『人生の流儀』

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城山三郎

屈託なく生きる人に共通している要素は多い。思いつくままに挙げてみると、一、積極的にやってみる。迷ったときには、まずやることに賭ける。
二、イエス、ノーだけでなく、第三の道でもよいから、自分なりの三つを見つける。徳富蘇峰が大久保利通について評価したように、「最善を得ざれば次善、次善を得ざればその次善と、求めてやまない」
三、賭けはするが、蛮勇をふるうのではない。失敗への備えというか、用意を欠かさない。
四、やみくもな大目標はかかげない。ごく身近なところに、在るべき姿、具体的な目標を設定する。
五、強い好奇心の持ち主である。とりわけ、人間に対する関心や興味が強い。六、人なみ以上の努力をする。人に数倍する努力をする。
七、努力の報われることを神経質に求めず、また初心を忘れない。

屈託のなさは性格による…というふうには思いたくない。それではあまりに味気ないし、救いがない。それに、本物の屈託のなさは、性格というよりも、生きていく姿勢の積み重ねから出てくるのではないか。それは、ただ明るいというのではない。単に粗野であったり豪傑タイプであったりする人に魅力はない。それに、そうした人たちには、弱みを見せたくないという心理が働いていて、意外に屈託があるということも多い。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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