「脳に悪い事」

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梶本修身

自律神経を制御する中枢は脳の中にある。そこで体を活動的にする交感神経と、休息させる副交感神経のバランス配分が制御されている。自律神経に無理を強いることは、結果的に脳の疲労に繋がる。つまり脳に悪い事とは、自律神経に無理を強いる生活習慣なのです。

〇1つの事に長く集中する私たちは脳からの指令で活動する。計算をするのと、音楽を聴くのとでは、脳の中の使われる場所が違う。同じ作業を、ずっと続けていると、同じ場所だけが使われる事になり、脳が疲れる原因となる。
そんな脳の疲れに対する防御反応が飽きるということ。これは、脳の疲れのファーストサイン。飽きてきたら、一旦その作業から離れ、脳を休ませる必要がある。1つのことだけに集中するのは、出来るだけ避けて、脳の中の使う場所を上手く分配することが大切。

〇早朝ジョギングや早朝ウォーキングは、とても健康的なイメージがあります。でも、それは大間違い。早朝の脳は目覚めたばかり。自律神経を十分に制御する事はできない。そんな状態の時に運動をすると、心拍や血圧を上手くコントロールできない。心臓や血管が暴走し、心筋梗塞や脳卒中を起こす可能性がある。
朝食を採る前の運動は、更に危険度が高まります。「運動をすれば、疲れが吹き飛ぶ」という人がいます。これは運動がもたらす高揚感や達成感で、疲労感が隠されてしまうからです。
疲労を感じていなくとも、運動すれば、自律神経は緊張せざるを得ないので、脳は確実に疲労します。これを繰り返していると、慢性疲労に陥り、最悪の場合は、過労死を引き起こす可能性もあります。疲れは、休息を取ることでしか解消されません。

〇温泉にゆっくり浸かって、たっぷりと汗をかくのはとても気持ちが良い。しかし、リラックスしているのは、気分だけ。自律神経は、緊張を強いられています。これも、感情で疲労感が隠されている典型的なパターン。
温泉に入るというのは、実は脳を非常に疲れさせる行為なのです。汗をかくというのは、外からの刺激に対抗して、体温を下げようとする体の防御反応。これも、自律神経の働きによるもの。つまり、汗をかけばかくほど脳は疲労する。サウナなどは、脳にとってこれ以上ない過酷な環境だ。大量の汗をかけばデトックス効果が期待できるが、脳にとっては、けっしていい事ではない。
睡眠中は、自律神経も休ませるべき。過剰な寝汗をかかないように注意が必要だ。自律神経を緊張させないように、エアコンなどで環境を整えよう。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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