『営業の哲学』

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高野孝之

飛び込み営業のコツは、ビルの最上階から1階まで丸ごと訪問することですもし、1件でも「このお客様は売れる可能性が低い」と勝手に判断して訪問をやめてしまえば、それが自分に対する言い訳になり、そのうちどの会社も「ここは訪問不要だ」と思えてきて、たくさんのお客様を訪問することができなくなります

期末に近づくと残念な営業マンは、言い訳を考え始める
できる営業マンは、追い込みをかけて達成する
一流の営業マンは、すでに目標は半年で達成している

・なぜ、お客様は「今」、あなたの提案を検討する 必要があるのか
・お客様はあなたが提案する「投資(=購入)」を行うと どんな「効果」があるのか
・なぜ、お客様はあなたの商品を選ぶ必要があるのか

会って最初の15分で残念な営業マンは、いきなり商品の説明をする
できる営業マンは、まず会社の紹介をする
一流の営業マンは、聞くことから始める

お客様から難しい質問を受けたら残念な営業マンは、先延ばしにしているうちに忘れる
できる営業マンは、時間をかけて完璧な回答をする
一流の営業マンは、100%24時間以内にお答えする

仕事をやり遂げるために残念な営業マンは、孤軍奮闘する
できる営業マンは、社内の人の力を借りる
一流の営業マンは、社外の人の力も借りる

BANT
・B(Budget/予算)予算がどの程度あるか
・A(Authority/決裁者)あなたが会っている人は 決裁権があるか、 あるいは、決裁者に会うことができるか
・N(Needs/必要性)購入の必要性は高いか
・T(Time Frame/購入時期)購入時期は決まっているか

お客様を説得するための秘訣、それは「売れるお客様に売る」ことです
営業の仕事に誇りを持って、長く続けていくためには、金額にこだわらず、まずは「毎月必ず契約書をいただく」ことを目標にすること

一流の営業マンは、(エレベーターの)ドアが閉まるまでお辞儀をする

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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『なんとかしたい!「ベテラン社員」がイキイキと動き出すマネジメント』

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片岡裕司

「人生100年」を前提とした場合、キャリアも資産運用もパートナーシップもすべて変更を余儀なくされる。
かつての価値観であれば、みんなが出世を目指し、家庭を築いて、ある程度資産を構築したら、あとは余生を送る、で正解でした。

定年が60年で、寿命が70歳であれば、働く年数は30数年、子育ては50代後半には終了、老後も10年程度生きるためのお金があれば十分だったからです。
でも、人生が100年になると、話は違います。
子育てが終わっても人生はあと30年以上あるから、よほどの資産家じゃない限り、働き続けることを余儀なくされる。
何より、30数年も働き続けたら、時代も変わるし、本人も変わる。
同じ職場、同じ仕事でモチベーションを保ち続けることは、極めて難しいでしょう。女性の場合、これに子育てや介護、夫の死(通常女性の方が長生きする)が加わるので、さらに複雑です。

再就職の60代、70代に加え、子育て終了後の女性、介護中の男女、夫の死後、働く女性が加わると、キャリアは「変更・中断するのが当たり前」「出世よりも働きがい」となるのではないでしょうか。
これから増える「ベテラン社員(年配の非管理職)」に、マネジメントがどう接して行けばいいか、どうやって彼らの働きがい、生きがいを促進するか。

2016年からの10年間で、大企業(従業員1000名以上)では約340万人程度の50代非管理職が生まれると推定されます。
これは2015年の統計局データから、現在40代の日本の総労働人口に、大企業で働く人の割合(約30%)と非管理職の割合(約72%)を掛け合わせた数値です

少し前までは、日本企業は出世を是とした男性中心の文化で形づくられていました。しかし、それは働く人のほとんどが敗者となる仕組みです。
ベテラン社員がイキイキと活躍できる組織への進化は、誰もが幸せに働き続けていく社会への進化でもあります

〇「54歳」でモチベーションが変化する!54歳以降になると、「なるべく今の仕事を続けたい」「今の能力で対応可能な仕事がいい」という気持ちが、挑戦したい、成長したいという気持ちを、大きく上回るようになってきます

〇「仕事年表」でお互いの経験を見える化して共有する「仕事年表」に1年を1行で記入してもらい、思い出深い経験を一つひとつ聞いていきます。そしてその経験から何を学び、何を大切にしていたかを共有していきます
一人ひとりに個性的な人生がある。そんな違いを受け止めるところから、人間関係の土台ができあがっていく
3割程度の人、特に現状活躍できていない人に共通する結果は、「昔のことしか思い出せない」という現実です残念な人は、後半、特に直近5年、10年がまったく埋まりません

〇獲得した能力・スキル・マインドは3つの側面で見る
1.その人が生まれ持っているような才能に近い能力
2.経験に基づく知識 (例 営業経験によって身についた顧客との人間関係づくり)
3.行動特性に近い強み (例 ピンチになっても動揺しない)
ここまで聞けたら本物──「私のマネジメントに意見をください」

自分を守るために持ってしまったプライドを、仕事の品質に対するプライドへとシフトさせていくことが重要なカギ
「プライド・シフト」に向け、ベテラン社員に対して「自己探求シート」の作成を依頼します
ベテラン社員は褒められたくはない
人間として生まれ、生きていく上でもっとも根本的で大切なスタンスは、自分が世の中へ人間として生まれてきたことへの感謝の念を持っているかどうか
「管理職を目指すことだけが正しいという価値観では、多くの社員が敗者になってしまう」
「敗者ばかりを生み出すような組織では、社会的に存在意義がないと思う」
「社員全員が、自分の人生の勝者になってほしい」
社員全員が、自分の人生の勝者になれる組織、仕事。これこそが、これからの日本企業が目指すところでしょう。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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『コロナ時代を生きるヒント』

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医師、鎌田實 

ある時、僕の内科外来に85歳の男性が、紹介状を携えて、家族とともにやって来た。彼は悪性リンパ腫で、主治医から抗がん剤治療を提案されており、セカンドオピニオンを求めて僕のところにやって来たのだ。
診療室には男性と息子さんと僕の3人だけ。孫をはじめ、その他の家族は外で待機してもらった。男性は、自分の病気のことをきちんと理解していた。その上で、はっきりと「痛いことはもう嫌だ」と言う。

僕は、男性に「『死』は怖くないですか?」と尋ねた。すると男性は「もう十分生きました」と答えた。いわく、男性はこの診療の前に、家族と一緒に諏訪中央病院近くの温泉旅館に泊まり、おいしい料理とお酒を楽しんだそうだ。
男性は「今回の旅行みたいに、もうしばらく楽しい時間を過ごせれば、それで良いんです」と語る。
息子さんは、父親の思いに半ば納得しつつ、どこか腑に落ちない様子だった。というのも、息子さんは医師で、父親には積極的な治療を受けてもらって、少しでも良くなってもらいたいと考えていたのだ。

それでも、最終的には父親の強い意志を受け入れ、息子さんも納得してくれた。父子とのそんなやり取りの後、僕は外で待機していた孫たち家族を診療室に招き入れ、こんなふうに話をした。
「いま、おじいちゃん本人が、手術や抗がん剤治療はしないと決めました。ご本人の気持ちを尊重してあげましょう」家族のその場で受け入れてくれた。みんなが「これで良いんだ」という顔をしていた。

その様子を見て、男性は嬉しそうな、安堵の表情を浮かべた。そして僕の手を握って、「ありがとう」と言ってくれた。診察から三ヶ月ほどが経ったころ、一通の手紙が届いた。差出人は息子さん。どうやら、男性は大往生だったそうだ。最後の瞬間には、看取る家族に対して「ありがとう。思い残すことはないよ。仲良くね」と語ってくれたという。男性は家族に感謝し、息子さんは父親だけでなく、僕にも感謝をしてくれた。そんな手紙だった。

まさにPPH、ピンピンヒラリだ。彼はぎりぎりまでピンピン生きて、ヒラリと身をかわすようにあの世に逝った。
人間はいつか死がやってくる。もちろん僕にもだ。最後までやりたいことをやりきる。そして「グッバイ、サンキュー」といって、ヒラリとあの世に逝けたら、いいなと思っている。
男性は「死」を遠ざけず、人任せにせず、自ら選択した。まさにこの男性のような“生き方”こそが「死」に向き合うということなのだ。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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『運命をひらく 生き方上手松下幸之助の教え』

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本田健 

衆知を集める

世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因がある

<上に立つ人が、自分の部下は自分より偉いなと思うかアカンなと思うかによって、商売の成否が分かれてくる>(『経営心得帖』)

<単なるかけひきでは偉大な仕事は生まれない。私は心の琴線にふれるような、真心のこもった行動においてこそ、いっさいを超越して、ものが生まれてくるというふうに感じるんであります>(松下幸之助 若き社会人に贈ることば)

<物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく、つまり物や金が通い合うだけでなく、お互いの心というものがその間に通い合うことが、きわめて大切なのです。そこに、商売の真の味わいというものがあると思います>
(『販売のこころ』)

<人に何か指示し、命令するにあたっては、「あんたの意見はどうか。僕はこう思うんだが、どうか」というように、その人の意見にあてはまるか、また得心できるかどうかを、よく聞いてあげなくてはいけない。そしてその聞き方にしても、相手が返事のしやすいようにしてあげないといけない>
(『人を活かす経営』)

人を叱るときに重要なポイントは、個人的な感情で叱るのではなく、相手の成長を願うこと<いくら能力があっても、愛敬のない人間はあきませんわ>(『Voice』1979年1月号)

<君、部下が上司に何か提案を持ってくるとするわな。その時に上司が、“ありがとう。よう持ってきてくれた”という気持ちで受け取る場合と、“どうせ、たいした提案ではないやろ。面倒やな”という気持ちで受け取る場合がある。部下はそこに天地の違いを感じるもんや。上司の仕事は、結局は部下に良い仕事をしてもらうことであり、部下にさらに良い提案を持っていこうと思わせることやろ>(『松下幸之助 元気と勇気がわいてくる話』)

わずか3人から、70年で従業員20万人規模の世界的な企業を作り上げた幸之助ですが、生涯傲慢になることはありませんでした
1976年3月、幸之助が81歳のときに出演したテレビ番組のものですが、その番組で印象的だったのは、視聴者からの「松下さんが、わしもこれで男になったな、これで一人前になったなと思われたのは、いつ頃ですか」との問いに、
「おまへんな、まだ道を求めてるほうやから。これで一人前になったというような、そんな安気な気分にはなれまへんね、まだ」と答えたことです

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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アメリカの心

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ユナイテッド・テクノロジー社編

もし君が落胆することがあったらこの男のことを考えてごらん

小学校を中退した

田舎の雑貨屋を営んだ
破産した借金を返すのに十五年かかった

妻をめとった
不幸な結婚だった

下院に立候補
二回落選

上院に立候補
二回落選

歴史に残る演説をぶったが
聴衆は無関心

新聞には毎日たたかれ
国の半分からは嫌われた

こんな有様にもかかわらず
世界中いたるところのどんなに多くの人々が
この不器用なぶさいくなむっつり者に
啓発されたことか

その男は自分の名前を
驚くほど気軽にサインしていたA・リンカーン、と

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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『夢とスランプを乗りこなせ』

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ベン・タロン

「成功するには忍耐が大切」とよく言われますが、一方で、それができている人は、あまり多くないと思います。なぜ「忍耐」が難しいのか。おそらくそれは、待っている間の不安や否定に耐えられないからだと思います。
「待っていても報われないのではないか」そんな気持ちが、本当は価値ある株や不動産を早く売る原因になったり、安易な転職を促すことにつながっています。同じことが、才能に関しても言えると思います。
特にアーティストや作家は、成功するかどうかが見えにくい。クリエイターとして生きていくには、やはりある程度の忍耐と、待っている間のメンタル維持、現実的なお金のやりくりを考える必要があるのです。

教師は生徒の競争心を抑えよう抑えようとするけど、競争心を良い方向へとうまく導いてやるのが良い教師だ
あるとき、ぼくはある教師に「イタチ」というニックネームを付けて、人面イタチの絵を描いたある日、ぼくはイタチに呼び出された。彼は震えるぼくを見下ろしてこう言った。
「君には才能がある。大笑いしたよ。罰として、こんど学校でやる失読症講演会のユニークな宣伝ポスターを作ること」。ぼくは今でもその先生を尊敬している当時のぼくを含めて、良い作品と認められるためには、複雑さや細部が重要だと信じ込んでいる学生は多い。でも、いちばん難しいのは、シンプルでしかも良いものを作ることなのだ

真剣に取り合ってもらいたいなら、ビジネスらしく振る舞うこと。
クリエイティブ・ディレクターは、ジーンズの左膝にパックリと開いた穴が、天性の才能の証だなんて思ってはくれない
トレンドに従っていたら、そのうち急に裏切られ、自分を見失ってしまうだろう。だから、ぼくは個性と魂のあるパンチの効いたスタイルを生み出そうと思った。そうすれば、そのときの流行がどうであれ、きっと居場所があるはずだ

ハリーの説明はこうだ。ポートフォリオはその人のショーウィンドウのようなものと考えたほうがいい。あまりにも中味がごちゃごちゃとしていると、何を売っているのかよくわからなくなってしまう。
ポートフォリオの画像に文脈があれば、深く考えなくても一目で理解できるので便利だ返信がなくても、

無視されたとか嫌われたと思わないこと。忙しいだけなのだイライラや自己憐憫に駆られていると、みんなが怒りっぽい嫌な奴に見えてしまう

仕事がぼくをベッドから起こしてくれる。この仕事があるからこそ、規範や常識だらけの人生のなかで、何か価値あるものに属しているという気持ちでいられるそれから18年間、私は世界一刺激的な男、フェリックス・デニスのもとで目まぐるしく働いた。詩人でもあるデニスは、数億ポンド規模の出版王国を独力で築き上げた。
「実行が先、謝罪はあと。失敗するのはかまわない。ただし挑戦を避けることは許さない」──これほど恐ろしく、かつ自分のデザイナーとしての可能性に気づかされた指示はない

同僚から経験を盗み取ることは重要だが、自分が得てきたものを若い人たちに還元することも、同じくらい重要だと思う。
これまで私を支えてくれた人のことは一生忘れない。でもそれと同時に、ほかの人々にチャンスを回すことも私の責任だと思っている。
私にとっては、それが何よりの生きがいなのだどんな人間でも、認められることに不安のない人間なんていません。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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『成功は“ランダム”にやってくる!』

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フランス・ヨハンソン

一万時間の法則は、成功の秘訣をわかりやすく説明する手段として活用されてきた。どんな分野であれ、一番になるために必死に努力すれば、成功する。数多くの調査が行われ、この考え方を支持しているにもかかわらず、依然としてこの法則では説明が不十分のようだ。
このアプローチの仕方は、テニス、チェス、バイオリン、バスケットボールなどの特定の分野にしか通用しない。それ以外の分野では、法則が破綻してしまうからだ。

ある分野や産業において、練習や訓練をほとんどせずにリーダーになった人は数えきれないほどたくさんいる。
リチャード・ブランソンは、航空会社を経営した経験がゼロだったにもかかわらず、思いつきでヴァージン・アトランティック航空を立ち上げた。一万時間の訓練は必要なかった。
スカイプの創設者であるニコラス・センストロムとヤヌス・フリスは通信業界での経験は多少あったものの、エキスパートというレベルではなかった。一万時間にはほど遠い。
任天堂の役員である宮本茂は、有名なゲーム・デザイナー兼プロデューサーで、「ゼルダの伝説」、「マリオブラザーズ」など、数々のメガヒットを生み出した人物だ。やはり彼にも一万時間の法則は当てはまらない。
テニスのセリーナ・ウイリアムズにとっての成功は予測可能なものである。

しかし、起業家、弁護士、科学者、アーティストはそれではすまない。
私たちの市場は圧力を受けて常に変化し、適応し続ける世界で戦わざるを得ない。
一方の世界ではルールは何十年も何百年も変わらず、もう一方の世界ではルールは常に変化しているのだ。
さまざまな分野における成功への道のりにおいて、ランダム性、偶然、運が入り込む余地がどれだけあるのかは、この違いを認識しなければ絶対に理解できない。社会的規範がゆるい分野ほど、ランダムに成功する割合が高くなる。状況が変化し、発展しつづけるために確固たるルールが定まらない世界で成功するには、どんな手段をとればいいのだろうか?

三つの教訓がある。
一つめの教訓は、世界は予測不可能であり、すごい速さで変化しているということ。テニスやチェスのようにゲームのルールが固定されていない限り、このような速い変化をうけて成功はランダムになる。誰かが成功したときの方程式を教えてもらうことは一見ありがたく思えるが、そのような方程式が存在すること自体が、方程式の効果をなくしていまう。大切なのは、誰かの具体的な戦術ではない。具体的な戦術は、予期せぬ出会い、驚くべき契約、偶然のひらめき、幸運なめぐり合わせなどから生まれる。
二つめの教訓は、私たちはランダム性を積極的に人生に取り入れようとはしないということ。私たちが作り出した社会では、計画や予測可能性はすばらしいと教えられる。次第に世界はそれを許さなくなっており、次第に成功は予測不可能になってきている。私たちはランダム性を嫌う。しかし、成功するためにはランダム性が必要である。もっとも大切なのは、情熱をモチベーションにすることだ。情熱があれば私たちは前進し、賭けを続け、失敗した直後でもほかの手段を探すことができる。
三つめの教訓は、すべての複雑エネルギーをコントロールすることはできないが、物事がうまくいき始めているとき、自分に有利になりそうな出来事が起きているとき、それに気づくことはできるということだ。そうなったときは、倍賭けするべきである。こういう瞬間はめずらしく、毎日起きることはない。私たちは複雑エネルギーをコントロールしたいという強い欲求を持っているが、それはとてもむずかしい。プロジェクトのどれかがそれに引っ掛かったことを確認してから、成功を目指すほうがいい。

世界は決して予測通りには動かない。今日ほどこの言葉が的を射ているときはない。だが、逆に言えば、誰もが予期せぬ方法で世界を変えるチャンスを持っているということだ。チャンスは一瞬に駆け抜ける。思いもよらないときに現れる。そして、私たちの人生におけるさまざまな道が、驚くような方法でつながるその一瞬に、現れるのだ。

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『望みはかなう きっとよくなる』

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元筑波大学名誉教授、村上和雄

最近、日本民族の特徴がDNAレベルで解明されつつあります。
それによると、日本民族はハイブリッド(雑種)な民族です。北方系と南方系のいわゆる混血なのですが、しかもその混血ぶりが著しく、DNAのバリエーションがきわめて豊富なのです。決して単一民族ではありません。

その理由のひとつは、先住民族と新参民族の間で殺し合いが起こらなかったことです。一般的には征服民族が被征服民族を殺すことは珍しいことではなく、それによって混血の程度は薄くなるのですが、日本列島では民族の殺し合いというものはあまりみられなかった。そのために、混血が進んだとも思われます。
多種多様な民族が、四季に恵まれた環境の中で、共存共栄しながら生きてきたのです。「和をもって貴しとなす」精神文化も、このような背景のもとに培われたのかもしれません。

現在、多様性の重要さが言われていますが、日本人はもともと多様であることをよしとして生きてきた民族だったと思います。日本人はあいまいだと非難されることがありますが、そのあいまいさこそが多様性を生んでいるという側面もあります。
日本人は善か悪か、正か邪かという二元論でものごとを割り切ってこなかった民族です。白か、黒かだけでなく、グレーの大切さも認めてきたのです。ハイブリットなDNAを反映しているからかどうかは分かりませんが、私たちが使っている日本語もきわめてバリエーションに富んだものです。漢字、ひらがな、カタカナと書き文字だけで3種類も保持しています。人を呼ぶ人称も、数を数える数詞も、相手によって使い分ける敬語も、日本語特有のものがあります。

そもそも言葉に魂が宿るという「言霊信仰」も、日本人に特有なものだと思います。こうしたことは、おそらく日本人を深い部分で規定しているはずです。
宗教にも、感性的な宗教と理性的な宗教があります。神道も、日本流にアレンジされた仏教も、感性的な宗教だといえるでしょう。すべてのものに命の宿りを感じるのが感性的な宗教です。

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『人は一生に四回生まれ変わる』

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森毅 

よく計画をたてて、その通りにやろうとする人がいる。
僕はちゃんとなんてできないに決まっているから最初から計画はたてない。

対談なんかでテーマが決まっていても、前もって考えることはあまりしない。その場でほかの人の意見を聞いて、それに対する意見を述べる。
考えなんてしゃべっているうちに出てくるものだ。普通は人生のコースでも目標を決めてそれに邁進しようとする。

夢を持つのはいいが、たとえば何歳で課長になり何歳で部長になり、定年になってから趣味をやるなんて決める。あるいは何歳で結婚して何歳で子どもを持ち、何歳で家を買うと計画をたてる。計画通りいけばいいが、計画通りにいくことなんてほとんどない。あるいは途中で必ず迷いが生じる。それであせったり絶望したりする。

だからその場その場で新しいことを考え、可能性をどんどん増やしたほうが、人生そのものが活性化する。それに楽だ。ついでに僕はダメモト主義だ。
僕はわりと不器用でドジだから、自分のドジをあらかじめ組み込んで、ドジったときの防衛をする。
どうするかというと、できるだけ他人から期待される場所には出ないことにしている。講演なんかでも得意な分野の話はなるべくしない。期待されている分、ドジって期待を裏切ると悪いからだ。
苦手な分野だったら、期待されていないから、ダメでもともと、うまくいくとほめられる。
しかし、それにはある程度の下調べをする。だから僕の関心も広がっていく。
これが僕の生き方だ。しかし、みんなが僕と同じ生き方をしたら気色悪い。たぶんすぐに別の生き方に変えるね。

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『なぜか「運」をつかむ人逃がす人』

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植西聡

アメリカの一流の哲学者であり、教育家でもあるジョン・デューイ教授は、「人間のもつ最も根強い衝動は『重要な人物でありたい』という欲求である」と言っている。
アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームスもまた、「人間のもつ性質で最も強いのは、他人に認められることを渇望する気持ちである」と言っている。
同じくアメリカ人で人生の師と仰がれたディール・カーネギーは、「人間の欲求の中で、人から重要な存在だと思われたい欲求が一番強い」と言っている。
つまり、三人とも「自分が偉いと思われたい」「自分は人より優れていたい」「自分は人から重要な存在であると思われたい」という、いわゆる「自己重要感の欲求」が一番強いものだと言っている。

人間は、この欲求を満たすためには、何でもやってしまう。そして、この欲求は死にたくない欲求よりも、お金が欲しいという欲求よりも、強いということが事実を通して見えてくる。

こんな話がある。
ある大企業の第一線で活躍していた部長が、定年後も嘱託扱いで会社に残ることになった。しかし、仕事はほとんど無い。つまり、彼の存在感はまるでなく、いてもいなくてもいい状態にあった。結局、彼はそれから三か月後に退職した。
給料は十分だされていたのに。仕事のない彼は、元の部下の視線に耐えられなかったのだろう。彼の自己重要感は、完全にスポイルされた状態にあった。
忠臣蔵の浅野内匠頭は殿中で刀を抜いたら、お家断絶、自分は切腹ということは十分わかっていたはずだ。それでも吉良上野介からバカにされたことに我慢できなかった。
自分の死やお家断絶よりも自己重要感のほうが強かったのだ。私たちの自己重要感の欲求というのは、死よりもお金よりも強いことが分かる。逆に考えれば、相手の自己重要感を高めてあげれば、どんな人間関係もうまくいくのは間違いない。
人間関係で悩んでいる人こそ、この自己重要感の原理を知れば、どんな人間関係もうまくこなすことができる。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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