベテランを凌駕する仕事やイノベーションが生まれる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より-

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