『スタンフォード式最高の睡眠』

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西野精治

・短時間睡眠でも長時間睡眠でも死亡リスクが高まる
・スムーズな入眠に際しては深部体温と皮膚温度の差が縮まっていることが鍵
・通常就寝する時間の直前から2時間前あたりまでがもっとも眠りにくい
・「30分未満の昼寝」をする人は「昼寝の習慣がない」人に比べて、
 認知症発症率が約7分の1

睡眠の質は、眠り始めの90分で決まる。「最初の90分」さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になるのだ。逆に最初の睡眠でつまずいてしまうと、どれだけ長く寝ても自律神経は乱れ、日中の活動を支えるホルモンの分泌にも狂いが生じる

前日に通常どおりの睡眠をとっている放射線科や内分泌科の医師たちは、正確に図形に反応した。一方、夜勤明けの内科医は、図形が約90回出現するうち、3、4回も数秒間図形に反応しなかった。反応しない間、なんと医師たちは眠っていたのである! さらに恐ろしいのは、夜勤明けのこの医師たちが、勤務時間中だったことだ

ほとんどの人は短眠の遺伝子をもっていない

死亡率が一番低かったのは、平均値に近い7時間眠っている人たち。彼らを基準にすると、それより短時間睡眠の人も、逆に長時間睡眠の人も、「6年後の死亡率が1・3倍高い」という結果が出ている

短時間睡眠が肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結する

1日1時間以上の昼寝は認知症リスクを高める

日本人の場合、痩せていても睡眠時無呼吸症候群になる。アジア人は顔が平たく、下あごが奥まり、気道がもともと狭いからだ

大量のアルコールは睡眠の質を下げるが、度数が強くても量が少なければその心配はない

健康な人の場合、入眠前には手足が温かくなる。皮膚温度が上がって熱を放散し、深部体温を下げているのだ。このとき、皮膚温度と深部体温の差は2℃以下に縮まっている。つまり、スムーズな入眠に際しては深部体温と皮膚温度の差が縮まっていることが鍵なのだ

体温が高いときはパフォーマンスがいいが、体温が低いときはエラーが多い

寝る90分前に入浴をすませておけば、その後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できる

靴下を履いたまま寝てしまうと、足からの熱放散が妨げられてしまう

睡眠中には脳を休めなければならず、休めるには温度を下げたほうがいい

「1時間早く寝る」というのは睡眠禁止ゾーンへの侵入だから、かなり難しい。逆に、フォビドンゾーン現象を理解しているのであれば、「いつもどおり寝て、睡眠時間を1時間削る」ほうが、すんなり眠れて質が確保できる可能性が高い

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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