『生産性』

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伊賀泰代

生産現場の生産性ではなく、ホワイトカラーの生産性日本の製造現場の生産性は、長らく他国を圧倒してきました。しかし、まさにそのために日本では、生産性という概念がまるで「工場のオペレーションの効率化の話」であるかのように捉えられてしまっています

生産性が大幅に上がるなら従来のやり方に固執する必要はない。リスクをとることも厭うべきではない

アマゾンがレジなしのコンビニ計画を発表しましたが、あれこそが生産性向上のイノベーティブなアイデアです。(人件費が大幅にカットされ、顧客満足も上がる)

付加価値額を投入資源量で割って計算される生産性を上げるには、言うまでもなくふたつの方法があります。ひとつはコスト削減、そしてもうひとつが付加価値額の向上です。
ふたつの方法のうち、一定のところで限界に達する(ゼロ以下にはできない)コスト削減とは異なり、市場が高く評価する分野にリソースを集中して付加価値額を上げていく方向での生産性向上には、理論上の上限がありません

現在のパンフレットやウェブサイトのどこを読めば、適性のない学生が「この企業は、自分には合わない」と理解できるのか、反対に「自分はまさに求められている」と理解できるのか。
採用関連のコミュニケーションツールは、そういった視点をもって=生産性を高めるために設計される必要があります

〇トップパフォーマーを育てる三つの方法
・ストレッチゴールを与える
・比較対象を変える 一年前の自分 社内の他のトップパフォーマー 
社外の同世代のトップパフォーマー
・圧倒的なライバルの姿を見せる

作業にかかる時間を比較すると、同じようなメールを三分で書いている人と、三〇分かかって書いている人がいることも判明します。この場合、三分で書ける人のスキルを三〇分の人に移植するだけで部門全体の生産性は一気に高まります

組織の生産性向上に特に効果的なのは、定期的に不要な仕事を洗い出す“業務仕分け”を導入すること

コンサルティングファームではブランク資料を作らずに情報収集を始めることは不可能(もしくは御法度)とされています。通常、上司や顧客から資料作成を依頼されたスタッフは、まずブランク資料を作り、それを上司や顧客に見せてアウトプットイメージを共有してから情報収集や分析にとりかかります

「情報が足りないから今日の会議では決められない」という話になったときは、必ず「足りないのは本当に情報なのか? 意思決定のロジックは明確なのか?」という視点で確認をしましょう。
「会議時間の短縮」に敏感な企業は増えていますが、
本当は「意思決定の生産性」についてこそ、より意識的になるべきなのです

テーブルがあると資料に目を落として話を聞く人が増えますが、イスだけの会議室で小さなテーブルを脇に置くと、みんなお互いの目を見て話すようになります究極的には生産性を上げる方法は4つしかありません。

<生産性を上げる四つの方法>
(1)改善=インプルーブメントにより、投入資源を小さくする
(2)革新=イノベーションにより、投入資源を小さくする
(3)改善=インプルーブメントにより、成果を大きくする
(4)革新=イノベーションにより、成果を大きくする

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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