バリウム検査の利権

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バリウム検査による胃がん健診で4割ほどの罹患を見落としていた。
青森県が発表したデータは波紋を呼んだ。(2017.7)被爆が深刻だ。バリウム検査の被ばく量の平均は、2.9ミリシーベルトで、胸部X線撮影の96倍。自治体が勧めるままに、40歳から毎年受診すれば20年間で58ミリシーベルトも被爆してしまう。日本が世界一の医療被爆国と批判される由縁である。

現在、胃がんの99%はピロリ菌の慢性感染が原因であると判明している。本来なら、その感染歴がある限り、内視鏡で検査するのが合理的だ。
しかし、日本は未だにバリウム検査に固執している世界でも唯一の国だ。日本は世界に類を見ない、国を挙げたバリウム健診システムを築いた。
2015年度に胃がん健診を受けたのは237万人。その規模は、300億円にも達する巨大市場である。
健診の実務を担う「対がん教会」や「健康づくり財団」は天下りの巣窟である。

その帰結として、競争入札で決めるべき癌検診の委託先は、これらの団体へ優先的に振り向けられる。医師たちもご相伴にあずかる。国立がんセンターに、癌予防・検診・研究センターが開設されたら、主任研究員に、10年間で5億円以上の補助金が出る。バリウム健診は臨床医にも美味しい。
検診の報告書には医師のサインが必要だからだ。バリウム検査をするのは診療放射線技師で、彼らが所見を書く。「ほぼ追記する事は無く、技師が書いた報告書にシャチハタでハンコを押すだけでいい。」
「放射線の専門医でないのに、頼まれてアルバイトした。」アルバイト医師1人あたり、500~千円。1回の検診で100~200人だから、数時間で5万~20万円の臨時収入だ。

胃がんの早期診断でバリウム検査よりも、内視鏡が優れているのは、世界の常識。バリウム健診が無くなれば、研究費、講演料、対がん教会への天下りも消え失せる。利権に群がる面々は、その死守に躍起だ。利権構造の頂点にいるのは、国立がんセンター。既得権を守る手段は、胃がん健診ガイドラインの作成だ。

エンジンイル、OEM仲間の経営塾より

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『粋な生き方』

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医学博士、帯津良一

カール・サイモントン博士が考案し、世界各国で指導してきたサイモントン療法という心理療法は、こころの治癒力を高めるとても有効な方法だと私も高く評価しています。
「がんという病気を乗り越えるには、絶対に治っていくという信念がないとダメです」と、博士は患者さんにやさしい笑顔を交えて話しかけました。つまり、あきらめない気持ちです。
しかし、ここで話が終わってしまえば、私にとっては、肩透かしを食らったようなものです。その先を私は知りたいのです。博士は、私の期待にこたえてくれました。「でも、この信念が強すぎると、執着となって良くないのです」なるほど、です。諦めない気持ちと執着か。何か光が見えてきた気がしました。

しかし、あきらめない気持ちと執着とは、どこで線引きしたらいいのでしょうか。私がそう思っていると、ひとりの患者さんが手を挙げました。「どこまでが信念で、どこから先が執着ですか?」私はにんまりしました。
さて、サイモントン博士はどう答えるのか。何ともスリルのあるやり取りです。博士はこう答えました。「治るんだという気持ちはいくら強くてもいいでしょう。でも、その脇の方でいいですから、いつでも死ねるという気持ちを持ってほしいのです」患者さんの中からは、「そんなことはできません」という声も上がりましたが、私は100点満点の答えだと感心しました。
できるかどうかはともかく、あきらめない気持ちの脇に、いつでも死ねるという覚悟を決めることは、甘い食べ物に塩をひとつまみ加えることで甘みが増すようなもので、生命力をアップさせるのかもしれません。あきらめないことは大切だけれども、それを執着にはしない。この塩梅(あんばい)が生命力の鍵を握っているようです。

〇「あきらめないことは大切だけれども、それを執着にはしない」
これは、何もがんや病気に限らない。どんなに強く願っても、祈っても、頑張っても、成就しないこともある。その時はどうするか。


「そこから先は神の領域」三浦綾子。
必死でがんばっても何ともならないとき、「そこから先は神の領域」と、ポンと今までの執着を手放す。あとは神が決めてくれる。
執着を手放し、覚悟を決めたい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『人生が全部うまくいく』

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斎藤一人

物を売るということは、簡単なんです。僕はね、「それは簡単です」って言うのが口癖なんですよ。「簡単なんですよ」って聞いて、「あ、それは簡単ですね」って、思う人は成功者なの。

失敗者っていうのは、どんなこと言っても、「それは大変ですね」って言うの。「それがねぇ難しいんですよね」って言うの。たとえば、「人の幸せを願うんだよ」って言うと、「それがねぇ難しいんですよね」って。なんでも「難しい」と言うのが、クセなの。で、なんでも「難しいですね」って言う奴は、これ、失敗者なの。なぜ失敗者かって言うと、結局、何もやらないからなんだよ。宝くじも、買わないんなら絶対にあたらない。それと同じで、絶対に成功しないタイプっていうのがいるんだよ。

《「それは簡単ですね」ってすぐ言える人が、成功者になるんだ》

〇世の中の真理は、ほとんどが、単純で明快で簡潔。

『成功の3条件とは、「素直、プラス発想、勉強好き」』(船井幸雄)

「それは簡単ですね」は成功するための魔法の言葉。

エンジオイル、OEM仲間の経営塾より

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『この世の悩みがゼロになる』

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小林正観

〇死ぬことを心配し、怖がっている人に一言。
“生きているときは、まだ死んでいないのだから、死を恐れる必要はない”
“死んだら、もう死んでしまったのだから、死を恐れる必要はない”
死ぬことは、今私たちが住んでいる三次元の世界から単に引っ越しをするだけです。私たちの魂は、肉体という衣を着ているにすぎません。
ですから、今、この三次元の世界で肉体という「貸衣装」を着てお付き合いをしている人たちとは、握手したり、抱き合ったりできるならば、しておいた方がいいのです。
最後に会ったときに眉間にシワを寄せて口が「への字」だったというのは、悔いが残るでしょう。いつ最期になるか分からないのですから、つねに悔いが残らないような触れ合いをしていくことをお勧めします。

〇この世界で神様と呼ばれている存在とは、肉体という「貸衣装」のレンタル会社の社長のようなものです。私たちの魂は、肉体という衣を着ているにすぎません。
ですから、私たちは最期に、神様にその貸衣装をボロボロにして返却したら申し訳ないと思います。神様だって「この人は、せっかく高級品を貸してあげてもこんなにボロボロにしてしまうのだったら、次は高級な衣装を貸すのはやめよう」と思うのではないでしょうか。
酒、タバコ、暴飲暴食に加えて「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句を言い続けて『貸衣装』をボロボロにしてしまった」と思う人は、
これから死ぬまでの間に、肯定的な言葉や「ありがとう」という言葉をたくさん言ってみること。
「ありがとう」を言うことで、この衣装は修復される、という法則を知った瞬間から、ひたすら実践してみることをお勧めします。
そうしてボロボロのままではなく、ちゃんと修復して返せば、「この人は貸衣装を大事にしてくれるから、次は安心して上等な衣を貸してあげようかな」と、
レンタル会社の社長(神様)はニッコリ笑ってくれるのではないでしょうか。

〇我々人類は今もって、生命体をゼロから作り出すことはできない。大腸菌ひとつ、つくり出すことはできない。人間の肉体など論外だ。
つまり、それだけ精緻で細部にわたりきめこまかくできている肉体は、神様からの贈り物と考えるしかない。
しかしながら、自分の肉体は自分のもの、と思っている人は多い。自分のもの、と思う人は、乱暴だったり、ぞんざいに扱ったりする。もし、神様からお借りしているのだ、と思うなら一瞬たりとも粗末に扱うことはできない。
借りて住んでいる家でさえ、出ていくときは、部屋をよごしたり、傷つけたりしたら修復を要求される。お借りしている我々の肉体も同じ。
肉体を一番傷つけるのは、我々が日頃使う言葉。「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句」は、人に言っているつもりでも、
実は自分が一番影響を受ける。なぜなら、自分が一番多くそれらの言葉を聞いているからだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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セレンディピティ 点をつなぐ力

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セレンディピティとは、予想外の偶然をポジティブに捉え、結びつけていくプロセス。
人生は計画どおりにはいかず、むしろ、予想外の出来事に溢れている。それをワクワクする機会と見なし、活かせるかどうかで、人生の可能性も変わる。

予想外の出来事は誰にでも起こりえる。それをうまく受け止め、次につなげられる人が、結果として「運のいい人」になれる。
失敗についてよく議論する組織ほど、パフォーマンスが高い傾向にある。
逆にパフォーマンスが低いチームでは、失敗は隠蔽されがちだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『元気は、ためられる?』

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0トム・ラス 

ペンシルベニア大学ウォートン・ビジネススクールの教授アダム・グラントが、大学院時代に同大学のコールセンターで働く職員のモチベーションを調べました。コールセンターの職員たちは、一日中卒業生に電話して、奨学金のための寄付を依頼しています。
グラントは、この仕事(夜、卒業生に電話して、お金を要求すること)が難しく、離職率が高いことを知って、職員たちのおかげで奨学金を受け取っている学生を引き合わせたら、モチベーションが上がるのではないかと考えました。そこで、グラントと仲間の研究者たちは、奨学生を職員たちに引き合わせ、5分ほど話をしてもらいました。その1ヵ月後、職員たちの生産性に驚くほどの変化が見られました。1時間当たりの電話回数は2倍近くになり、職員1人当たりの獲得し金額も、週400ドルから週2000ドルに上がったのです。

グラントはこの調査以降10年以上にわたって、こうした「向社会的(人の役に立とうとする)」傾向について、いろいろな職場を調査してきました。テクノロジー企業のコールセンターもその1つで、そこの職員にとっては、CEOの励ましの言葉よりも、職員たちの仕事の恩恵を受けた社員たちの話の方が有意義だったそうです。
また病院では、医師や看護師向けの張り紙として、「手の衛生はあなたが病気に感染するのを防ぎます」という文面は、効き目がなかったのですが、文面を「手の衛生は患者さんたちが病気に感染するのを防ぎます」に変えたら、医師や看護師のせっけんや除菌用ジェルの資料量が1.5倍近く増えたそうです。

あなたが他人に及ぼしている直接的な効果を知る機会がほとんどないのなら、時間をとって、その機会を作ってみませんか。ゼネラル・エレクトリック社(GE)はそうした機会を作ることの価値に気づいているようです。同社で、ガンの発見や予防に役立つ大きなスキャナー(MRI装置)を組み立てている従業員に、ガンを克服した人たちを引き合わせました。こうしたイベントを収録したGE社のビデオは、製造現場の従業員が自分たちの仕事の実際の効果(や喜びの声)を知って、仕事のどれほど大きな意義と目的を理解したかを物語っています。

あなたの使命を思い出させるものに毎日触れられる方法を見つけましょう。あなたの仕事の効果を伝えるストーリーを手元に置いておくとか、あなたが「なぜ」仕事をしているかを思い出させる画像や引用句、ミッションステートメントを用意しておくといった単純なことでいいのです。社会貢献へもモチベーションを保ちたいなら、あなたの使命をいくつも頭に入れておきましょう。

「人生にポジティブな充電をもたらすのは、他人の役に立つ生き方だった!」ヴァージン・グループ創業者、リチャード・ブランソン「(成功の秘訣は)人を喜ばせたい、人の役に立ちたいという気持ちをいつも持つことです。
そして、それを仕事に反映させることです」人の価値は、「どれほど人の役に立っているか」ということによって決まる、といっても過言ではない。人の役に立たない生き方、すなわち「自分の損得のためだけに生きる」とか「自分さえよければいいという生き方」をしたときの人生の晩年は危い。
投げかけてきたものが返ってくるという。自分のためだけに生きるという生き方を続ける(投げかける)なら、最後には声をかけてくれる人は誰もいなくなる。自分の使命を思い出させるものに毎日触れていたいですね。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『はやく60歳になりなさい』

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西田文郎

誰の人生にも、何度か大きなチャンスがあります。それをものにできる人と、ものにできない人がいます。実は、60代は誰にでも訪れる人生最大のチャンスです。人生のピークは60代にあります。60代こそ私たちの腕の見せどころであり、がんばりどころであり、人生一番のハイライトなのです。
60代は、競争から解放されます。そして、哲学的な考え方ができるようになる。ですから、心が純粋になり自己実現に向かいやすいのです。

むしろ20代~50代は、そのための準備期間だったとさえ言えます。つまり、20代~50代までに蓄えた経験と知恵のすべてを使って、60代からは誰にも支配されず自由に生きる。それが、60代の特権なのです。
この特権を行使するか、見送ってしまうのか。幸せな60代を送るのか、不幸せな60代を送るのか。60代を人生のピークにするのか、60代を台無しにしてしまうのか。その決断は自分自身が握っています。
例えば、もし皆さんに「これまで長いこと、一生懸命働いてきた。定年になったらのんびりしたい」「もう悠々自適でいいんじゃないか」などという思いが、少しでもあるとしたら、どうか気をつけてください。
その「十分にがんばった感」「まあいいや」という思いが、何よりも危険なワナなのです。そう、私たちの心の中には、チャレンジしたり幸福になったりすることを邪魔するようなワナが、いつくも仕掛けられている。
●もう、この年で始めるのは面倒だ
●もう、のんびり暮らしたい
●もう、その気力がわかない
●もう、チャレンジするような元気がない
●もう、おしゃれするような年ではない
●もう、モテるわけがないもし、「もう、〇〇だから」

というマイナス言葉を頻繁に口にしているとしたら要注意です。「もう、年だ」「もう、しんどい」「もう、モテない」「もう、いいや」…。その口グセが、人をどんどん老化させていきます。これを私は「“もう年だ”の法則」と言っています。朝昼晩と1日3回唱えると、1年で1095回も唱えることになります。これだけ唱えれば、脳の老化が強化され、イヤでも老化が実現されてしまう。「もう、〇〇だから」を口にするごとに、私たちの想像力は委縮し、夢や願望が描けなくなります。

「もう年だ」「もう気力がない」「もうムリだ」と思っている人に、何を言っても無意味です。老いも若さもしょせんは錯覚。だとすれば、「もう〇〇歳だから」と10歳老ける錯覚をするより、「まだ〇〇歳だから」と10歳若くなる錯覚をしたほうがいい。60歳を過ぎてもハツラツとして若き人はいるし、40代なのにすでにくたびれはてて年老いている人もいる。それは年齢ではなく、日頃使う言葉や態度によって決まる。グチや不平不満、悪口、泣き言、文句等々、人の気持ちを暗くすることばかりを言って、不機嫌で、悲観的に生きているのか。
ついてる、うれしい、たのしい、しあわせ、ありがとう、感謝します、と人を明るくする言葉を使い、上機嫌で、楽観的に生きているのか。

60代は、20代~50代の蓄積だ。60歳になるまで、どんな言葉を多用してきたのか、どんな態度で生きてきたのか。その結果が成績表となって、60代にあらわれる。人の役に立つこと、人からの頼まれごとをしてきた人には、60代には更にどんどんオファーがくる。しかし、人の役に立つことや、人からの頼まれごとを断り続けてきた人には、60代になると誰かからの引きもなくなり、誘いもなくなる。何かを頼んでも嫌な顔をされたり、また断られるだろう、と思えば誰も頼む人はいないからだ。黄金の60代を実現させましょう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『理系脳で考える』

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成毛眞

2030年には、日本の労働人口の49%がAI(人工知能)やロボットに代替される。野村総研が2015年にまとめたこのレポートはあちこちで波紋を広げている。2030年といえば、今からたった8年後。現在40歳の人は48歳で、まだまだしっかり働き、しっかり稼がなくてはならない時期だ。それなのに半分近くの人の職がAIやロボットに奪われるというのだから、来るべき未来に震える人もいる筈だ。

あなたが49%の側になるか51%の側になるかは、今現在、どんな仕事に就いているかで決まるわけではない。また、理系出身であるか文系出身であるかで決まるものでもない。この二つを隔てるのは、理系脳であるか文系脳であるか、これだけだ。
理系脳とはすなわち、これからも急速に変化する科学や技術の分野にキャッチアップできる柔軟性と進取の気性を併せ持っていることだ。ドッグイヤーという言葉がある。犬にとっての1年は人間の7年に相当することから、ほかの分野に比べて7倍速といえるくらい急速に進化する分野を表現するのに使われる。私がマイクロソフトにいた頃のIT業界はまさにドッグイヤーだった。そして今、AIやロボット、センシング、ビックデータ解析、再生医療などの分野はドッグイヤ―など比ではない速度で変化している。今日の常識が明日には時代遅れとなっていても不思議ではないこれらの分野では、過去の蓄積だけでは仕事ができない。

一見、AIともロボットとも無縁に感じられる分野でも同様だ。こう断言できるのは、いま起きていることは私が過去に見てきたことの再現だからだ。かつて電子計算機は大量の計算をしたい特殊な人たちのものだった。人類の大半には、電子計算機など縁遠い存在だったのだ。ところが、電子計算機ではなくコンピュータと呼ばれることが増え、個人が手軽に使えるパーソナルコンピュータ(パソコン)と呼ばれるジャンルが登場すると、それまでは電子計算機とは無縁だった職場へのパソコンの導入が始まった。そのときに「おれはこういう機械はきらいだ」と言っていた人たちが職場で厄介者扱いされるようになり、あらゆる職場でパソコンが当たり前のように使われるようになるまで15年も経たなかった。

AIやロボットについても、パソコンで起きたのと同じような現象が起こるだろう。ただ、まったく同じではない。あの頃よりももっと早く、AIやロボットは、どんな分野の仕事をしている人にとっても当たり前になる。科学、そして技術の進化は加速しているからだ。それに置いて行かれたくなければ、それなりのスピードが求められる。だからこそ、理系脳が必要なのだ。

理系脳の持ち主には、理系学部で学んだ人も、文系学部で学んだ人もいる。理系学部で学んだからといって、理系脳とは限らない。もう少し詳しく野村総研のレポートを見てみると、そこには「代替可能性が高い100種の職業」と「代替可能性が低い100種の職業」もまとめられている。私の目には、「代替可能性が高い100種の職業」、すなわちAIやロボットに奪われる仕事は、ありふれた言い方をすればクリエイティブではなく、「代替可能性が低い100種の職業」、これもありふれた言い方をすればクリエイティブということだ。

これをふまえると、私の目には、クリエイティブな仕事に就いている理系脳の持ち主は安泰に映る。新しいものに貪欲に触れ、消化し、自分のものとしていくだろう。一方で最も危険なのは、クリエイティブではない仕事に就いている文系脳の持ち主だ。クリエイティブな仕事をしている文系脳と、クリエイティブではない仕事をしている理系脳はいい勝負をするかもしれないが、後者に軍配を上げたい。なぜなら、理系脳でありさえすればクリエイティブな仕事に転じることはそう難しくないからだ。そして、文系脳でありながらたまたまクリエイティブな職業に就いていた人から、AIやロボットに負けじと仕事を奪えばいいのである。

しかし、文系脳の持ち主も恐れることはない。じつは理系脳は今日から、たいした努力をしなくても、自分の力で手に入れることができる。文系の教育しか受けてこなかった人も恐れることはない。商学部出身の私が言うのだから間違いない。

理系脳の条件には4つある。
1. 新しいものに興味がある
変化が好きたとえば、STEM《サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティックス(数学)》と呼ばれる分野。スマホ、SNS、ドローン、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、AI…とにかく新しいものは試さずにはいられないのが先天的理系脳。
2. 刹那主義で未来志向
刹那主義の反対語は、キャリア志向で、刹那主義とはその瞬間瞬間に、我を忘れて没頭すること。SNSや居酒屋で思い出話をして愚痴をこぼしている人たちは、刹那主義者でも未来志向でもない。
3. コミットの範囲が明確
理系脳は自分が世界を変えられると妄想することもないし、自分がSNSに何かを書き込めば世界を動かせるとも、もちろん思っていない。ただし、この分野でならばこの程度のことはできるのではないかと冷静に分析し、それに取り組むことはできる。裏を返せば、自分の力ではどうにもならないと思っていることに関しては、言及しないどころか無関心。
4. コミュニケーションが合理的
理系脳の持ち主は、何について話し、何について話さないかの軸がしっかりしている。理系脳には余計なコミュニケーションには時間を使わないという癖が染みついている。これは対面でもネットでも同じ。
理系脳的には愛想の欠如よりも、持っている情報が間違っていたり腕が劣っていたりすることの方が、恥ずべきで避けるべきことだ。重要なのはコミュニケーションの方法論ではなく、そこに参加する人が持ち合わせているスペックである。もしも周囲に愛想がなく、ぶっきらぼうで、軽い話題を振っても乗ってこない人がいたら、その人はかなりの理系脳の持ち主かもしれない。そして、その人と話が合わない、改善してほしいと思っているなら、改善すべきは自分のほうがもしれない。
話が合わないのは、その理系脳の相手と対等に会話するだけのスペックが自分に欠けているということだから。AI時代に生き残るのは、「理系脳」の人。理系脳を身につけ、変化に対応しよう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『遊行を生きる』

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医師、鎌田實

スイスの哲学者カール・ヒルティ
「寝床につくときに、翌朝起きることを楽しみにしている人間は幸福である
明日の朝、起きることが楽しみになるかどうかは、幸福のバロメーターです。「明日はきっと良くなる」と思えれば、生きる希望が湧いてきますが、「また辛い一日が始まるのか」と考えると、ますます鬱々としてきます。目覚めの楽しみを実感できないのは、とても不幸なことです。

〇イギリスの15歳の若者が大腸がんと診断された。進行性の大腸がんでした。
とても厳しい状態でした。完治の可能性は無しとも伝えられた。約3年で7回の外科手術、予後不良といわれる中で、がんばりました。化学療法や放射線治療も受けた。この青年の名前はスティーブン・サットン。
完治の可能性はなしと言われても、決して絶望しなかった。へこたれなかった。心の中では、なんで俺がこの若さでこんな厳しいがんになるんだと、怒っていたと思います。そして死ぬまでにやり遂げたい46の目標を立てた。
ネット上に、「スティーブン物語」というサイトを立ち上げました。彼の目標というのは、ごく普通の若者たちが考えるようなことでした。
どんなときでも、楽しく生きる自由はあるのです。
「曲芸を学びたい」「コメディアンのジミー・カーターに会いたい」「スカイダイビングをしたい」「ダーツの大会を観に行きたい」「映画かミュージックビデオのエキストラとして出演する」など、よくある若者らしい楽しいことばかり。遊び心が素敵です。彼も見事に「遊行」していたと思います。

〇2016年、リオ・オリンピックのバトミントン決勝で、日本の高橋礼華(あやか)・松友美佐紀ペアがファイナルセット、19対16、デンマークのペアに圧倒されていた。あと2点取られたら負け。
正直、「もうダメかな」と松友選手は思ったそうです。ここで彼女は、「1球でもいいから、相手に“おっ”と思わせよう」と考えたそうです。デンマークペアの強さに打ち勝つために、強い球を打とうとしていた松友選手は、遊び心に気がついたのです。ゲームの最終局面で「遊行」に近い技を見せたのです。
後衛の高橋選手が強い球を打ち、前衛の松友選手がラケットを立てて出して、ネットぎりぎりに落ちるゆるい球を打ちました。ここから5ポイント連取して奇跡的な大逆転が起こりました。
遊び心はとても大切なのです。サットン青年は、限りある命を宣告されても、命がけで楽しく生きようとしました。
どんな人でも、楽しく生きる自由があるのです。1つか2つ、辛いことがあると、ついつい、楽しく生きる自由があることを忘れてしまいます。遊び心が大切なのです。

〇アメリカのケンタッキー大学の研究チームは、楽しく生きる人はそうでない人より免疫力が高くなると発表しています。
こういった目標や生きがいを持つことは、人生の中で絶望に陥ったときも、末期がんになったときも、間違いなくいいことなのです。
サットン青年は、楽しいことをしたうえに、誰かの役に立ちたい。がんで苦しんでいる他の患者さんのために何かできることはないか、と考え始めた。
この青年は、がんが大腸から、肺、肝臓、骨へ転移をし、19歳で亡くなりました。彼の言葉はインターネット上で注目を集め、320ポンド(当時のレートで5億5千万円)以上の金額の募金が集まったという。彼は最後まで自由に生きることを諦めませんでした。

〇遊び心のある人は、苦境におちいったり、苦しいときでも、
「にやっ」と笑って、何か面白いことを考える。いくつになっても、少年のような無邪気な心を持っており、ユーモアや余裕があるからだ。
それに対して、遊び心のない人は、いつも張りつめていて、冗談やミスを許さず、深刻になってしまう。真面目は必要だが、真面目過ぎるとギスギスする。
真剣なのはいいが、真剣過ぎると深刻になってしまう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『テレビに出たいのなら』

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萩本欽一

テレビの世界で大活躍する人って、ぜったい何か優れたところを持っています。人によって優れたところはそれぞれ。大きく分けると「才能」と「運」と「努力」なんだけど、この3つのうちの、テレビで成功するために一番必要なのはどれだと思う?
僕の考えはちょっと違うんです。運も努力も才能も、もちろんあった方がいいに決まってる。でも、絶対に必要なものではありません。じゃあ、テレビで活躍するために大事なものはなにか。それは「いい性格」なんです。

だから僕はいつもこう言ってるの。「芸を磨くより、人間を磨け」
なぜこう考えるかというと、実はテレビ番組のディレクターたちにこう聞いてみたことがあるんです。
「あなたの番組に出演するタレントを選ぶとき、決め手はなんですか ?」そうしたら、いちばん多い答えが「性格」だったの。
「うまい人を選ぶ」と言う人が多そうなものなのに、そう答えたディレクターは一人もいなかった。
テレビの場合、短時間で撮らなくちゃいけないので、芸で勝負するような人はあまり必要じゃない。番組自体、芸を見せるわけじゃなくて、あくまで「企画」ものだから、出演者に「合う」とか「合わない」とか文句を言われて撮影を止められるのが、いちばん困る。
それで性格のいい人が好まれるんですね。僕の周りには性格のいい人がたくさんいて、そういう人はたくさん人に運を運んでいるから、僕にもずいぶん分けてくれたんじゃないかな。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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