『強運』

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斎藤一人

《自分で黙々と努力していると、まわりから助けが出る》

「自力の後に、他力あり」
自分の力で一生懸命努力していると、
それを見たまわりの人から、助けが出るんです。
そして運も向いてくるんです。

ずいぶん前に、ものすごく荒れ果てた神社があったんです。
そこへ新しい神主さんがきました。
その神主さんは働き者で、毎日、一生懸命掃除をして、
一生懸命草取りをしていました。
そしたら、それを見ていた
近所のおじいちゃん、おばあちゃんが、
だんだん手伝うようになっていったんです。
一生懸命、自力で神社をきれいにしようとしている
神主さんに感動して、応援が出たんです。
これが「自力の後に、他力あり」。

でも、自力で努力しないで、
先に他力をお願いするっていうのは、ダメですよ。

自分で一所懸命にやらないで、
「人の応援がほしいです」とか、
「神の応援がほしいです」とか、
ふざけたこと言っちゃいけません(笑)。

たとえ、人の100倍努力していたとしても、
「みなさんのおかげです」
そう言うんですよ。

人生っていうのは、「順調なとき」と
「逆境で苦しいとき」の
二つの時期があります。
この「逆境のとき」の過ごし方が大切なんです。
苦しいときに腐っちゃう人。
文句も言わないで勉強して、ぐんと成長する人。
この二つに分かれます。

自分勝手で自分本位な人は、まず自分のことを考える。
逆境で苦しいときに、それが一気にあらわれる。
人のことは後回しにして、自分のことばかり考える
「利己の人」。

だが、そんな逆境のときでも、まわりに気遣いして、
人の利益や人の気持ちを先に考える「利他の人」。

文句を言わずに、黙々とやり続ければ、誰かが見ている。

哲学者、 西田幾多郎
「黙々与天語 黙々与天行」
(黙々として天と与《とも》に語り、黙々として天と与に行く)
お天道さまが見ている。

ギブアンドテイク(give and take)も、ギブ(与える)が先。
ただし、テイクという見返りを受け取ることを前提に、
与えるのはダメ。
あくまでも、見返りをもとめない無償の行為、
いわば、ギブアンドギブかどうかをお天道さまは見ている。

すべてのことは…自力の後に他力あり。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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