「素直になる」

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斎藤一人

自分が現在やっていることや、話している言葉に「愛」があるかどうかと考えてみるといいよね。わがままで、嫌われてしまうのは、やっていることや使っている言葉に「愛」がないからなんだよ。あなたの言動に愛があるか、ないかの違いなの。わかるかな?それさえ気をつければ、大抵のことはうまくいくんだよ。

素直さを取り戻すっていっても、本来はあなたの心の中に必ずあるものだしね。それとね、人と自分は違うんだってこともわかった方がいいの。他人と自分を比べることをやめるの。同じ人っていないんだよ。目だって、鼻だって、指紋だって違うしDNAも全部違う。一つも同じものってないんだよ。幸せになりたいならば、これから先は、自主性を持たなければ幸せにならないよ。

自主性って、とても大事になってくるの。人まかせっていうのは、20世紀で終わったんだよ。魂の時代っていうのは、自分本位の時代ってことなの。だって、魂にしても人それぞれで、全部違うんだから。少し前の時代までは、貧しくて食べるのもままならない時代だったら、みんな我慢して周囲に合わせていたんだよ。自分だけ勝手なことを考えちゃいけないとかね。

だけど、今は豊かになったから、自由にしていいの。みんなと同じという時代が終わって、これからは、もう違う時代なんだよ。だから、これから学ばなきゃいけないのは、それぞれが幸せになるっていう「魂の時代」が来たってことを理解することだよ。私には私の考えがあり、あなたにはあなたの考えがあるってことなの。夫婦になって、「俺が幸せにしてやるよ」って言ったところで、そんなのできないよって話なの。たとえ夫婦っていっても、幸せの価値観て違うしね。

自分のことは自分で幸せにすればいいの。素直になってみるとできるんだよ。あなたの魂は、もうその方法がわかっているからね。

松下幸之助翁(素直な心になるために)より
『 素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります』。
そして、『素直な心のうどん屋さんであれば、“この不況は自分の力を存分にふるうチャンスだ。自分の本当の勉強ができるときだ”というように考えるのではないか思うからです。したがってそのうどん屋さんは、従来の自分の商売のやり方とか考え方を、私心なく、第三者の立場に立ってみつめ、考え直すと思います。今までのやり方を徹底的に反省してみるわけです。このようにして、そのうどん屋さんが素直な心で対処してゆくならば、不況に際してもゆきづまることなく、かえってお客が増えて繁盛してきた、というような姿を生み出すこともできるようになるわけです』
素直な心とは、すべてのことに対して、従順になれとか、言うことを聞け、という訳ではない。従順とは、おとなしくて、人の言うことを「ハイハイ」と聞いたリ、人に逆らわないことを言う。だが、これでは自分というものがまったくなくなってしまう。

本当の素直な心とは、謙虚に学ぶ姿勢とか、利己の心ではなく利他の心を持つことであり、人のせいにしない姿勢のこと。
利他の心は人を喜ばせること。つまり、愛ある言葉をいつも使うこと。人のせいにしないとは、自らが決め、自ら主体的に動く姿勢のこと。

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『エマソン 苦あれば楽あり』

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《人生は、避けがたい条件に包まれている》(エマソン)

避けがたい条件とは、「原因があるから、結果がある」「得るものがあれば、失うものがある」など、人生には分離できないものがあるということです。
賢明でない人間は、富や名声を得るということは、苦しい面は受け取らず甘い面だけを得ることだと考え、自分の欲しいものを欲しくないものから切り離せると考える。このような試みは、すべて失敗に終わることは明白だ…。

仕事でもプライベートでも、物事がうまくいかない時は、切り離せないものの片方だけを得ようとしている時ではないでしょうか?利益ばかり考えて先行投資をしなかったり、失敗を一切しないで成功させようとしたりしていませんか?本来分離できないものを分離し、片方の「甘い」部分だけを得ようとしてしまうのは、時々そうやって利益だけを獲得している人がいるからですね。

それを自慢する人もいるでしょう。「もし人生の条件を避けたように見えたとしても、それは人生に抵抗し、自分から逃げ出しているからにほかならず、それに応じた報いを受ける」人生には、避けがたい条件を受け入れる覚悟が必要なのです。

小林正観
『たとえば、私たちから見て右半分が一般的に言われる「不幸」で、左半分が一般的に言われる「幸福」だと思ってください。私たちが「幸せになりたい」とお願いすると、神さまは「わかりました」といって振り子を左に持っていくかと思いきや、右のほうに引っ張れるだけ引っ張るらいしいのです。たとえば、山の中で遭難して何も食べられなかったとしましょう。なんとか助けられて里にたどりつき、そこで一杯のおかゆをいただいた。それはこの上なくおいしく、楽しく、幸せで、素晴らしい食事となります。でも、毎日のように贅沢な食事を食べ続けている中で一杯のおかゆをもらっても、その価値はわからない。

つまり、私たちが「幸福」を感じるためには、その前に、一般的に「不幸」と言われるような現象が存在しなければなりません』
「苦あれば楽あり」という言葉がある。苦と楽は表裏一体で、片方だけを得ることはできないという意だが、まさに不幸と幸福も同じこと。
幸福を感じるためには、一般的にいう不幸という現象が必要だからだ。「苦あれば楽あり」と、人生を楽しみましょう。

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『「人間的」な生き方、遊びかた』

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「VAN」創業者、石津謙介

僕は平気で年齢のことを話すので、会う人のほとんどが、「えっ、本当ですか?」と驚いた顔を見せ、その次に必ず、「お若いですね」とくる。僕は、この言葉が嫌いである。
言うほうは、お世辞かお愛想か、あるいは本当に呆れ返っているのかは知らないが、言われたほうが、「てやんでぇ、若いわけがあるはずないだろう。こちとら80半ばを過ぎた正真正銘の爺さんだ」と啖呵の一つも切りたくなる。

自分が高齢者であることは、だれよりも自分自身がよく知っている。高齢者にとって、いちばん重要な問題は「健康」である。いくら長生きしようと、健康でなければ、豊かな人生の四毛作目の収穫を得ることはできない。僕がこの年齢になって、まがりなりにも仕事をし、人生の四毛作目を享受できるのも、体と精神が健康だからであり、健康だからこそ、まだまだ世のために尽くすことができる。僕は、今の健康を、もし、存在するのであれば神に感謝をささげたい。

また、人からよく、「長生きの秘訣はなんですか?」と聞かれるが、僕自身、長生きを美徳とは考えていない。
不遜な言い方で、誤解を受けることもあるが、僕の死に対するモットーは“丈夫で早死に”である。要は、人生やるべきことをし終えたら、なるべく早く若い人たちに後を譲りたいということだ。けれど、このモットーも、こう長生きしちゃ、意味をなさなくなりつつある。

長生きの秘訣という問題を真剣に考えてみた。そこで考えついたのが、人間のストレスを生み出す根元の「執着心」と「欲」を捨て去ることである。つまり、僕にとって、現在の年齢まで大病もせず、まがりなりにも生きてこられたのは、ストレスを適当に発散させる能力が自身に備わっていたからではないかと思う。要するに、人間、“いかにストレスを少なくするか”が、若い人にとっても、高齢者にとっても、快適な生活を送るための最重要課題なのである。

もう一つは、常に頭に栄養素を送ることである。頭の栄養素とは、さまざまな情報のこと。毎日、克明に新聞を読み、雑誌を読み、評判になっている本を読み、さらにテレビを見、いろいろな人に会って、あらゆる情報を頭に詰め込み、その後、情報を僕なりに選り分けて整理する。この作業が「思考の動脈硬化」を防いでくれる。好奇心を旺盛に保つのである。
「思考の動脈硬化」とは、今まで自分が体験してきたスタンダードを後生大事に守り、新しいものや情報を、そのスタンダードによってのみ判断することであり、僕は、それがいちばん恐ろしい。

さらに、腰の軽さも重要なファクターだ。僕は、面白いことがあったり、美味しいものがあると聞けば、すぐにすっ飛んでいく。その意味ではいたって腰の軽い男である。人は、高齢者の仲間に入ると、極端に事を起こすのが億劫になるというが、おかげさまで、僕の辞書に「億劫」という文字はない。自分のことは自分でやるというのもいい。僕は、たいがいのことは自分でやってのける。

年齢を重ねる毎に、他人との接触が億劫になるという人がいるが、僕は、逆に人と会うのが楽しくて仕方がない。ただし、同じような年代の人とは、よほど気の合った人でない限り、会いたくない。
というのは、ある年齢を超えた人々の集団の話題は、ほとんど病気の話と家族に関する愚痴ばかりで、気が滅入ることはなはだしい。老人たちは毎日、病院かゲートボール場で、そんな話をくり返しているらしく、それではストレスが逆にたまって仕方がないと思う。僕は、そのような場所に出入りすることは願い下げにしていただいている。

ところで、「忘年」という言葉をご存知だろうか?そう、あの忘年会の「忘年」である。一般には、その年の憂き辛さを忘れて、楽しく騒ぐという意味にとられているが、実は違う。
本来は、「忘年の友」の「忘年」で、つまり年齢の差など忘れ去って、親しく友として交わるという意味である。そして、高齢者には、この「忘年の友」、つまり異なったジェネレーションの話し相手が、ぜひとも必要なのである。若い人の考え方や、自分とは違う業種の人々の話を聞くと、「思考の動脈硬化」が薄れていき、常に頭脳に新鮮な刺激を与えることになる。特に、相手が異性であれば、他にもっと違った刺激が与えられるはずだ。

新しい友を探しに外へ出かける積極性もまた、長生きの秘訣の一つであある。大事なのは、老いも若きも、好奇心を失わないこと。同時に、腰が軽いこと。

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『リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣』

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前リッツ・カールトン日本支社長、高野登


それはリッツ・カールトン東京の開業準備で、忙しく都内を動き回っていたある日のことです。

六本木駅に地下鉄が止まると、すらりとした、髪の毛の長い女性が乗り込んできました。
仕事柄、多くの人たちを見てきていますから、姿勢や歩き方、お化粧などから、ひと目でモデルさんだなとわかりました。
混んでいる車内で、ちょうど私と並ぶかたちで優先席の前の吊り革につかまりました。

地下鉄が走りだしてしばらくすると、その彼女が腰をかがめて、前の席に座っている年配の女性の耳元でなにやら囁(ささや)いたのです。
おや、知り合いに気がついたのかな、などと想像して見ていたのですが、どうも様子が違うのです。

その年配の女性は、はっとした表情で、片手で膝の上の荷物を押さえながら、もう一方の手でブラウスの前に手をかけました。
そこでようやく私も気がつきました。
女性のブラウスのボタンがいくつか外れていて、上から見ると下着が見えてしまっていたのです。
それをそっと伝えたのでしょう。

懸命にボタンをかけようとするのですが、なかながとめることができません。
どうやら手が少し不自由だったのですね。
なんだかこちらまで焦ってきます。

とその時、その女性が再びかがみこんで、小さな声で「お手伝いさせてくださいね」と囁き、にっこりと微笑みながら、あっという間にブラウスのボタンを、鮮やかな手つきでとめてしまったのです。
あまりに意外なことに、あっけにとられていた女性。
でもその顔にはすぐに笑顔が浮かびました。
親切が本当に嬉しかったのでしょうね。

「参った!」。
思わず私は心の中で拍手をしていました。
さすがは早変わりや着替えに慣れているモデルさん。
それにしてもなんという自然体でしょうか。

次の駅で、会釈をして颯爽(さっそう)と降りていく彼女の背中に向かって、年配の女性は何度も何度も頭を下げていらっしゃいました。

混みあった東京の地下鉄の車内。
まるで無縁社会や孤独社会をそのまま表しているような、無機質ないつもの通勤時間帯。
でもその時、その一角だけは、確かにあたたかな空気に包まれていたような気がしたものです。


人は誰だって、社会の役に立ちたい、人のためになることをしたいと思っているものです。
「人の気持ちを考えて行動する」という感性、そのためのアンテナとレーダーの感度が、少し弱くなったかなと感じられたら、一度立ち止まって磨き直してみてはいかがでしょうか。
そのためのヒントは仕事の中にたくさんあります。
おおよそプロと呼ばれるような方は、アンテナとレーダーを磨き続けている方が多いように思います。

日々習慣づけて磨くことで、あなたも大きな飛躍を遂げることでしょう。


『明らかに困っている人がいたら、迷わずに声をかけることができますが、その判断がつかず迷ってしまうこともあります。

ホテルの現場でも似たようなことが起きます。
手を貸そうとして声をかけても「余計なお世話」と思われたら…、と考えると、声をかけるのをためらってしまうかもしれません。
「おせっかい」と「おもてなし」の間には、相手がそれを望んでいるかどうかという明確な境界線があるのです。

相手が望むか望まないかは相手の心が決めるもの。
でもその心は見えない。
それが読み取れないのであれば聞いてみるほかはないのです。
新人であってもベテランであっても同じです。

「よろしければお手伝いしましょうか?」
「大丈夫ですか?お手伝いは必要ありませんか?」
とひと声かけて相手の反応を見ます。

もし相手が、「どうもありがとう。お願いします」と言われたら、お手伝いしますし、「いえ、大丈夫です。結構ですから」と言われたら、「必要があればいつでもお声がけくださいね」と、一歩下がればよいだけのことです』

相手の心は見えないのだから、「要望」や「望み」は聞いて確かめるしかないのにも関わらず、聞かない人は多い。
「たぶんこう思っているはず」と、自分の勝手な思い込みで対応すると、相手とミゾができる。
それが何度も度重なると、深い断絶となってしまい、人間関係は修復不可能となる。人間関係のヘタな人だ。

「よろしければお手伝いしましょうか?」

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『得をさせる』

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斎藤一人

天職などありません。目の前のことを一生懸命やっていると、それが天職になるのです。

この前は、ある男性からこんな質問を受けました。「私、会社を辞めたいんです」「ああ、辞めたほうがいいよ。で、次に行くとこは?」「まだ決まっていません」そう言うので、私はこう答えました。
「じゃあ、あと3か月だけいなさい。で、あと3か月、そこで一生懸命やんなさい。あなた、その職場をもう嫌いになっているんだろうけど、でも、きっと社長もあなたのこと嫌いになっているから。3ヶ月一生懸命やって、惜しまれて辞めなさい」

人生でいちばんいけないのは、「あいつを使って損した」「あいつに会って損した」「この本読んで損した」と、相手に損したと思われること。必ず自分を使って得をしたと思わせないといけない。
そのためには、「はい」と大きな声で返事をするとか、残業を頼まれたならば頼まれた以上の仕事をするとか、どんな小さなことでもしたほうがいいよ。会社を辞めるにしても、その会社に得をさせたと思われてから辞めないといけない。損をさせたまま逃げるように辞めてはいけないよ(笑)。

先の私に質問をした男性に3ヶ月後に会いました。この3ヶ月間は一生懸命に仕事をしたみたいでした。すると、「会社が自分をすごく大事にしてくれるようになりました。とてもいい職場です」と言うのです(笑)。
世の中とは、そういうふうにできているのです。

〇人間として一番魅力的な人は、「また会いたいなぁ」と思わせる人。その反対に、 「会うと嫌な気分になる 」、「会うたびにがっかりする」ような人とは、二度と会いたくはない。また会いたいと思わせる人は、与える人。魅力ある人は、見返りを求めず、惜しみなく与える。

与える人は、得をさせる人。二度と会いたくない人は、奪う人。奪う人は、自分のことばかり考えて、ケチくさい。奪う人は、損をさせる。
この得をさせたり、損をさせたりするのはお金のことだけではない。
得をさせる人は、「優しい言葉」や「気遣いある言葉」という「愛語」や、人を和(なご)ませる「笑顔」がある。得をさせる人は相手を喜ばす。
損をさせるけち臭い人は、たとえば、「感謝」もしないし、「ありがとう」も言わず、「挨拶」も出し惜しみをする。
損をさせる人は相手をがっかりさせる。会う人会う人に、得をさせたいですね。

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『「悲劇」はすべて「否定する心」からはじまる』

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小林正観「

そうじゃない、そうじゃない」と思う心、“非ず、非ず”と否定する“心”、これが“悲しい”という文字になっています。

悲劇は、すべて否定する心からはじまるのです。もし、その現象が、つらくて大変で楽しくないものであっても、私は「そうではないとらえ方」をお教えすることができます。

たとえば、コップに水が半分入っているのを、「半分しかない」と思ったら、<不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句>になります。
しかし、「半分も残っていて嬉しい、楽しい、幸せ」と思ったら同じ現象も喜びになります。
さらに、「誰かが半分も残していてくれて、ありがとう」という受け止め方もあります。

私は「否定してはいけないとか、否定をすべきではない」と言っているのではなく、「半分しかないという否定的な事実は、宇宙のどこにもない」ということを言いたいのです。
宇宙に存在している現象というのは、何の意味づけもされていません。ニュートラル(中立)で冷厳なる現象があるだけ。このことをお釈迦さまは“空(くう)”と言われました。

〇「好況よし、不況さらによし」
「鳴かぬなら、それもまたよし、ホトトギス」松下幸之助翁
どんなに絶望的な状況にあっても、「それもまたよし」と肯定したとき、そこからパワーが生まれる。

肯定からしか創造力も、エネルギーも生まれない。反対に、否定からはマイナスのエネルギーしか生まれない。
『「悲劇」はすべて「否定する心」からはじまる』どんなときも、肯定から入ろう。

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『恨みは運を遠ざける』

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弁護士、西中務

たくさんの争い事のご相談を受けます。その大元には恨みの気持ちがあることも多い。恨みというのは厄介で、近しい人ほど恨んでしまう。ことに、自分の親兄弟のことを、なぜか恨んでいらっしゃる方は珍しくない。

でも、恨みは良くない。なぜなら、恨みは運を遠ざけるからです。逆に、恨みを消すと、不思議と運が良くなる。

〇例えば、会社の社長さんをしている70代のある依頼者と、商売に関するご相談を終えたあと、ふと、こんな話になりました。
「実は、私は早くに母親を亡くしましてね」「母親は35歳のまだ若いときに、病気で急に亡くなったんです。私は12歳でした。小さい子供でしたからね、本当につらくて…」
親御さんが亡くなったのは、昭和30年(1995年)頃です。まだ日本は貧しい頃ですし、経済的にさぞ苦労なさったろう。
「それから若い頃まで、あまりにつらい時期が続きましてね、私は母を恨むようになったんです。『こんなにつらい目に遭うのは、母親が親らしいことを何もしてくれなかったからだ』そう思って生きていたんです」
無理もない。ところが、その人のつらそうな顔が、ここで変わったのです。「母の27回忌で、叔母がこんなことを言ったんです。
『私のお姉ちゃん、あんたにはお母さんやな、最期の最期まで、皆に言うてたんやで。うちの子を頼みます。自分はもう何も食べれないほど体が弱って、頭かて朦朧としてたはずやのに。もう自分の横にいるのが誰かもわからん状態やったろうに。お医者さんやろうが看護婦さんやろうが、私やろうが、もう自分の近くにいる皆に、あんたのことを頼み続けてた。うちの子を、うちの子を…。ずっと、何度も何度も、そう言いながら死んだんやで』
それを聞いて、突然わかったんです。母に死なれて小さな子供だった私は、確かにつらかった。でも、そんな小さな子供を残して死ななければならなかった母は、私の何十倍も何百倍もつらかったに違いない。やっと、私は自分の親不孝に気づいて、心から詫びました」
その人は泣いていました。私も涙が止まりませんでした。叔母から聞いた話をきっかけにして、母への恨みが消えた後、その人は会社経営を成功させました。そして、今では幸せな人生を送っておられる。

母親の恩に気づいたことが、運を変えたのです。「恨(うら)み」「妬(ねた)み」「憎しみ」「怒り」「復讐(ふくしゅう)」…そんな感情を抱えていたら運は決して寄ってこない。
運の神様が好きなのは、「恩」「慈しみ」「ゆるし」「よろこび」「機嫌がいい」「明るい」「笑顔」「感謝」。

争いごとは運を遠ざける。人に喜んでもらうこと、人の役に立つこと、は運が開ける。親の恩に気づくこと。運の良くなる生き方をすること。

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「ありがとう」のゲームですべては始まる

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パム・グラウト

《「ありがとう」のゲーム》
人生で起こるすべてのことに「ありがとう」と言う。とにかく「すべて」に「ありがとう」と言う。例外はなし。言い訳もなし。

〇朝、目覚まし時計が鳴ったら…
「今日もこうやって生きていることに感謝します」
(今日を生きたくても生きられなかった人がいる)

〇朝起きてトイレにいくときは…
「A地点からB地点に移動できることに感謝します」
(タクシーがつかまらなくてイライラすることもある)

〇朝食のシリアルをかき混ぜているときは…
「十分な栄養が摂れることに感謝します」
(あなたがシリアルを食べ終わるまでの時間で、全世界で75人が栄養失調のために命を落としている)

〇成功者には、常軌を逸した感謝の実践者も多い。
朝目を覚ますと、まずシーツと枕に感謝する。そして太陽の光に感謝する。ランチのときは、お皿の上にあるアスパラガスとサツマイモに感謝する。

〇「世界がもし100人の村だったら」より
「75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐところがある。でも、あとの25人はそうではない。
17人は、きれいで安全な水を飲めない。
自分の車をもっている人は豊かな7人のうちの1人です。
村人のうち1人が大学の教育を受け2人がコンピューターをもっています。けれど、14人は文字が読めない。
もしあなたがいやがらせや逮捕や拷問や死を恐れずに信仰や信条、良心に従ってなにかをし、ものが言えるなら、そうではない48人より恵まれている。
もしもあなたが空爆や襲撃や地雷による殺戮や武装集団のレイプや拉致におびえていなければ、そうではない20人より恵まれている

」我々はあらゆることにおいて恵まれている。この時代に生まれたこと。この日本に生れたこと。それだけで、この100人の村の中では最高に幸せな部類に入っている。こんなに恵まれているのに…文句や愚痴や、泣き言を言ったら笑われる。

『 「ありがとう」のゲーム』 をしよう。すべてのことに感謝するゲームを始める。

まず、感謝して自分が幸せになることからすべてが始まる。

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脳リミットの外し方・自分の限界を超えろ!

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茂木健一郎

自分には無理、これが精一杯などと思い込むのは、自分で自分に呪いをかけているようなもの。これを脳リミットと呼ぶ。

自分の脳が日ごろから感じている限界値を意味する。新しい事に取り組むのが苦手、あるいは、限界まで頑張ったことがない。こんなタイプが脳リミットを外せない。思い込みが脳にブレーキをかけ、自分の力を最大限に発揮できない。

日本社会は、潜在的な能力とは別に、ある一定の年齢に達したら、こうしなければいけないといった、思い込みの制約が多いのは確かだ。年甲斐も無くとか、いい歳をしていてといった年齢相応の振る舞いにとらわれがちだ。まずは、そうした発想のくびきから自由になろう。

1.自分の限界は、自らが作りだした幻想
2.自分という枠から飛び出す勇気を持つ
3.失敗を恐れず、変化を心から楽しむ

3点をするためには、小さな成功体験を重ねて、自身を持つ事が重要だ。さらに、その為には自分の限界を超える工夫が必要で、自分の事を客観的な視点で可能かどうかを判断し、自分に足りない能力を見極めて、失敗は反省して改善していく事だ。これは、柔軟な発想があってこそできる。
更に必要なのは、やり抜く力だ。三日坊主でも、繰り返せば継続になる。上手く行かなくても、最善の努力で続けて行く。なりたい自分をイメージして、自分の強みを活かし、欠点は補うように考えて行くことが肝心だ。年齢を問わず、様々な挑戦を始めよう。

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なぜ、できる人ほどシンプルな英語を使うのか?

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戸塚隆将

☆英語ペラペラになる必要はない
英語はなぜ必要なのか? 改めて考えたことはあるでしょうか。英語は、当たり前ですが、「メッセージを伝える」ためにあります。伝えることがいちばん大切であるにもかかわらず、日本人はついつい「カッコよく話したい」「恥をかきたくない」といった思いを優先しがちです。これが英語の習得を妨げている原因だと私は考えています。

「コンプレックス」や「自分がどう思われるか」以上に「伝える」ということが大切だということを忘れてはいけません。よって、ペラペラな英語を目指す必要はありません。シンプルに「伝える」英語を身につけましょう。

私は、ゴールドマンサックスやマッキンゼーなどで働いてきましたが、仕事ができる人、結果を出す人ほど「ペラペラ」ではなく「シンプル」な英語を話していました。では、「シンプルに伝える英語」とは具体的にどういうものか。いくつか例を見ていきましょう。

カルロス・ゴーンのシンプルな英語
まずは、カルロス・ゴーン氏の英語です。日産自動車および仏ルノーの会長を務め、私たち日本人にとって、グローバルに活躍するビジネスリーダーの代表といえる人物でしょう。ゴーン氏の英語は、フランス語アクセントが残り、あきらかに英語のネイティブスピーカーではないことがわかります。それでも同氏の英語は、切れ味が鋭く説得力にあふれています。そして、その伝え方はシンプルそのもの。まさに「シンプルに伝える英語」の良い例と言えるでしょう。
会場からの質問How different are the corporate cultures at Nissan and Renault?(日産とルノーの社風はどのくらい違いますか?)
ゴーン氏I would say, between Nissan and Renault, the differences are very big.Very big.(私の意見では、日産とルノーの違いは、極めて大きいです。
極めて、大きい。)
I mean, there is absolutely no similarity between the two corporate cultures.(つまり、この2社の社風には共通点がまったくありません。)
上記のやりとりは、ゴーン氏が講演で日産とルノーの企業文化の違いを聞かれたときのものです。ゴーン氏は、聞き手の質問が終わると同時に答えを提示します。
その結論は「very big(極めて大きい)」です。さらに結論を明確にするために「very big(極めて大きい)」を繰り返します。そして、その結論をさらに別の表現で言い直します。それは、「no similarity(まったく共通点がない)」です。
これであればゴーン氏の結論が何であるのか、どんな相手にもしっかりと伝わるでしょう。

スティーブ・ジョブズの明快な英語
スティーブ・ジョブズ氏によるスタンフォード大学卒業式での有名なスピーチも「シンプルな英語」の好例です。
約15分のスピーチは、シンプルなメッセージ、論理、表現で構成されています。Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal.Just three stories.(今日は、私の人生から3つの話をしたいと思います。ただ、それだけです。大げさなことではありません。わずか3つの話をするだけです。)
The first story is about connecting the dots.(最初の話は、点のつながりについてです。)
My second story is about love and loss.(2つ目の話は、愛と喪失についてです。)
My third story is about death.(3つ目の話は、死についてです。) 
まずジョブズ氏は冒頭で「人生の学びを3つ伝えることが本日の目的である」と伝えています。これが「明確な結論」です。
本来は、どのような3つの学びなのかを冒頭で伝えることが結論の明確さを生み出しますが、ここではあえて聴き手を引き込むために具体的な内容を伝えていません。
それでも「今日の目的は3つの話をすることだ」という言葉から始めることで、わかりやすさが生まれます。同時にその話が3部構成であることを伝えています。
ここでも、論理構成が明確に提示されています。そして、その後のスピーチの中で、論理構成を理解するための助けとして、各部の冒頭に「first(第一に)」「second(第二に)」「third(第三に)」と目印となる言葉を加えています。これにより論理構成が一層わかりやすくなっています。
そこで使われている英単語は「connecting the dots(点のつながり)」「love and loss(愛と喪失)」「death(死)」という簡単なものです。
ジョブズ氏のスピーチには、ゴーン氏の受け答えとの共通点があります。つまり、(1)結論が明確にあり、(2)論理構成がストレートで、(3)簡単な言葉を使っている、ということです。
卒業式という晴れの場で、15分のスピーチを聴く側は、じっとしていられないものです。だからこそ、「シンプルに伝える英語」が徹底されているともいえるでしょう。そして、これらが、私たちノンネイティブスピーカーが目指すべき英語のゴールなのです。

ジャック・ウェルチの英語は「表現」が簡単
もうひとり、米ゼネラル・エレクトリック社の元会長であり、名経営者として知られるジャック・ウェルチ氏の英語を取り上げましょう。以下は、CNNのインタビューで中国の台頭について聴かれた際の受け答えです。
CNN質問者Do they scare you or excite you, the Chinese?(中国人に対して、恐れを感じますか、それとも、気持ちが高ぶりますか?)
ジャック・ウェルチ氏Excite me!(気持ちが高ぶりますよ!)They’re huge! A billion, 300 million people.(巨大ですね! 人口が13億人です。)All I see are consumers. All I see here is opportunity.(彼らは皆、消費者です。チャンスだらけです。)
ウェルチ氏は中国について聞かれて、即座に「Excite me!(気持ちが高ぶりますよ!)」と答えます。質問が終わる前に、聞き手をさえぎるような間髪入れない受け答えです。そして、その理由として「huge(巨大)」と述べています。さらに、巨大な市場を支える具体例として、13億人の人口が存在しそれらの人々がすべて消費者だ、と持論を展開しています。そして最後に、再度自分の結論である「excite me(気持ちが高ぶる)を「opportunity(機会)」という語で言い換え、結論、根拠、結論というサンドイッチ構造で端的に答えています。
際立っているのは、やはり結論の明確さです。scare you(恐れを感じさせる)か、excite you(気持ちを高ぶらせる)か。別の言い方をすれば、threat(脅威)かopportunity(機会)かと言えば、opportunity(機会)という明確な意見です。
そして、シンプルな論理を展開していきます。「なぜかといえば、市場が大きいから」「具体的には、巨大な人口を有しているから」。さらに、ここで使っている英単語は、excite、huge、consumers、opportunityだけです。なんと簡単な英語でしょう。

まず、「伝えるべき結論、メッセージは何か」、次に「それを支える根拠は何か」「結論と根拠を伝えるのに適した簡単な単語は何か」の順で考えましょう。シンプルな英語を構成する5つの要素私が提唱する「シンプルな英語」とはなにか。ここでまとめてみましょう。これまでの事例で見てきたように「シンプルに伝える英語」には、以下の5つの要素があります。
(1)結論が明確で、短く、わかりやすい
(2)論理が明確で、ストレート
(3)簡単でわかりやすい語彙
(4)堂々と存在感がある
(5)高いリスニング力を備えている
まずは、英語力以前に伝える「中身」が大切ということ。次に、その発言の中身を「結論と根拠が明確」な論理構成で伝えること。さらに、簡単な英語表現を用いた作文力です。
ここでは「日本語で思いついた内容をそのまま英語に翻訳する」という発想から脱却する必要があります。私たちが日常的に使う日本語には複雑な語彙や表現が多いからです。この発想の転換は「小学生に何かを説明する」ところをイメージするといいでしょう。小学生に説明しようとすると、日本語の語彙レベルを相手の小学生に合わせて簡単なものに変えていくはずです。
これらの要素を備えた「シンプルに伝える英語」は、どのように身につけていけばいいのか。それはひとことで言えば「基本」を大切にするということです。英語コミュニケーション力の向上は、「基本」を疎かにしては不可能です。楽な方法を探そうとすると、結果的に遠回りになります。「基本」をしっかり身につけ、最短最速で「シンプルに伝える英語」を習得する。それが大切なのです。

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