『夢とスランプを乗りこなせ』

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ベン・タロン

「成功するには忍耐が大切」とよく言われますが、一方で、それができている人は、あまり多くないと思います。なぜ「忍耐」が難しいのか。おそらくそれは、待っている間の不安や否定に耐えられないからだと思います。
「待っていても報われないのではないか」そんな気持ちが、本当は価値ある株や不動産を早く売る原因になったり、安易な転職を促すことにつながっています。同じことが、才能に関しても言えると思います。
特にアーティストや作家は、成功するかどうかが見えにくい。クリエイターとして生きていくには、やはりある程度の忍耐と、待っている間のメンタル維持、現実的なお金のやりくりを考える必要があるのです。

教師は生徒の競争心を抑えよう抑えようとするけど、競争心を良い方向へとうまく導いてやるのが良い教師だ
あるとき、ぼくはある教師に「イタチ」というニックネームを付けて、人面イタチの絵を描いたある日、ぼくはイタチに呼び出された。彼は震えるぼくを見下ろしてこう言った。
「君には才能がある。大笑いしたよ。罰として、こんど学校でやる失読症講演会のユニークな宣伝ポスターを作ること」。ぼくは今でもその先生を尊敬している当時のぼくを含めて、良い作品と認められるためには、複雑さや細部が重要だと信じ込んでいる学生は多い。でも、いちばん難しいのは、シンプルでしかも良いものを作ることなのだ

真剣に取り合ってもらいたいなら、ビジネスらしく振る舞うこと。
クリエイティブ・ディレクターは、ジーンズの左膝にパックリと開いた穴が、天性の才能の証だなんて思ってはくれない
トレンドに従っていたら、そのうち急に裏切られ、自分を見失ってしまうだろう。だから、ぼくは個性と魂のあるパンチの効いたスタイルを生み出そうと思った。そうすれば、そのときの流行がどうであれ、きっと居場所があるはずだ

ハリーの説明はこうだ。ポートフォリオはその人のショーウィンドウのようなものと考えたほうがいい。あまりにも中味がごちゃごちゃとしていると、何を売っているのかよくわからなくなってしまう。
ポートフォリオの画像に文脈があれば、深く考えなくても一目で理解できるので便利だ返信がなくても、

無視されたとか嫌われたと思わないこと。忙しいだけなのだイライラや自己憐憫に駆られていると、みんなが怒りっぽい嫌な奴に見えてしまう

仕事がぼくをベッドから起こしてくれる。この仕事があるからこそ、規範や常識だらけの人生のなかで、何か価値あるものに属しているという気持ちでいられるそれから18年間、私は世界一刺激的な男、フェリックス・デニスのもとで目まぐるしく働いた。詩人でもあるデニスは、数億ポンド規模の出版王国を独力で築き上げた。
「実行が先、謝罪はあと。失敗するのはかまわない。ただし挑戦を避けることは許さない」──これほど恐ろしく、かつ自分のデザイナーとしての可能性に気づかされた指示はない

同僚から経験を盗み取ることは重要だが、自分が得てきたものを若い人たちに還元することも、同じくらい重要だと思う。
これまで私を支えてくれた人のことは一生忘れない。でもそれと同時に、ほかの人々にチャンスを回すことも私の責任だと思っている。
私にとっては、それが何よりの生きがいなのだどんな人間でも、認められることに不安のない人間なんていません。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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