『アウトプットは錬金術』

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成毛眞元日本マイクロソフト代表取締役社長
現在書評サイト「HONZ」を手掛ける

よくセミナーで「こっち側」と「あっち側」という言い方をしますが、情報を発信する側と受ける側では、圧倒的に情報量が違う。それは、情報発信する人には自ずと情報が集まるからです。先生が生徒より優れているのは、そこに「情報の非対称性」があるからです。そして、社会人がこの「情報の非対称性」を生むのに手っ取り早い手段が、情報発信する、つまり「アウトプットする」ことなのです。

今の時代、情報収集、勉強をして、知識、教養を溜め込んで満足しているようでは、もうダメだ。得た情報をどう発信して、自分の血肉とするのか、価値あるものに変えていくのか、もっとわかりやすく言えば、「お金」に変えるのかを意識せよ

AIに代替されない仕事は、編集後にアウトプットをする仕事
アウトプットしないと、アウトプットは上達しないのだ。さらに、アウトプットしないと、アウトプットの才能の発見が遅れてしまう
それまでは別のものとされていた話し言葉と書き言葉を隔てる垣根がぐっと下がったのは圓朝と四迷、この二人の天才がいたからだ。これからももしかすると、文章と、今は文章とは違うと思われているものが、どこかにいる天才によって融合される日がくるかもしれない

社会人が書くべき文章、また、求められる文章とはどのようなものかというと、ズバリ、紹介文だ800字と思うな、100字×8だと思え

第1ブロック:その本の印象の紹介。100文字で、この文章を読む人に、どう思ってほしいかを伝える
第2ブロック:その本の読者の想定
第3ブロック:その本の中身の紹介1。100文字で、その本の面白さはどこにあるのか、その全体感を伝える
第4ブロック:その本の中身の紹介2。別の側面をピックアップできると良い
第5ブロック:その本の具体的な中身の紹介1。つまり引用だ
第6ブロック:この本の具体的な中身の紹介2。ここも引用だ
第7ブロック:この本の著者の具体的な紹介。第2ブロックあたりで著者については紹介済みのはずだが、文章を紹介した後なので、それを書いたのはどんな人? という関心を持った読者へのサービス精神をここで発揮する
第8ブロック:なぜこの本を取りあげたのかだめ押しをする

リズムのお手本としておすすめなのが都々逸調だ。都々逸とは「三千世界の鴉を殺し ぬしと添い寝がしてみたい」のような七七七五調の定型詩だ

単に「古い家、買いませんか」ではなく、「レアで二つとない年季の入った建材買いませんか」という提案をするのだ。これが、他人がスルーしている現象をマネタイズしながらアウトプットする唯一の方法だ実際には、みんながアウトプットするようになると需要と供給の関係で書き手の収入は下がるはずですが、それでも優位な立ち位置が取れれば、まだまだ可能性はあると思います。

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾

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