ファンドを利用する

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ベビースターラーメンの製造元、おやつカンパニーが過半の株式を投資ファンドのカーライル・ジャパンに売却した。
松田好旦会長「会社が発展し続けるためには、新しい事に常に挑戦する必要がある。
同族経営に拘っていては、飛躍できない。」息子が二人いるが、おやつカンパニーへの入社は許さなかった。会社は、私物ではなく、社会の公器という感覚だ。

メリット1
カリスマ松田会長の勘に頼った経営からより科学的な経営に脱皮できた。
カーライルのつてで、日本コカコーラやミツカン出身のマーケティングの専門家を入れ市場調査を繰り返した。従来よりも大人びた「ホシオくん」キャラを採用する。これは、調査による発見によるものだ。商品の認知度は高いが、子供向け、昔ながらのイメージ゛が強すぎた。そのために、スナックの成長領域である若者、大人向けの購買に結びついていなかったからだ。

メリット2
海外展開の加速。
初の海外工場を台湾で立ち上げた。これから台湾や香港、韓国市場の攻略を目指す。ここでも、世界に根を張るカーライルのネットワークが威力を発揮するだろう。

メリット3
ポスト・カリスマの備え
松田会長は、ファンドの力を借りる事で自分の引退後までを見据えた会社の再出発の土台を整えた。かつて、パナソニックやソニーが失速したのは、松下幸之助や盛田昭夫といった巨星が姿を消したからだ。経営の基軸が定まらず、内部抗争が生じたのが原因だ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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ダイバーシティ・マネジメント

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内永ゆか子、NPO法人J-Win理事長

世の中のテクノロジーは、急速に進化し、IT・ネットワーク技術は進展した。このために、世界で起きたことが瞬時に自社や自分に影響を及ぼすようになった。

今では、情報収集力、情報発信力、コミュニティを作る力があれば、個人でも世界中の人とビジネスができる。
同時にビジネスオペレーションも変わった。組織内でステップを踏んで進めるモノカルチャーの20世紀モデルから、多様なアイデアを絞り込まずに、まず試しながら評価して行く21世紀型のヒューリスティックモデルへと移行した。

このような変化に対応していくためには、いかに多様な人材を活用できるかが重要だ。
また、多様かつ新たな視点が、従来の枠組みを超え、新たな組織の仕組みやビジネスモデルを創出していく。

その第1歩となるのが、女性の活用である。
IBMは、経営再建のためには、従来の価値観や慣習から脱却することが必須と確信した。そして、女性活用を単なる人事戦略としてではなく、経営戦略として位置づけ、見事にIBMを復活させた。
ルイス・ガースナーCEO「ダイバーシティは、女性のためにやったのではない。IBMのカルチャーを変える為にやったのだ。」女性のキャリアアップに必要な事は、キャリアに対する目的を明確に持ち、チャンスを生かして何事にもチャレンジすることだ。メンターを活用し、個人としての価値・強みを高めながら、社内外の人とのネットワークづくりをする。

一度、キャリアを駆け上がるための馬に乗ったら、降りない事が大事である。出来る限り多くの女性に、仕事を通じて自己実現する喜びを感じて欲しい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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事業再生、陣屋

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陣屋は神奈川県秦野市の旅館。
三井財閥の別荘として始まり、来年で100年になる。

古めかしい感じがするが、情報武装は進んでいる。
従業員はタブレット端末で
宿泊客のお酒や料理の好みを記録し、
次にその客が訪れた時に役立てる。

2009年、赤字体質から抜け出そうと
旅館経営の情報システムの開発に着手した。
手書きだった宿泊予約の管理は、機械化でミスは無くなった。
食材の仕入れ費用も正確につかんで、
着実に利益を出せるようになった。

しかし、宮崎知子社長の話では、
経営再建は、ITのおかげばかりではなかった。
従業員の意識改革も大きい。

以前は、炭をおこすだけ、料理を運ぶだけの人が居た。
パートを含め120人の全従業員と面談をした。
接客が苦手なら掃除というように、
仕事の範囲を広げて貰った。
各種の神聖は、紙では受け取らず、
情報端末に慣れるように促した。

こうした積み重ねが生産性を高める土台となった。
職場を去る人も出たが、それだけ改革は真剣だった。

生産性の向上ではIT活用への期待が高いが、
肝心なのは働く人のやる気を、いかに引き出すかだ。

陣屋は、火・水曜が定休日で、従業員は、月2回、週休3日になる。
休日の確保も働く意欲の持続には欠かせない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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優しいファイターになれ

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強くなければ生きていけない。でも、優しくなければ生きている価値が無い。
レイモンド・チャンドラー「プレイバック」より

自分と関わってくれる人たちに対してはいつも優しくありたいと思っている。
しかし、優しくあり続けることの難しさを時々感じる。
守るべきものが多い人は、もっと大変だろう。
優しくあるためには、時には大きな力、事態を受け止めるだけの大きな器、
それにすごく沢山のお金が必要になることもあるだろう。

本当は誰もが優しくありたいと願っている。でも、優しくあり続けるということは、きっと口で言うほどに易しくはない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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一遍 捨て聖の思想

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桜井哲夫

法然は念仏のみによる救いを提唱する事で平等な信の道を開いた。
信は、親鸞において強調されたが、一遍は信不信を選ばずという立場を取った。南無阿弥陀仏にすべてを預け、信無き者を排除しなかった。

今村仁司は、浄土教の他力(絶対他者)を超越神とは異なるものとした。
桜井はこれを受けて、他力を地上のすべての人々の祈りと希望と共に生きる事と捉えた。
桜井は法要の念仏を唱える時に、こう話す。「御念仏を唱える時には、空を鏡だと思って下さい。そこに地上の沢山の人々が、往生を願って合掌して祈っている姿が映し出されているのを思い浮かべてください。」
信によらずに、むしろ即物的に南無阿弥陀仏を介して自らを捨てる時に、他者との共存の展望が開ける。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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噺は生きている

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広瀬和生

多くの人は、古典芸能は同じ事を繰り返すものだと思っている。
形の決まった正しいモノが、変わらず伝えられる事にこそ値打ちがあって、
そうして今に残った貴重なものが古典と呼ばれる。

この考え方は、半分正しく、半分間違っている。芸は、古典籍や美術品の様に、一度そこに置けばそのままジッとしていてくれるものではない。時代により、演じ手により、アメーバのように常に微妙に形を変化させ続ける。その振れ幅をひっくるめて古典芸能と言う。
まさに芸は生きている。落語の演目とは、あくまでも器に過ぎない。その器に、それぞれの演者が魂を吹き込むことで、初めて生きた噺になる。この辺は、料理に似ている。

全く同じ材料とレシピでも、出来上がりの味は、料理人の腕によって驚くほど変わってくる。落語のネタが、噺家の料理の塩梅によってどんな味になるか。
あらすじこそ共通だが、そこに描かれる人間像は、演者の個性と工夫によって大きく変わる。つまり百人百様。古典と言えども演者の数だけ物語がある。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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恋と日本文学と本居宣長(丸谷才一)を読んで

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宇野重規、政治学者

本居宣長というと、古事記をめぐる研究をしたとか、国学思想を大成したとか、難しい人と思いがちだ。
丸谷さんは違う。宣長を普通の人間として描き出す。

宣長は、好きになった女性への思いを断ち切れない。そんな自分は間違っているのかと思い悩んでいる。その比較対象となるのが、中国だ。
中国では、儒学を学び指導者になろうという人々が、詩を作ってきた。だから、詩には国への思いや政治的苦悩が多い。恋愛の話は、あまり出てこない。
これに対して、宮中に始まる日本の詩は、恋愛抜きにはありえない。この違いは何か。

丸谷さんは、このような問題意識の先駆者として宣長を見る。
宣長は自分の悩みもあって、「恋を事由に歌える日本の方がいい!」という結論に達する。
「もののあはれ」の評価や、中国の「からごころ」批判もそこから来ている。
結局は、好きな人と結ばれた宣長に対し、「本当に良かった」と丸谷さんは書く。
丸谷さんの議論は、決して思い付きではない。いろいろな論拠を持ってくる。

でも結論は、いつも「こういう風に自由に考えてもいいんじゃない」である。
宣長までも、恋に悩む可愛いおじさんにしてしまう丸谷さんは面白い。
私に、本が自由で楽しいモノと教えてくれた知の巨人だ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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夫は細かいことにうるさくて私は超おおざっぱなタイプなのですが、
分かり合えないときはお互いを“おおざっぱ王国の民よ”
“神経質な国の住人よ”と呼び合うことで平和に暮らせるようになりました。

違う国から来た人だと思えば、相手を変えようなんてこれっぽっちも思わなくなる不思議

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『人はなぜ戦争を選ぶのか』

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トゥキュディデス

新興国家が台頭し覇権国家の不安が増大すると両者は必ず軍事的に衝突する
トゥキュディデスでは紀元前431年にペロポネソス戦争が勃発した原因として、巷でその説を唱える者は皆無であるものの、最も真実に近いのは「アテネがあまりに強大になり、スパルタがそれを恐れたから」だとしている

たえず自らの力を増大させ、行使することを求めるのが人間や国家の本性
隣国が、対等な国家を相手に手続きを無視して要求を突き付けてくるとき、要求がなんであれ、その目的は相手の隷属化にほかならない
所有する土地や家屋のことは忘れ、海と都市を守ることだけに専念するのだ

幸福とは自由で、自由とは勇気なのだから、戦争の脅威を前に尻込みしてはならない
至高の犠牲とは、守るべきものがある者が、その幸福な生活を懸けて戦うことだ

卓越さに対して最高の報酬が約束されている都市には、最高の市民が集まるのだ

個人が繁栄していても、都市そのものが瓦解しようとしているのであれば、いずれは個人も道連れとなってしまうだろう。反対に、個人が窮状におちいっていても、国家そのものが繁栄しているのであれば、個人が浮上する機会はいくらでもある

多少の犠牲を払っても「自由」さえ担保できれば、失ったものは容易に取り戻すことができる。一方、相手に服従してしまえば、現在手にしているわずかなものまで失ってしまうだろう
仮に両者の運が同じだとすると、勇気の安定した基盤となるのは、知識の優越性から生まれる自信である

正義とは、対等な相手に求めるものである

国家が弱さを見せたとき、戦争は起こる

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「 リーダーシップ」

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アメリカ海軍協会

アメリカの海軍士官たちは、  重いミッションを背負って行動する。  彼らには、部下の人格にまで  責任を負う事が定められている。
上司、部下、同僚との日々の人間関係に対して  地道にリーダーシップの原理を適用し、  絶えざる研究と実践を重ねて行く。 
自分の経験のみに基づいて  リーダーシップを学ぶ事は諫められている。  有能なリーダーとなるには、  部下を含め、他者から学ぶ姿勢が大切だからだ。 良いリーダーシップを体得するには、これしかない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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