「かわいい」のわざが世界を変える フィールウェアという発想

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下川眞季
元ソニーの「女性エジソン」

ハードウェアは「身体」、ソフトウェアは「頭脳」、フィールウェアは「心・感性」これからは「フィールウェアの時代が来る」。

ソニーの創業者・井深大「二十世紀は、心を置き去りにして、モノだけが独り歩きをしていた。二十一世紀は、心を取り戻す時代だ」

定量化しづらい人間の感性に訴える《フィールウェア》という時代がくるんじゃないか?
ソニーはまったく違う文化を産み出すために必要なハードウェアを作っていた
イノベーションの両輪は、「高い技術力」×「感性価値」
感性は立派な情報なので、自在にデザインすることもできる

〇プルタブ缶オープナー「CANGAL」石田製作所
(2013年、グランプリ最優秀賞)
女性のミュールのようなシンデレラの靴。確かにカワイイです。さあ、これはいったい何でしょうか? 単なる可愛いアクセサリーなのでしょうか? 何とこれは、プルタブ缶のオープナーなのです。足首の部分に指を入れて、梃子の原理で缶をあけるのです。ではいったい、誰が使うのでしょうか? ネイルをしている女性たちです。ネイルの爪が邪魔をして缶の蓋の部分に指が入れられません。その困った問題を解決してくれる、ちょっと驚きの製品なのです

〇ネイルニッパー「ミニョン」マルト長谷川工作所(2013年、新潟地区賞)
名付けて「天使の爪切」。工具用ニッパーの百分の二ミリの薄刃の技術は妥協せずに使っていますので、切れ味は工具同様、抜群です。「カラバリの法則」を活かして、現在ではブルーなど全部で五色のカラーバリエーションも揃っています私が入院していた頃に、こんなに切りやすくて、カラフルで心を和ます爪切りがあったら、どんなに嬉しかったことかと思い出しながら「天使の爪切」に願いを込めました。ご高齢の方にも、優しく働く爪切りです。使う人の心に寄り添い、心のケアもしてくれるもの、それがフィールウェアです

お線香の風雅な香りが漂うなか、螺旋のバネの隙間から煙が見えた瞬間に閃いた、共感覚!「あっ、いま、香りが見えた!」
そこで、ビジュアル・フレグランス、「見る香り」と名付けました

「買いたい!」のスイッチを押してもらうには、買う動機づけが必要になります。
そして買う動機づけに必要なものは、「メリット」ではなく「ベネフィット」だったのです。
その違いは、まず主語にありました。メリットは、商品(売り手)が主語ですが、ベネフィットは、相手(買い方)が主語になります

ひとりで見る夢は、睡眠中の夢。しかし、仲間と見る夢は、人を輝かせます

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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