ソクラテスは、ポピュリズムに殺された

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ソクラテスの裁判は、戦争中に行われるが、独裁者による秘密裁判で処刑されたのではない。訴えたのは市民であり、刑を言い渡したのも市民である。

市民がソクラテスに向けた批難は、「お前は、なんか怪しい。嫌な事を言う。皆の空気に水を差す。だから、死ね。」というもの。犯罪の具体例は無く、噂による感情の暴走だけだ。それは、現代のSNSで頻発するリンチを全く変わりない。

対するソクラテスの法廷弁論は、実に論理的だ。ソクラテスは、論理という手段では勝てないことを承知しており、そのことも、はっきり語っていた。彼は、人々が論理を選ばないことを、よく知っていた。しかし、それでも彼は論理を選び、死刑を受け入れたのだ。

もっとも心を打つのは、そこだった。今でも、人間は論理的ではない。話し合えば正義が実現する訳ではない。すべての政治と哲学は、この前提から始まらなくてはいけない。

魔女狩りも、ポビュリズムというか、集団ヒステリーですな。

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