『心を動かす話し方』

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元ボストン・コンサルティング・グループ代表、堀紘一

堀さんは在学中、宿題に関して先生にこんな質問をしたそうです。「先生、この問題の意味がどうしても分からないんだけれど」
すると、先生はこうおっしゃったそうです。「堀くん、君は優秀な生徒だね。そう、君の言う通りこの問題はおかしい。でもみんなそれを疑わずに、問題解決しようとばかりしているんだ」
もし堀さんが、このエピソードに言及せず、「問題解決も大事だけれど、問題発見はもっと大事なんですよ」とだけ話したら、おそらく、聴講生は誰も、もうこの戒めを覚えていないと思います。

やはり話し方には極意というものがあるのです。
最も効果的なのは、「(2)相手が知らない話×(3)相手が関心のある話」という組み合わせ
新しい情報は全体の4割まで講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。
1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりするときも、同様に“13分ルール”を守っている

1つのテーマを3つの視点で言い換える英語に「クリスタライズ」という言葉がある。日本語でいうと「結晶化」。
本質を理解しないで平気で長話をするタイプは、この結晶化が足りない。本質は結晶化のなかに潜んでいるのだ

しゃべりも文章と同じ。センテンスはできるだけ短く、接続詞を使わずに短くしゃべるのがベスト
相手との共通項をアピールしない理想的な展開は、こちらから言い出す前に、相手に気づいてもらうこと。「そういえば、君は僕の大学の後輩だね」と先方から言ってもらえるのがベストである

リレーションは経年劣化してしまう。関係性が色褪せたり薄れたり、ほとんど切れそうになることもある。それをコミュニケーションが強くしてくれるのだ
グローバル化する社会は間違いなくローコンテクスト化していく
目指すものがなく、努力もしない人は、年上から見て魅力はない

人生とは、自分のやりたい何かを探す旅に他ならない。私のように人生の後半戦に入り、進むべき道がやっと見つかるケースだってある。だから、若いうちから、「やりたいことがない」「未来像が見えない」と焦らなくてもいい。肝心なのは、内面を輝かせる不断の努力である。そのために不可欠なのは、読書というインプットであり、自らを引き上げる手助けをしてくれる先輩たちとの良質なコミュニケーションなのだ

大事なことは「ピアニッシモ」で話す
日本語は同音異義語が多いので早口を慎む
無駄な形容詞、お世辞、飾り言葉を取っ払って、核心を伝える。これを心がけるだけで、相手の理解度は格段に高まる。

ビジネスの現場で相手に時間を浪費させていると気づかず、延々と売り口上を続けていたら、好感を持たれるわけがない
話し方の本質は「どう話すか」ではなく「何を伝えるか」

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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